2010年1月30日土曜日

ありがとうございました

先日、ニューオータニへ行く用事が出来た。
ネットで所要時間・乗りつぎ駅、色々調べて出掛けた。
名前はよく聞くけど私は行くのは初めて。体調もすぐれず出かける時からやや足が痛かった。
先ず、あの広い新橋の地下で300m以上歩き、銀座線で赤坂見付で降りたもののDの出口へ行くのはどう行けば良いのかと聞き、ニューオータニへ行きたいんだけどと駅員に問うてみたら又、何百mも歩かねばならない事が分かった。
ああ、無事着けるかな・・・と思う程、体調はすぐれなかった。

その時前を歩いていた年の頃30才前の綺麗な女性がスタスタと私の前に来て「ニューオータニへいらっしゃるのですね?私もその方面へ行きますので御一緒に参りましょう、私が楽な行き方を教えてあげます」
とニコニコしながら私に云った。
私はビックリした。何の関係も無い赤の他人の私の為に何十分か使ってくれる、そしてニューオータニまでエスコートしてくれると云う。
私はなぜ?どうして?と疑った。
「この地下へ降りると又、上がるのが大変ですから地上から真っすぐ行きましょう。あれ、あのビルですからすぐ近くなんですけど、ここを渡るのが大変なんです。入口まで御一緒いたしますね。私は大阪の人間ですが去年、東京へ来たものですから詳しくは知らないんですけど、この辺りは分かります」
私が「ネットで調べて来たんだけど現実は地図上とは異なっていました」と話したら「あら、ネットをおやりになられんですか?すごーい」と云ってくれたけど、私は嬉しくなかった。私はもう客観的には老人の一人なんだと改めて思い知らされた。
それにしても、私の住んでいる周辺には、こんな優しい人には会えない。
もし、居たとすればそれは先ず何者だろうと疑ってかからねばならないような時代であり場所である。そして私は赤の他人の為に30分以上も時間と労力を費やす事が出来るような余裕がない。
目が覚めれば仕事(家庭の事・店の事)がずっしりと待ち受けている。
それをこなすのに精一杯だ。

読者の方、御存知でしょうか?
何かのテレビのCMに
「みんな希望と夢を持たなければいけないわ、私だってこんな老人だけど恋もするかも知れない、事業を起すかも分からない」と云いながら女の老人(外人)の写真が出てきます。
私の今の気持ちとピッタリだと思ってこのCMを観ています。
私は今書店と云う斜陽業種の店主であるけれど、50年間続けて来た中で一番難しい時期になった。でも、私は儲けようとは思っていない。店が経営出来て、一人でも多くの人が本を読んでくれる人に育ってくれたら嬉しい一心だ。電子ブックが話題になっているけれど、それでもこの活字は読まねばならない。
意志伝達の方法(言葉・文章)は本を読まねば覚えません。

みんな本を読んで下さい。
そして私はもっと心を広くして先日会った名も知れぬ女性のような優しさを人としての心に持てるように
なれるよう努力したい。


総理大臣もそんなに国民の命の事を大切に思っているのなら具体的に手を打ってください。
幹事長の顔色を見ているような総理は初めてです。

私は先日会った名も知れぬ女性の心をとてもとても新鮮に思った。
ありがとうございました。
又、いつかどこかでお逢い出来るかも分かりません。

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今週のおすすめ★












「カッコウは誰のもの」
著/東野圭吾
光文社
1600円+税














「数えずの井戸」
著/京極夏彦
中央公論新書
2000円+税














「ひと晩5冊の速読術」
河出書房新社
933円+税

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2010年1月23日土曜日

今日は昨日の続きではない

世の中超便利になったはずなのに、私は最近とても不便な事が多くて困っている。私の住む横浜市中区伊勢佐木町が変化してしまったので、50年前の住み易さがほとんど無くなってしまった。
映画館(封切館)は東宝・東映・松竹・大映すべて徒歩10分そこそこに全部あった。
デパートも4件あったが50年前に下から順番に消えてゆき一昨年最後の松坂屋が閉店して一年余りになる。
私達昭和人間はデパートが好きだった。
中に老舗の売店等もあり、そこを目指して行く事も多かった。
思えば人間が一番買い物するのは30代、40代だろうか。
私も今20年30年前に買ったジャケットをしっかり利用しているが最近買うものよりずっと私の体に馴染んでいるように思う。
それもそのはず、店の人の応対の仕方が全く変わってしまった。
何度も行ってるうちに馴染みになる。そうすると物の選び方にもお客さん(私)中心に話をする。「これは駄目、こっちが良いですよ」とか「この前のスーツの下にこのブラウスはお似合いです」とか。
客の身になって商品を進めてくれていたが、今はただ「これがお安いですよ、お買い得ですよ」とか云われると私は少々しらけてしまい「じゃ、又ね」と云って店を出る。
私は価格は決して無駄にはついていないと近頃つくづく思う。
何年か前「高いかなー・・・」と思いつつも気に入っていたものを買った品物は衣服によらず家具によらず、長い間楽しい思いを与えてくれる。
長く考えるとその方がずーっとお買い得なんだ。

そしてそういう客にとって楽しかった店が一つ二つと消えてゆき代わりに出てきたのがフランチャイズチェーン店。
経営者としては全国制覇する程の店を持ちとても立派になったような気分だろうと思う。
又、店を大きくするにはこれが一番なんだろうと思う。

私もコンビニも利用するけれど、食事の類はほどんど買わない。読者に分かってもらえるかどうか分からないけど、私の言葉で表すと「コンビニの味」がするのが嫌いなのだ。
コンビニの味ってどんな味?うまく説明できませんが。
でも、何かがプラスされていると思う。その味と香りが馴染めない。再び云うけど私は昭和人。何事によらず心のこもっていないものはすべて駄目です。

食欲が無くてお寿司ならどうかと云われてもチェーン店で配達してくるお寿司は余程お腹が空いてないと食べれない。
20年位前までは普通のお寿司やさんが届けてくれたので美味しかったのに。

「時の流れよ、貴方が時代遅れなのよ、仕方ないわよ」と友人に云われたけど、もっとすべての事を根本的に考え直す時期が来ているのではないだろうか。
会社も大きくするより、味の濃い会社にしたい。
日本中でたった一軒しか無い店でも日本中の人の心をとらえるような店造りがしたい。

私は毎日毎日明けても暮れても本を読む人に感謝しながら生きている。
本を読んでいると時代の動きが分かります。
どうか時代の波にのまれないで本を読んで考えてほしいと思います。
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★今週のおすすめ本★













「男の腕まくり酒の肴」
NHK出版
952円+税















「昭和史 戦後篇」
著/半籐一利
平凡社
1800円+税














「世界の名酒事典」
講談社
4500円+税
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余談
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2010年1月16日土曜日

時は動く

私は、この一年ウォーキングをさぼっていた。色々事情はあったのだが、昨年も成人式の日にウォーキングロードの撮影をしたので今年はどの位変化しているのか見てみたくて又、カメラを持って歩いた。

伊勢佐木町へ出てみると早朝なので静か。
大きな変化はスーパーユニーがピアゴに変わった事。

そして、その前の空地(元東映の映画館跡)が綺麗に整理されて商品のようになっていた。

日活館跡はもうすっかりゲームセンター、立派に綺麗になってきた。

この地下にあるサンミ高松は(和食料理屋)私のお得意の店、和食料理としては私はかなり高い点をあげたい。

週一回位行くかな。私は魚が大好きだから。草食系ではなく魚食系です。

大通りを越えて進んで行くが、もう書ききれない程、店が変わってしまっている。
あの奥行きのある落ち着いた老舗はほどんど消えてしまった。


一昨年秋に閉店した松坂屋はそのまま。
これだけの物件を遊ばせておくのは勿体無いが採算の問題で手を出せないのだろうか。それとも、何か話は進んでいるのだろうか。
ゆずが紅白歌合戦をここで歌ったのはいつだっただろうか?

それからが、この街の衰退はそろそろ始まったのだ。


その前の三軒の店も、もうかなり長くシャッターが下りたまま。

吉田橋を渡って関内に入るとオフィス街なので大きな変化はない。
野村證券のウィンドウをとってみた。


馬車道を抜けた所の右手に綺麗でカラフルなビルが見えたので何だろうと聞いてみたら結婚式場だった。

これから先は海の大好きな私のエリア。
昔建った石のビルはみんな風格を保っている、年をとらない。
いつまでも、その時代時代の風景の中で悠然と建っている。
さすがだと思う。
横浜港の栄えた時代の象徴だ。
私が未だ20才代の頃、山下埠頭が出来た。船が着岸しやすくなった。そして続いて本牧埠頭ができた。

なつかしがっていても仕方ないけど、なぜ横浜や神戸が韓国や台湾の港に取って代えられてしまったのか、今は主としてシンガポール。

横浜はあくまで港で栄えた街。その港がガランとしてしまうようでは先ず繁栄は難しい。
正月元旦の午前0時、私は50年間毎年聞いた。港から聞こえてくるボーッというあの汽笛の音。私にとっては嬉しい音色だった。あぁ、今年も又新しい年がきた。頑張ろうーと思った。18年前までは夫と共に肩を並べて、その後はたった独りで。
今年はほとんど聞けなかった、停泊船の数が少ないんだと思った。
飛行機で運べないものはすべて船。日本はこの輸出入で生きてゆかねばならぬ島国。
その港が不振では横浜街は存在価値がない。



横浜の街よ、ごめんなさい。今に素晴らしい為政者が出て来て又きっと栄えるから。私はそれを信じています。
いつものようにナビオスのレストランで朝食バイキングを食べて帰った。

時の人、小沢さん。この頃はどんな本をお読みになられましたか?
私は本屋ですから是非、出来るだけ多くの人に本読み人を育てる義務があります。人間は皆、必ず死ぬんですよね。生きている間に楽しい思いをいたしましょう。読書ほど楽しいものはありません。
毎週おすすめの本を発表していきます。
せひ読んでみて下さい。

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今週のおすすめ★














「生きる勇気 死ぬ元気」
著/帯津良一・五木寛之
平凡社
1400円+税













「白洲次郎・正子 珠玉の言葉」
講談社
1000円+税
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2010年1月9日土曜日

政治の話は書きたくないんだけど

本当に落ち着かない内閣だ。
なぜ、こんなにゴタゴタするのだろう。
小沢氏も自分の意思で動かしたいなら御自分が総理大臣になるべきではないでしょうか?私は自民党も民主党も好き嫌いは無い。先日タクシーに乗ったら運転手さんが「僕は小沢が好きだから参院選も勿論民主党に入れますよ」と云った。
そうか、みんな好きとか嫌いで一票を決めるのか・・・と思った。
私は二大政党制で結構だけど、その数が大きく開くのではなく、ほとんど勢力が拮抗しているような形を理想としている。
そうすれば、議論が多くなるし国民の声も届くだろうし第一、独裁政治にはなりにくいと思う。現状は、このまま進めば何が何だか分からぬうちに小沢政治になりかねない。それは困る。人間万能な人はいないんだから。
新聞、週刊誌、ネット情報、そして単行本をしっかり読むことです。色々な意見・考えを読み続けてゆけばだんだんとこうあるべきだという事が自ら判断出来ると思う。
そして自分で考え自分で決める事だと思う。
もうひとつ
お金も無い事だからあれもこれもしたいと宣伝しないで欲しい。
子供はその家庭なりに育つものだし(親の責任)高校まで義務教育する必要はないと思う。又、老人介護の仕事は給料をアップしてキツイ仕事は仕事なりのペイを支払うべきだと思う。そうすれば人は集まると思う。(議員さんの給料を一寸カットすれば出来るのでは)
いずれにしても大風呂敷を拡げないで
間違いなく可能な範囲の仕事を公表して欲しいです。
選挙の票目当て(それは人情としては分かるけど)の政策は出さないでほしい。これは出来るが、これは出来ないと正直に発表してほしい。
又、私達もみんな困ってる人はいっぱい居ます。
私もその一人です。
でも私は私の力の範囲で最大の努力をして生きてゆきます。
私は日本人は働きすぎだとは思いません。
(私はバッチリ昭和人ですから)
国も人も希望を持って身の丈の仕事をして生きてゆくべきです。
己の身の丈を知るためにはくどいようだけどそれには、先ず読書です。

◎紙芝居はいつでも演じに出張いたします。
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今週のおすすめ本★













「奸婦にあらず」
諸田玲子/著

出版社名 文芸春秋
税込価格 890円













「花世の立春」
新・御宿かわせみ
平岩弓枝/著

出版社名 文芸春秋
税込価格 1,365円













「熱い風」
小池真理子/著

出版社名 集英社
税込価格 1,365円

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2010年1月5日火曜日

ドキュメント昭和が終った日を読んで

新年おめでとうございます。今年もよろしく御支援下さい


「ドキュメント昭和が終った日を読んで」

私が生まれたのは日支事変の始まる3年くらい前だった。
小学校へ上がるまでは戦争の事など考える事も無かったけど少しづつ戦争の匂いが濃くなってきて小学校6年生の時のあの夏の8月15日から事態は一変した。
食べる物も少なくなり闇行為も行われ生きる事が子供ながらに大変だと自覚していた。そして私は、GHQとかマッカーサーとかという言葉の中で教科書もあちこち墨で消したものを使わされた。
そして女学校1年生の時に父の戦病死の報せが届き母が一晩中泣きあかし、私は2人の妹をと2人の弟を前にして、これは私がしっかりしなければと心の中で決心した。
祖父母も頼りの一人息子に死なれ、それは大変な悲しみだったと思う。

私は占領下で高校生のほとんどを終え20才の時に横須賀ベース前で洋書店をやっていた夫と結婚し以来本の世界の人間になって半世紀が過ぎた。
「ドキュメントが終った日」を読んでみて、私は完全な昭和人だとよく分かった。
昭和も平成もずーっと切れる事なく繋がっているのだけど、こんなに大きく異なるものかと思い通す事、多々であった。
美空ひばり、東京オリンピック、新幹線、美智子皇太子妃、寅さんの映画、映画も昭和の香りがする。

私はそんな中で人生の大半を「頑張ろう」の一心で生きて来た。
ゆとり教育なんていうものは考える事も出来ない社会の為に何をすれば人間として生きて来た価値があるだろうかといつもいつも考えている。間違いなく「生きた」という実感をとても大切に思う。

そんな私が昨夜、テレビのチャンネルを回すと鳩山総理の奥様がSMAPの連中と一緒にキャーキャー騒ぎながらご馳走を作っている番組が出てきた。
私には総理の奥様がこういう人達とこんなに騒ぎながら
「主人は優しいのよ、食事の後の食器洗いはずーっと主人がやってくれるの。しなくていいのにと云っても、作って貰って後、片づけまでやってもらえないと云うのよね、優しい人よ。官邸に入ったので広すぎて困るわ。遊びにいらっしゃい、大歓迎するわよ。前以て届けておけばいつでもどうぞ。」
SMAP達の作った料理を美味しい美味しいと云って食べ最後に自分も作ったようだった。私は途中でチャンネルチェンジしたのではっきり分からない。

私の感覚では時の総理大臣の奥様がこんなお遊びのテレビに出て来てチャラチャラするのはいただけません。
私は昭和人です。間違いなく。そしてそれを誇りにしてこれからも生きてまいります。

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今週のお勧め本★
















「昭和が終わった日」
著/佐野眞一
文藝春秋
1400円+税

















「新 忘れられた日本人」
著/佐野眞一
毎日新聞社
1500円+税
















「忘れられた日本人」
著/宮本常一
岩波文庫
700円+税

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