東日本大震災は私は横浜に居てあの怖さだったと思うと東北の人達はどんなだっただろう。
二週間余経った今,やっとテレビ・ラジオ雑誌等でそのすごさは増すばかりである。
三万人近い人が命を落としてしまった。
阪神淡路大震災から16年経ったという事だが、あの頃は未だ寅さんも生きていた。
今ほど不景気のドン底という程の事は無かったように覚えている。
その阪神の時より何倍も被害は大きく更に原子力発電所の事故が重なり被害が被害を呼ぶような姿になっているようだ。
東北の寒い所でオイル不足・水不足で動きもとれないだろうと思うともし自分であったらどう対処するだろうと不安が不安を呼ぶような毎日である。
何と云ってもこの惨事を一挙に解決するには悲惨すぎる。
何段階にも分けて考えてゆかねばならない。莫大な仕事になろう。
それは即ち恐ろしい程の資金力を要する問題だと思う。
私も聊かなれど協力しようと考えている。
でも私のような吹けば飛ぶような零細小売店等、自分自身すら経財的に参っているのに大したことが出来るはずもないが。
それでもそれなりにしたいと考えている。
日経ビジネスを読みながら経済界は己の利益にも繋がる事ではあるとは云うものの立場立場で力を貸している事がよく分かった。
また、陸路の渋滞の為、海路を使い日本郵船はコンテナ船を動かし始めた。
さすがN,Y,K。
食物関係の業者、水関係の業者、医療の関係者、みんなこぞって今回の難問解決に総力をあげている。
人間の知恵は出せば出る。
力も惜しみなく出すべきだ。
要所要所で日本中が必死になって当たれば必ず解決できると私は思う。
それにしてもふと今思い出した。
政府はどうしているの?
官房長官は24時間、通しでテレビを放送しているがその他の人達は?
電気料金の値上げを云いだした人誰?今こんな時期によくもそんな事口に出せると思う。
あんな人は政治家失格だ。
国民がこんなに困っている時、苦しんでいる時に何百人もいる議員さんはどこで何をなさっているのですか?
知恵が無くても若い力のある人ならば瓦礫の片づけにでも行かせるべきではないかと思います。
こんな時期に野党の党手に副総理を要請するなんて菅総理の頭の中はどうなっているのかと思ってしまう。
「人間ばかり増やしても役に立たん」と云われた、
亀井さんのおっしゃる通りです。
私はここで提案します。衆・参両議院とも年俸というのか何と云うのか分からないけど私は4000万円と聞いていますが思い切って半分にして下さい。
それだけでは大した額にならないけど国民に対する元気づけには効果大だと思います。
東北関東の人ばかりでなく直接問題苦しんでいる国民の心情が大きく変化すると思います。
何が一番今大切か。
日本国家の再生、復興そして国民の喜びです。やってくれたと云う希望が見えてきます。
私のような零細書店は年中資金ぐりに頭がいっぱいです。
月末が来るのが恐ろしい時もあります。
私は亡夫に先立たれてから私の給料は時給にすればアルバイトの半分以下にしました。
食物以外何も買わずにやってゆけば何とかなります。
それよりもイセザキ書房というこの55年間続けてきた店を続けること繁栄させる事が大切です。
この店で働いている従業員には出来る限りの事(といっても些細なものですが)をしてやる事が私の勤めでであり喜びであります。
そう考えてゆくと今回の政治家の動きは鈍すぎると私は感じています。
上も下もみんな頑張らねばならない時です。頑張りましょう。利害をぬきに。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
○今週のおすすめ○
「鳥瞰イラストでよみがえる日本の名城」
西ケ谷恭弘/編著
荻原一青/画
出版社名 : 世界文化社
税込価格 : 3,885円
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「プレミアムアトラス県別日本地図帳」
平凡社/編
出版社名 : 平凡社
税込価格 : 1,680円
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「日本・世界地図帳 Dual Atlas 2011-12年版」
Asahi Original
出版社名 : 朝日新聞出版
税込価格 : 1,470円
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2011年3月26日土曜日
2011年3月19日土曜日
怖かった3.11地震から学んだもの
3月11日(金)午後、私は近くの医院で点滴を受けていた。
ベットがぐらぐら動くのでヒヤッとした。
誰も平気な人はいないけど、私の地震恐怖症は並みはずれている。
よくお客さまに「地震が来るとイセザキ書房のママどうしているかなと思うよ」と云われるくらい。
そのうち隣のベットの人が「地震だわ」と云うや否やゆらりゆらりといつまでも揺れる。
私は怖くなって点滴をはずしてもらい側にあった机の下へもぐりこんだ。
まだ揺れている。怖い怖い、どうしよう。どうしようもない。
看護士さんは私よりずっと若いのに平然としているではないか。
そのうち何かガラスケースがガチャーンと倒れ中に入っていた薬物類が散乱した。
若い看護士さんが応援を呼び揺れる中で整理をはじめている。
私はただ、ただ机の下で「ヨナオレ。ヨナオレ」と子供の時に覚えた祈りの言葉を繰り返していた。
そのうちテレビがかかった。
震源地は宮城県沖。東北地方らしい。
テレビの中の様子がおかしい。
沖のほうからゴーと云うかウォーと云うか音がして海の水が陸地にあがってきた。
(私は津波なんて見たことが無かった、海育ちの人間だけど瀬戸内海なので台風は怖かったが津波は知識で知っていただけ。)
波なんていう生易しい表現では云えない。
海が町へなぐり込んで来たとでも云う姿で、海が広がり陸地が無くなってしまった。
そして海の水は陸上のすべての物、家も樹も車も人もさらって沖へ引いて行った。ほんの一瞬、
車はまるで虫けらみたいに見えた。
残ったのは高い建築物が1つか2つあったのみ。
後は何も残っていない。
ああ大勢の人が波にさらわれたなと胸がドキドキしてきた。
その間も余震は絶え間なく起きていた。
病院の先生が2階にあがって来られ「佐藤さんは?」「はいここにいます」
と云ってテーブルの下から返事をした。
先生は笑った・
何人か居たけどテーブルの下に入ったのは私一人。
残りの点滴をすませる間もグラグラ揺れえる。
早く店に帰らなければと残りチョッピリ残して抜いてもらった。
その日の店にはしっかりとした人間が残っていたので棚から落ちた商品の片づけも仕上がっていた。
女子社員の云うには「電柱が今にも倒れそうに揺れて怖かったです」
大学生の孫2人も両親不在だったけど持ち出す物を準備して待機していたらしい。
70過ぎの私よりしっかりしていた。
私の家も店もたいした被害は無かったが、その後のニュース(NHK)の様子では未だかつてない大地震であったようだ。
マグニチュード9.5.
その過中にいた人はどんなだっただろう。
こんなに離れた横浜でもあんなに揺れたのだから。
そして一週間経った。
もう仕事どころではないとは云え開店している以上、お客様は来店する。
私は頭に帽子をかぶって仕事をしている。
いつどこから何が落ちてくるか分からないから。
私は今回、強く思った。
人間は科学の進化で日進月歩で世の中が変化している。
便利により便利になっている。
私の子供時代はガスも水道もなかった。
ポンプで水を汲み、マッチで点火した。
時々、停電になる事があって試験の前等ではローソクの灯で友だちと集まり試験勉強をした。
ローソクもすぐに消えてしまうので、缶詰のカンの中へロウを入れ麻ひもを真ん中において火を付けて光を得たものだ。
すると長持ちするので。
そんな時代は遠い遠い何十年も昔の話。
洗濯機、冷蔵庫、ガスコンロ、炊飯器、掃除機、こういう機械を頼りにして私は店と、私生活のバランスをとつている。
これが普通と思っていた。
でも私は今回一番得た事は人間がどんなに進化しても自然のパワーにはかなわないという唯その一言である。
今回の地震のメカニズム等は私には分からないけれど山を切り崩して平地にして住宅地を造ったり超スピードの新幹線を次々と作ったり、山の樹木は手入れもせずに手軽に入手出来る輸入材を使ったり、手間をかける、汗をかくという事を忘れていやしないだろうか。
便利に簡単にする事がベストだという考えが拡がっている。国際的にも。
私もその恩恵にあずかっているのだけど。
人間は一寸ここで歩みを止めて生き物本来の姿に自然の姿にあらゆるものを元へ戻す必要性を強く感じた。
地震の研究、台風の研究は科学者にどんどんやってもらわねばならない。
同時にカラスの住む所も里山に残しておいてやりたいと思います。
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ベットがぐらぐら動くのでヒヤッとした。
誰も平気な人はいないけど、私の地震恐怖症は並みはずれている。
よくお客さまに「地震が来るとイセザキ書房のママどうしているかなと思うよ」と云われるくらい。
そのうち隣のベットの人が「地震だわ」と云うや否やゆらりゆらりといつまでも揺れる。
私は怖くなって点滴をはずしてもらい側にあった机の下へもぐりこんだ。
まだ揺れている。怖い怖い、どうしよう。どうしようもない。
看護士さんは私よりずっと若いのに平然としているではないか。
そのうち何かガラスケースがガチャーンと倒れ中に入っていた薬物類が散乱した。
若い看護士さんが応援を呼び揺れる中で整理をはじめている。
私はただ、ただ机の下で「ヨナオレ。ヨナオレ」と子供の時に覚えた祈りの言葉を繰り返していた。
そのうちテレビがかかった。
震源地は宮城県沖。東北地方らしい。
テレビの中の様子がおかしい。
沖のほうからゴーと云うかウォーと云うか音がして海の水が陸地にあがってきた。
(私は津波なんて見たことが無かった、海育ちの人間だけど瀬戸内海なので台風は怖かったが津波は知識で知っていただけ。)
波なんていう生易しい表現では云えない。
海が町へなぐり込んで来たとでも云う姿で、海が広がり陸地が無くなってしまった。
そして海の水は陸上のすべての物、家も樹も車も人もさらって沖へ引いて行った。ほんの一瞬、
車はまるで虫けらみたいに見えた。
残ったのは高い建築物が1つか2つあったのみ。
後は何も残っていない。
ああ大勢の人が波にさらわれたなと胸がドキドキしてきた。
その間も余震は絶え間なく起きていた。
病院の先生が2階にあがって来られ「佐藤さんは?」「はいここにいます」
と云ってテーブルの下から返事をした。
先生は笑った・
何人か居たけどテーブルの下に入ったのは私一人。
残りの点滴をすませる間もグラグラ揺れえる。
早く店に帰らなければと残りチョッピリ残して抜いてもらった。
その日の店にはしっかりとした人間が残っていたので棚から落ちた商品の片づけも仕上がっていた。
女子社員の云うには「電柱が今にも倒れそうに揺れて怖かったです」
大学生の孫2人も両親不在だったけど持ち出す物を準備して待機していたらしい。
70過ぎの私よりしっかりしていた。
私の家も店もたいした被害は無かったが、その後のニュース(NHK)の様子では未だかつてない大地震であったようだ。
マグニチュード9.5.
その過中にいた人はどんなだっただろう。
こんなに離れた横浜でもあんなに揺れたのだから。
そして一週間経った。
もう仕事どころではないとは云え開店している以上、お客様は来店する。
私は頭に帽子をかぶって仕事をしている。
いつどこから何が落ちてくるか分からないから。
私は今回、強く思った。
人間は科学の進化で日進月歩で世の中が変化している。
便利により便利になっている。
私の子供時代はガスも水道もなかった。
ポンプで水を汲み、マッチで点火した。
時々、停電になる事があって試験の前等ではローソクの灯で友だちと集まり試験勉強をした。
ローソクもすぐに消えてしまうので、缶詰のカンの中へロウを入れ麻ひもを真ん中において火を付けて光を得たものだ。
すると長持ちするので。
そんな時代は遠い遠い何十年も昔の話。
洗濯機、冷蔵庫、ガスコンロ、炊飯器、掃除機、こういう機械を頼りにして私は店と、私生活のバランスをとつている。
これが普通と思っていた。
でも私は今回一番得た事は人間がどんなに進化しても自然のパワーにはかなわないという唯その一言である。
今回の地震のメカニズム等は私には分からないけれど山を切り崩して平地にして住宅地を造ったり超スピードの新幹線を次々と作ったり、山の樹木は手入れもせずに手軽に入手出来る輸入材を使ったり、手間をかける、汗をかくという事を忘れていやしないだろうか。
便利に簡単にする事がベストだという考えが拡がっている。国際的にも。
私もその恩恵にあずかっているのだけど。
人間は一寸ここで歩みを止めて生き物本来の姿に自然の姿にあらゆるものを元へ戻す必要性を強く感じた。
地震の研究、台風の研究は科学者にどんどんやってもらわねばならない。
同時にカラスの住む所も里山に残しておいてやりたいと思います。
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2011年3月15日火曜日
人間は一寸先も分からない
人間の運命なんて、一寸先が分からない。
高山善太郎は殿様に褒められて土地を頂いた。
乃木将軍に耳をつままれて、「こんな所も奇麗にしておけよ」と云われた事も光栄だと皆に話していた。
明治11年1月30日に普通の家に長男として生まれ、蟹甲湾の要所要所の漁場を沢山持っていたのを、ほとんど全部相続し収入は多かったので田畑や土地や山を次々に買い小さな町だけど、その町の名士の一人に数えられていた。
和服姿の正装で出掛ける時等は振りかえられる程、立派な紳士になった。
長男・長女、次女と子供にも恵まれ長男は21才で結婚し、その町でも1.2を争う立派な家も建てた。
大黒柱は桜の太い木で大人が両手で抱えても抱えられない程の立派なもの、玄関の踏台も桜の一本物、廊下は8畳10畳の部屋から、庭が見えるようにして総檜造り。西日が入るとそのつややかな色合いの美しかったこと。
庭の樹も一本一本大金を出して丁寧に買い集めた。
サザン花も見事な物だったし金木犀の香も素晴らしかった。
松の樹も、竹林も立派だった・
息子の嫁をもらい、孫も長女.次女.三女.長男次男と10年間の間に5人生まれた。珍しいのと可愛いので、小さな赤ちゃんを着物の懐の中へ抱え込んで、あちこちへ連れて行った。
少し大きくなって「おじいちゃん、おじいちゃん」と云う言葉を覚えた頃には目の中に入れても痛くない程の可愛がりようだった。
「女の子だけど、この子は利口な子だぞ、何でも一度教えたらすぐ覚える」と云って褒め称えていた。
二女、三女と女が続けて3人生まれて来た時は少々機嫌が良くなかった。「又、女か」と云って見にも来てくれなかったと嫁が嘆いていた。
4人目に待望の男の子が生まれた。
その喜びようは表現の仕様もないほどの大きいものだった。
これで、高山の家は安泰、3代目が出来たと云って親戚中を集めて大きな名付けの宴を持った。
そして5人目も男の子が生まれ、高山善太郎は云う事無しという毎日だった。
次男が生まれたのは昭和18年2月6日。
雪の沢山降った寒い寒い日であった。
家庭は幸だったけど、大東亜戦争は始まっていて戦況は決して良くない方向へ向き始めていた。
二男が二月に生まれたその年の十一月に息子、善一に召集令状が来た。
老両親、妻、5人の子供を残して善一は佐世保海軍に入隊して行った。
出征の日の朝、善一は30年余の人生の中でほとんどを過ごした蟹甲湾を沖から眺めた。胸中は表現し難い熱いものでいっぱいだった。
町の名士の息子であれ、召集令状(赤紙)にはどうする事も出来なかった。
高山善太郎にとって生まれて初めての悲劇の始まりであった。
18年11月に出征し、その後、一度も帰還する事もなく昭和20年はじめにフィリピンルソン島へ送られ負け戦の時にのたれ死にさせられた。
その公報が高山家に届いたのは昭和21年の8月だった。
1年以上経っていた。
孫の長女が女学校一年生の時だった。
長男次男は意味すら分からなかった。
嫁は24時間泣き続けた。
その時、高山善太郎は町一番の酒造りやで一番うまい酒「蟹甲湾のしずく」という銘柄を一本買って来て広い床の間の真ん中に殿様から頂いたという掛け物をかけ立派な台の上に乗せて
「高山善一よ、早く帰って来い、酒を準備して待ってるぞ」と半紙に書いて張った。
誰も見た人がいる訳でもなく、遺骨の箱には紙キレ1枚しか入ってないのに死んだなんて信じられるか、必ず善一は帰ってくると云って独り酒を眺めていた。
高山善太郎は毎日その酒を眺めて「善一よ早く帰って来い」と必ず声に出していた。
しかし善太郎も70才すぎるとめっきり力が弱まった。
孫の長男に善一と呼び間違える事が多くなった。
その頃、善太郎の妻が目を悪くして手術したがほとんど見えなくなった。
息子の戦死から高山家は狂いだした。
「とうとう盲目にしてしもた、むごいのを」と何度も云っていたのを孫の長女は聞いて悲しかった。と同時に夫婦の絆というものを思い夫を死なせた母を気の毒に気の毒に思ったけど、どうする事も出来なかった。
孫の長女は高校を卒業すると2年も経たず結婚して家を出た。
「息苦しくて早く出たかった」と云った事があった。
高山善太郎は88才でこの世を去った。
幸そのものだったこの男にとって88年はどんな人生だったのだろうか。
大事にした二人の男の孫に抱きしめられ床の間の「蟹甲湾のしずく」を抱かされて「おじいちゃん、お父さんが待ってるから、このお酒を持って行って、一緒に飲めるよ」と云って送りだした。
高山善太郎はよく働く明治人であった。
妻にも恵まれ子供にも孫にも恵まれたけど肝心の長男に先立たれた悲しみはさぞや云うに云われぬ深いものがあっただろう。
人間の運命は誰にも予言出来ない。
先日の津波にさらわれた人達も運命だったのか。
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高山善太郎は殿様に褒められて土地を頂いた。
乃木将軍に耳をつままれて、「こんな所も奇麗にしておけよ」と云われた事も光栄だと皆に話していた。
明治11年1月30日に普通の家に長男として生まれ、蟹甲湾の要所要所の漁場を沢山持っていたのを、ほとんど全部相続し収入は多かったので田畑や土地や山を次々に買い小さな町だけど、その町の名士の一人に数えられていた。
和服姿の正装で出掛ける時等は振りかえられる程、立派な紳士になった。
長男・長女、次女と子供にも恵まれ長男は21才で結婚し、その町でも1.2を争う立派な家も建てた。
大黒柱は桜の太い木で大人が両手で抱えても抱えられない程の立派なもの、玄関の踏台も桜の一本物、廊下は8畳10畳の部屋から、庭が見えるようにして総檜造り。西日が入るとそのつややかな色合いの美しかったこと。
庭の樹も一本一本大金を出して丁寧に買い集めた。
サザン花も見事な物だったし金木犀の香も素晴らしかった。
松の樹も、竹林も立派だった・
息子の嫁をもらい、孫も長女.次女.三女.長男次男と10年間の間に5人生まれた。珍しいのと可愛いので、小さな赤ちゃんを着物の懐の中へ抱え込んで、あちこちへ連れて行った。
少し大きくなって「おじいちゃん、おじいちゃん」と云う言葉を覚えた頃には目の中に入れても痛くない程の可愛がりようだった。
「女の子だけど、この子は利口な子だぞ、何でも一度教えたらすぐ覚える」と云って褒め称えていた。
二女、三女と女が続けて3人生まれて来た時は少々機嫌が良くなかった。「又、女か」と云って見にも来てくれなかったと嫁が嘆いていた。
4人目に待望の男の子が生まれた。
その喜びようは表現の仕様もないほどの大きいものだった。
これで、高山の家は安泰、3代目が出来たと云って親戚中を集めて大きな名付けの宴を持った。
そして5人目も男の子が生まれ、高山善太郎は云う事無しという毎日だった。
次男が生まれたのは昭和18年2月6日。
雪の沢山降った寒い寒い日であった。
家庭は幸だったけど、大東亜戦争は始まっていて戦況は決して良くない方向へ向き始めていた。
二男が二月に生まれたその年の十一月に息子、善一に召集令状が来た。
老両親、妻、5人の子供を残して善一は佐世保海軍に入隊して行った。
出征の日の朝、善一は30年余の人生の中でほとんどを過ごした蟹甲湾を沖から眺めた。胸中は表現し難い熱いものでいっぱいだった。
町の名士の息子であれ、召集令状(赤紙)にはどうする事も出来なかった。
高山善太郎にとって生まれて初めての悲劇の始まりであった。
18年11月に出征し、その後、一度も帰還する事もなく昭和20年はじめにフィリピンルソン島へ送られ負け戦の時にのたれ死にさせられた。
その公報が高山家に届いたのは昭和21年の8月だった。
1年以上経っていた。
孫の長女が女学校一年生の時だった。
長男次男は意味すら分からなかった。
嫁は24時間泣き続けた。
その時、高山善太郎は町一番の酒造りやで一番うまい酒「蟹甲湾のしずく」という銘柄を一本買って来て広い床の間の真ん中に殿様から頂いたという掛け物をかけ立派な台の上に乗せて
「高山善一よ、早く帰って来い、酒を準備して待ってるぞ」と半紙に書いて張った。
誰も見た人がいる訳でもなく、遺骨の箱には紙キレ1枚しか入ってないのに死んだなんて信じられるか、必ず善一は帰ってくると云って独り酒を眺めていた。
高山善太郎は毎日その酒を眺めて「善一よ早く帰って来い」と必ず声に出していた。
しかし善太郎も70才すぎるとめっきり力が弱まった。
孫の長男に善一と呼び間違える事が多くなった。
その頃、善太郎の妻が目を悪くして手術したがほとんど見えなくなった。
息子の戦死から高山家は狂いだした。
「とうとう盲目にしてしもた、むごいのを」と何度も云っていたのを孫の長女は聞いて悲しかった。と同時に夫婦の絆というものを思い夫を死なせた母を気の毒に気の毒に思ったけど、どうする事も出来なかった。
孫の長女は高校を卒業すると2年も経たず結婚して家を出た。
「息苦しくて早く出たかった」と云った事があった。
高山善太郎は88才でこの世を去った。
幸そのものだったこの男にとって88年はどんな人生だったのだろうか。
大事にした二人の男の孫に抱きしめられ床の間の「蟹甲湾のしずく」を抱かされて「おじいちゃん、お父さんが待ってるから、このお酒を持って行って、一緒に飲めるよ」と云って送りだした。
高山善太郎はよく働く明治人であった。
妻にも恵まれ子供にも孫にも恵まれたけど肝心の長男に先立たれた悲しみはさぞや云うに云われぬ深いものがあっただろう。
人間の運命は誰にも予言出来ない。
先日の津波にさらわれた人達も運命だったのか。
東北地方太平洋沖地震にて被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。
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2011年3月8日火曜日
ちい散歩
テレビ朝日「ちい散歩」に
イセザキ書房が出演しました。:::::::::::::::::::::::::::
●放送予定日●2011年3月14日(月)
●時間●
9:55分~10:30分:::::::::::::::::::::::::::
-----------------------------------
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2011年3月3日木曜日
私はいつでも、どこででも、所かまわず、本を読む
一寸、銀行へ出向く時にもバックの中へ先ず文庫本一冊入れる。
銀行は昔と違い椅子に座って待つ事は滅多にない。
ATMに並んで待つ。
そのATMの前に並んでる時も本を開く。
栞を入れてあるのでパッと開き、読み始める。
読みながら列の流れの動きにも気配りしながら。
次が私の順番になったら本はバックに入れる。
本のストーリーをパッと離れ、本日の用件を頭の中で再確認し機械の前に立つ。
そこで深呼吸してバックの中から必要な道具を出し用件をすませる。
すぐ動かず頭の中で忘れた事はないか確認する。
これは頭の中だけでは不安なので胸に手を当てて5本の指を一本づつ折って確認する。
そして機械の前を「ヨッシャOK」と小声で囁いて離れる事にしている。
郵便局(と呼んではいけないかな?)は一寸した用件で椅子に座って割合長く待つ事が多い。
私はちっとも苦にならない。
本が読める。
近くの局ではテレビを付けているが私はテレビの方へは身体を向けない。
本があるから。
私は並んで何々をするというのは大嫌いで、並ばねばならないのは銀行くらい。
並んでまで買わねばならないような物は今は何も無い。
私の店のレジの前にお客さんが並んでくれるのは大好きだけど、でも私は出来るかぎり待たせない事を店の従業員にもくどい程云っている。
電車に乗るために駅のホームで待つ事はあるが、落ち着いて本が開ける。
嬉しい。
電車の中でも立っている時でも本を開いていたが最近は郊外へ出た時は本を開かず沿線の景色を見る事にした。
新しい家、同じスタイルの家が並んでいる所は発展しそうな気がするので窓から外を観る。
日常生活が緑の少ない場所に住んでいるので目の為にも私の心の為にも山や海を眺める事を優先している。。地下鉄に乗った時はひたすら本を読む、最近は年令のせいか、若い人達が席を譲ってくれる。
余程の事がないかぎり、
私は照れる事なく「ありがとうございます」と云ってすわらせていただき、別れる時に『ありがとうございました』とお礼を云う事にしている。
仕事中は余程の事が無い限り 本 を読む時間はない。
閉店して家に帰れば神仏のお祈りをすませ顔を洗ってゆっくりとトイレに入る。
私のトイレは全面の壁が本棚になっている。
その上の棚は花器類を納めている。
間取りの具合で私の家のトイレは普通よりずっと広い。
私の絶対手放さない本とか古い雑誌が並べられている。
想像するとおかしいでしょうね。
弟がはじめて来た時「びっくりしたよ、トイレ間違えたかと思ったよ」と云った位、本の空間になってしまった。トイレで腰かけて難しい本を読むというのも良いですよ。
例えば私が定期購読している「日経ビジネス」は郵便から届くと封を切ってトイレの机の上に乗せておく。
私のトイレは昔から長かったけれど今は本を読みながらなので、一時間近く座ってる時がある。
でも本当によく頭に入るから不思議です。御心配なさらないで下さい。
売る本は持ち込みません。
私が店から買ったものと直送のものだけです。
もうひとつ楽しい読書室があります。
ふろ場。
フタを半分開いて、その上に ビニールを広くのせ、ブックどめで とめて読み始めます。
でも これは3-4ページぐらいしか読めません。でも 私にはとても楽しいのです。
風呂上りに何か飲み物を飲んで、もうそのままベットへ直行。
そして体温を計り36°位ならOKと安心して一寸横向きになつてカバーをしっかりかけた本を読む。
本のカバーは私は山本周五郎先生に教わった方法でかけてますので本の傷みはまったくありません。
しかも普通のカバーではなく新聞の折りこみ広告を利用する。
マンションとか一戸建て売りの広告は立派な厚手のアート紙を使っているので本のカバーには最適です。
スーパーの広告の紙は破って捨てるだけ。
私はほとんどスーパーに行かないもの。行く時間がないのです。
でもスーパーは本当は行った方が良い。
新しい商品(食品)を発見できるから。
物を買う時はネットも悪くないけど手で触ってみるのが一番。
私はよく外で昼食を取ります。
その時は待ってる間、読書時間終わってからお茶を飲む間も読書時間。
私が本屋だと知って(届けてくれる)と云って注文を受ける事もあり。
更に美容院。
ここは私の若い読者の研究の場。
私の店から配達しているのに私は内容を知らなくて美容院(待ち時間の多い時)で再発見してこの本はもっと売れると思ったりした事も度々。
私は健康な方なので大病にかかった事はないけれど、腰痛が耐えきれなくて手術をして約一カ月間、大病院に入院した。
内科ではないので、特別苦しい事もなくリハビリが一寸辛かったくらい。
時間はたっぷりあるので、私はこの時とばかりかつて読んで来た作家でなく新しい作家の本を読んでみようと頑張った。
大部屋だったので早速、隣の患者さんから「夜遅くまで明かりをつけないでくれ」というクレームが来た。
個室に変わろうかと思ったけどお金がかかるので小さな本の上にだけ明かりのつくLEDブックライトを持って来て読んでいった。
看護婦さんというのはよく気がつくのですね。
私と隣の諍いを読んでとってすぐにベットの位置を変えてくれた。
私の隣は空。
これで安心して本が読めると思うと看護婦さんに頭が下がった。
彼女は何も云わないけどすべて知っているんですね。
入院しないまでも近くの医院へ正月前後ずい分通院した。
私の年令の事もあるし、今年は寒かったので何度も何度も風邪をひいた。
すごーく優しい先生なので通院は楽しかった。
その待合室で(ほとんど老人)5~6人はいつも待っているが、みんな話が好き、特に人の噂話と病気の話が好き。
私はあまり加わりたくないので一番隅っこで本を読む事にしている。
それでも「奥さんいつまで働くの」「老後が無くなるじゃないの」etc,
話はいくらでもある。
でも私は返事の仕用がない。
私は本屋が好きなんだから。
苦しくも悲しくもないんだから。
儲からない本屋でも私にとっては天国なんだ。
本は読んだ方がトータルとして得だと思う。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆今週のおすすめ☆
一世代前の 名作 を
並べてみました。
私には忘れられない
作品ばかりです
「雪国」
改版
角川文庫
川端康成/〔著〕 出版社名 : 角川書店
税込価格 : 340円
「冬の旅」
改版
新潮文庫
立原正秋/著 出版社名 : 新潮社
税込価格 : 820円
「氷壁」
改版
新潮文庫
井上靖/著 出版社名 : 新潮社
税込価格 : 820円
「或る女」
新潮文庫
有島武郎/著 出版社名 : 新潮社
税込価格 : 700円
「四十八歳の抵抗」
石川達三/著 出版社名 : 新潮社
税込価格 : 620円
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イセザキ書房
〒231-0055 神奈川県横浜市中区末吉町1-23
TEL: 045-261-3308
FAX: 045-261-3309
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銀行は昔と違い椅子に座って待つ事は滅多にない。
ATMに並んで待つ。
そのATMの前に並んでる時も本を開く。
栞を入れてあるのでパッと開き、読み始める。
読みながら列の流れの動きにも気配りしながら。
次が私の順番になったら本はバックに入れる。
本のストーリーをパッと離れ、本日の用件を頭の中で再確認し機械の前に立つ。
そこで深呼吸してバックの中から必要な道具を出し用件をすませる。
すぐ動かず頭の中で忘れた事はないか確認する。
これは頭の中だけでは不安なので胸に手を当てて5本の指を一本づつ折って確認する。
そして機械の前を「ヨッシャOK」と小声で囁いて離れる事にしている。
郵便局(と呼んではいけないかな?)は一寸した用件で椅子に座って割合長く待つ事が多い。
私はちっとも苦にならない。
本が読める。
近くの局ではテレビを付けているが私はテレビの方へは身体を向けない。
本があるから。
私は並んで何々をするというのは大嫌いで、並ばねばならないのは銀行くらい。
並んでまで買わねばならないような物は今は何も無い。
私の店のレジの前にお客さんが並んでくれるのは大好きだけど、でも私は出来るかぎり待たせない事を店の従業員にもくどい程云っている。
電車に乗るために駅のホームで待つ事はあるが、落ち着いて本が開ける。
嬉しい。
電車の中でも立っている時でも本を開いていたが最近は郊外へ出た時は本を開かず沿線の景色を見る事にした。
新しい家、同じスタイルの家が並んでいる所は発展しそうな気がするので窓から外を観る。
日常生活が緑の少ない場所に住んでいるので目の為にも私の心の為にも山や海を眺める事を優先している。。地下鉄に乗った時はひたすら本を読む、最近は年令のせいか、若い人達が席を譲ってくれる。
余程の事がないかぎり、
私は照れる事なく「ありがとうございます」と云ってすわらせていただき、別れる時に『ありがとうございました』とお礼を云う事にしている。
仕事中は余程の事が無い限り 本 を読む時間はない。
閉店して家に帰れば神仏のお祈りをすませ顔を洗ってゆっくりとトイレに入る。
私のトイレは全面の壁が本棚になっている。
その上の棚は花器類を納めている。
間取りの具合で私の家のトイレは普通よりずっと広い。
私の絶対手放さない本とか古い雑誌が並べられている。
想像するとおかしいでしょうね。
弟がはじめて来た時「びっくりしたよ、トイレ間違えたかと思ったよ」と云った位、本の空間になってしまった。トイレで腰かけて難しい本を読むというのも良いですよ。
例えば私が定期購読している「日経ビジネス」は郵便から届くと封を切ってトイレの机の上に乗せておく。
私のトイレは昔から長かったけれど今は本を読みながらなので、一時間近く座ってる時がある。
でも本当によく頭に入るから不思議です。御心配なさらないで下さい。
売る本は持ち込みません。
私が店から買ったものと直送のものだけです。
もうひとつ楽しい読書室があります。
ふろ場。
フタを半分開いて、その上に ビニールを広くのせ、ブックどめで とめて読み始めます。
でも これは3-4ページぐらいしか読めません。でも 私にはとても楽しいのです。
風呂上りに何か飲み物を飲んで、もうそのままベットへ直行。
そして体温を計り36°位ならOKと安心して一寸横向きになつてカバーをしっかりかけた本を読む。
本のカバーは私は山本周五郎先生に教わった方法でかけてますので本の傷みはまったくありません。
しかも普通のカバーではなく新聞の折りこみ広告を利用する。
マンションとか一戸建て売りの広告は立派な厚手のアート紙を使っているので本のカバーには最適です。
スーパーの広告の紙は破って捨てるだけ。
私はほとんどスーパーに行かないもの。行く時間がないのです。
でもスーパーは本当は行った方が良い。
新しい商品(食品)を発見できるから。
物を買う時はネットも悪くないけど手で触ってみるのが一番。
私はよく外で昼食を取ります。
その時は待ってる間、読書時間終わってからお茶を飲む間も読書時間。
私が本屋だと知って(届けてくれる)と云って注文を受ける事もあり。
更に美容院。
ここは私の若い読者の研究の場。
私の店から配達しているのに私は内容を知らなくて美容院(待ち時間の多い時)で再発見してこの本はもっと売れると思ったりした事も度々。
私は健康な方なので大病にかかった事はないけれど、腰痛が耐えきれなくて手術をして約一カ月間、大病院に入院した。
内科ではないので、特別苦しい事もなくリハビリが一寸辛かったくらい。
時間はたっぷりあるので、私はこの時とばかりかつて読んで来た作家でなく新しい作家の本を読んでみようと頑張った。
大部屋だったので早速、隣の患者さんから「夜遅くまで明かりをつけないでくれ」というクレームが来た。
個室に変わろうかと思ったけどお金がかかるので小さな本の上にだけ明かりのつくLEDブックライトを持って来て読んでいった。
看護婦さんというのはよく気がつくのですね。
私と隣の諍いを読んでとってすぐにベットの位置を変えてくれた。
私の隣は空。
これで安心して本が読めると思うと看護婦さんに頭が下がった。
彼女は何も云わないけどすべて知っているんですね。
入院しないまでも近くの医院へ正月前後ずい分通院した。
私の年令の事もあるし、今年は寒かったので何度も何度も風邪をひいた。
すごーく優しい先生なので通院は楽しかった。
その待合室で(ほとんど老人)5~6人はいつも待っているが、みんな話が好き、特に人の噂話と病気の話が好き。
私はあまり加わりたくないので一番隅っこで本を読む事にしている。
それでも「奥さんいつまで働くの」「老後が無くなるじゃないの」etc,
話はいくらでもある。
でも私は返事の仕用がない。
私は本屋が好きなんだから。
苦しくも悲しくもないんだから。
儲からない本屋でも私にとっては天国なんだ。
本は読んだ方がトータルとして得だと思う。
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☆今週のおすすめ☆
一世代前の 名作 を
並べてみました。
私には忘れられない
作品ばかりです
「雪国」
改版
角川文庫
川端康成/〔著〕 出版社名 : 角川書店
税込価格 : 340円
「冬の旅」
改版
新潮文庫
立原正秋/著 出版社名 : 新潮社
税込価格 : 820円
「氷壁」
改版
新潮文庫
井上靖/著 出版社名 : 新潮社
税込価格 : 820円
「或る女」
新潮文庫
有島武郎/著 出版社名 : 新潮社
税込価格 : 700円
「四十八歳の抵抗」
石川達三/著 出版社名 : 新潮社
税込価格 : 620円
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