2013年10月12日土曜日

時の流れが早すぎる

私は昭和8年生まれ。
育つ期間はずーっと物不足時代。
何かを代用品にしたり、ミシンとか機械類も
有名なシンガーと云っても古道具に
なったものしか無かった。
それでも、ミシンが来てからは
母も子供の着るものを次々縫ってくれたし
私も簡単な物は、ミシンで縫えて嬉しかった。
 浴衣を縫い直す時、
ミシンが速いと思ってミシンで縫って
祖母にしっかり叱られた。

運動靴も60人位のクラスに15足位配られ
それを抽選で分けていた。
私はいつもみんなの引いた最後になるので
一度も当たった事がなかった。
上履きはみんな藁草履。
祖父に頼んで少しだけ明るい布を
入れてもらって少しでもきれいに
したかったらしい。
そんな中で、18才位まで生きて来たので
物は大切に使って長く使わねばならない。
と云う思いがずーっと続いた。

ところが人生も終わりに近づく頃になって
次から次へと新しい仕組みが入って来た
例えばパソコン。
今はこれなくしては作業が出来ない。
大学生は、全員身についていて
今更ながらという状態。
もう40年近く当店にいる女性従業員(60才)は
「今更パソコンなんか習いたくないけど
この店にいる限りパソコンに触らないで
仕事が出来ない。」
彼女は編み者や裁縫は玄人派だし、
でも「時代には勝てんわ。」と云って
去っていく事になった。

携帯電話にしても持ってない人を
探すのが難かしい。
そして、その携帯そのものが進化に次ぐ進化。
私も一寸「あ、どうしよう。」と思ってしまう。
マッチなんて買う人はほとんどない。
私は仏壇に御供え物をあげる時
どうしてもマッチでないと心がおさまらない。
でも売っている所は少ない。
いつも探して買っている。

ノート位の大きさの携帯パソコン。
常に持ち歩き電車の中でも
タクシーの中でも開いて使うらしい。
そして、自動車も人間が触らなくても
前後の様子を車が意して止まってくれるように
なってきたらしい。
そして、これを世界的競争で勝たなければ
会社の存亡に関わると云う。

何もかも自動、自動になった時にこそ
人間は心をしっかり使わねばならなくなったと
私は考えている。
人間の心の緩みが事故につながる。
本当に生きるのがますます難しくなったと
私は考えている。










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