商店街が元気がなくなった。
従来は、同じ商店街の中では
「あの店の御主人は誰、
あの子は どこそこの店員さん。」と
みんな気質も顔もお互い知り尽くしていた。
その中にチェーン店が入ってくると
もう、御主人だ、従業員だと云ってられない。
年中出入りが多いし、本人達もお隣の事など
考えていない。
そして買い物は、スーパー・コンビニで
一通り済ませる。
ボタンや糸を売っていた店、
茶碗類、瀬戸物ばかり売っていた店などは
いつの間にか消えてしまった。
それでも、スーパーやコンビニで買い物する客は
ひとつひとつ手にとって、さわって眺めて買っている。
私も、野菜や魚、果物類は、手にとって観てから買う。
ところが、今や、ネット商店街が出来て、
パソコン等で写真を見るだけで買う人達が増えて来た。
手にとって見なくても、すべて分かる商品もあるが、
サイズや材質まで見たいものは、私も一寸躊躇する。
唯、動かなくて買い物が出来るという
利便性の方が優る場合もある。
特に老年になると、醤油だ酒だ米だとなると
重いものを届けてくれる良さは見逃せない。
私も、テレビショッピングとかで、
失敗した経験もあるので、すべてOKとは言い難い。
しかし、知らず知らずのうちに、動かなくてよい
商店街での買い物が増えてゆくような気がして来た。
商売をやっていると、お客様とお話出来る喜びは
大きいが、そんな事もだんだん少なくなってきた。
買い物をする喜びは、商品だけではなく、
店の人とコミュ二ケーションも
楽しみのひとつだったけど、世の中は
少しずつ冷たくなってきている。
これは、買い物だけでなく、あらゆる面で
考えるべき大きな問題だと、私は思う。
学校内でのいじめというのも、
昔も全く無かった訳ではないが、
精々「入れてあげない。」と云って、
除け者にされる位だった。
そして、翌日はもう普通の状態になっていた。
いじめも子供を育てている親に問題があると思う。
≪ やさしさ ≫を子供の心の中に
芽生えさせるのは両親とか家族である。
やさしさを育てて欲しいと
世のお母さん・お父さんに申し上げたい。
子供は親の鏡です。
何もかも合理性一点張りではなく、
情を育ててゆかねば、
世の中は決してよくならないと思う。
本を読むという事がいかに大切か
分かっていただけただろうか?
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〒231-0055 神奈川県横浜市中区末吉町1-23
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2012年11月17日土曜日
人生は常にスタートラインに立つ その4
私は、大学進学をずーっと考えていた。
出来れば、京大法学部。
しかし、私の実力では難しいので
一年間浪人しようと思っていた。
「大学へ行きたい。」と
祖母、祖父母に云った。母は何も云えない。
我が家のすべての権限は祖母にあった。
その祖母が、
「若い女の子が一人で京都まで行ってどうするんだ。
大学へなど行く必要ない。洋裁学校へ行くなり、
和服やあみもののけいこをしていればいい。
京都なんてとんでもない。」
祖父は、
「お前一人という訳にも行くまいに
5人の孫全部大学へ行ったら家業が駄目になる。
女が大学へ行ってどうするんだ。」
私は、自分でお金をためて自力で行こうと決意した。
たまたま、中国銀行津田支店で募集している事を
聞き、銀行ならいいだろうと思って受験した。
筆記試験、口頭試問もあったが、一発で合格。
「出来るだけ早く勤務出来るよう考えておくように。」
と指示された。
私の心は他にあり、大学の通信教育で学ぼうと考え、
旺文社の通信教育にも申しこんでみた。
しかし、一年経っても10万円の額にも届かない。
もっと何かで稼ごうとおもったけど時間がない。
銀行に入ってみて、サラリーマンは毎日
同じ事をしてよく飽きないもんだなと思った。
しかし、そろばんは上達した。
特別に時間を割いて習わせてくれた。
数字の書き方、小切手の書き方も覚えた。
そして、それより何より、札勘定が上達した。
あの銀行時代がなかったら、
今でも私はこんなに スムーズに札勘定が
出来なかったと思う。
ちょっとした要領を何百回も練習した。
ある日、町の大きな材木会社の社長がやって来て、
支店長に「名和さんと一寸話をさせて下さい。」と云って
私をそとへ連れ出し、横道の石段の所へ座って
話し出した。
「実は、私の家内の弟が、中央大学法学部を出て、
就職先に思うところがないし、サラリーマンは
向かないと云って、横須賀のベース前の通りで
洋書店をやっています。
今まで妹に手伝わせていたんですが、
妹が “大学へ行きたいので、やめさせてくれ 。
兄さんは結婚して奥さんと一緒にやってくれ。”と
云い出しまして、弟が結婚したいと云ってきたんです。
妹が云うには、津田の名和智子さんなら兄さんに
ぴったりだと思う。と云って来たんです。
名和さんどうでしょうか?」
思いがけぬ質問に、返答のしようがなかった。
「一度、会ってみて下さい。その上で考えて下さい。」
と言い残して帰って行った。
結婚。私は全く考えていなかった。
特に、好きな人もいなかった。
大学の事で頭はいっぱいだったし。
その弟の家は、県下で一番大きい製材店と東讃のバス会社、
高松でタクシー会社を経営している。
父親は亡くなっていたが、長兄が中心になって企業は
どんどん大きくなっていった。
手伝っていた妹は、私の高校の一年下。
私の事は、充分に評価して知っているので、
「兄さん、名和さんとならぴったりだと思う。」
とか云っていたらしい。
早速、田舎の実家へ連絡して、
「結婚相手になりそうな24才以下の女性を
集めておいてくれ。」と頼んだらしい。
当時は、仲人業というのがあって、
似合いそうな男女をとり結ぶ仕事をしていた人がいた 。
そして時代は、池田総理が、
「貧乏人は麦を食え。」と云って問題になった頃だった。
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出来れば、京大法学部。
しかし、私の実力では難しいので
一年間浪人しようと思っていた。
「大学へ行きたい。」と
祖母、祖父母に云った。母は何も云えない。
我が家のすべての権限は祖母にあった。
その祖母が、
「若い女の子が一人で京都まで行ってどうするんだ。
大学へなど行く必要ない。洋裁学校へ行くなり、
和服やあみもののけいこをしていればいい。
京都なんてとんでもない。」
祖父は、
「お前一人という訳にも行くまいに
5人の孫全部大学へ行ったら家業が駄目になる。
女が大学へ行ってどうするんだ。」
私は、自分でお金をためて自力で行こうと決意した。
たまたま、中国銀行津田支店で募集している事を
聞き、銀行ならいいだろうと思って受験した。
筆記試験、口頭試問もあったが、一発で合格。
「出来るだけ早く勤務出来るよう考えておくように。」
と指示された。
私の心は他にあり、大学の通信教育で学ぼうと考え、
旺文社の通信教育にも申しこんでみた。
しかし、一年経っても10万円の額にも届かない。
もっと何かで稼ごうとおもったけど時間がない。
銀行に入ってみて、サラリーマンは毎日
同じ事をしてよく飽きないもんだなと思った。
しかし、そろばんは上達した。
特別に時間を割いて習わせてくれた。
数字の書き方、小切手の書き方も覚えた。
そして、それより何より、札勘定が上達した。
あの銀行時代がなかったら、
今でも私はこんなに スムーズに札勘定が
出来なかったと思う。
ちょっとした要領を何百回も練習した。
ある日、町の大きな材木会社の社長がやって来て、
支店長に「名和さんと一寸話をさせて下さい。」と云って
私をそとへ連れ出し、横道の石段の所へ座って
話し出した。
「実は、私の家内の弟が、中央大学法学部を出て、
就職先に思うところがないし、サラリーマンは
向かないと云って、横須賀のベース前の通りで
洋書店をやっています。
今まで妹に手伝わせていたんですが、
妹が “大学へ行きたいので、やめさせてくれ 。
兄さんは結婚して奥さんと一緒にやってくれ。”と
云い出しまして、弟が結婚したいと云ってきたんです。
妹が云うには、津田の名和智子さんなら兄さんに
ぴったりだと思う。と云って来たんです。
名和さんどうでしょうか?」
思いがけぬ質問に、返答のしようがなかった。
「一度、会ってみて下さい。その上で考えて下さい。」
と言い残して帰って行った。
結婚。私は全く考えていなかった。
特に、好きな人もいなかった。
大学の事で頭はいっぱいだったし。
その弟の家は、県下で一番大きい製材店と東讃のバス会社、
高松でタクシー会社を経営している。
父親は亡くなっていたが、長兄が中心になって企業は
どんどん大きくなっていった。
手伝っていた妹は、私の高校の一年下。
私の事は、充分に評価して知っているので、
「兄さん、名和さんとならぴったりだと思う。」
とか云っていたらしい。
早速、田舎の実家へ連絡して、
「結婚相手になりそうな24才以下の女性を
集めておいてくれ。」と頼んだらしい。
当時は、仲人業というのがあって、
似合いそうな男女をとり結ぶ仕事をしていた人がいた 。
そして時代は、池田総理が、
「貧乏人は麦を食え。」と云って問題になった頃だった。
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2012年11月8日木曜日
紙芝居は日本の文化
私は5人兄弟の長女だったので、
小さい頃から母に抱かれて寝るよりは
祖母の横でずっと寝ていた。
私が寝床に入ると(お話して)とせがんだ。
祖母はいつどこで覚えたのか色々なお話を沢山してくれた。
時々(おばあちゃん間違えたよ)と私がいうこともあった。
智子は利口な子だよ、と自慢げに父や母に話していた。
自転車の荷台に紙芝居の舞台を積んで時々、
かみしばいやさんがやってきた。
アメを買わないと見られないと、
いわれ遠くから観ていた子供もいた。
今はそんな紙芝居やさんはどこにもいない。
私はYMCAで、ヨガを習っていたので、
こんなに子供が沢山いるのだから、
本の読み聞かせをさせてほしいとお願いした。
やってみると子供が多すぎてうまくいかない。
ふと(そうだ、紙芝居にしよう)と思い付き
早速、紙芝居会に変更した。
子供達より、お母さん達がとても喜んでくれた。
1年間くらい続けたが私の体調不良で出来なくなった。
以後は店の中で、紙芝居会を行うことにした。
最低月1回は早くから、告知してやってきた。
紙芝居は観るのも楽しいけれど、演ずる喜びも大変大きい。
家庭で手軽にいつでも家族だんらんの主役になれます。
当店の在庫はたぶんニッポンで1番だと思います。
オンラインショップを開いてみて下さい。
さあ 元気に紙芝居を楽しみましょう。
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小さい頃から母に抱かれて寝るよりは
祖母の横でずっと寝ていた。
私が寝床に入ると(お話して)とせがんだ。
祖母はいつどこで覚えたのか色々なお話を沢山してくれた。
時々(おばあちゃん間違えたよ)と私がいうこともあった。
智子は利口な子だよ、と自慢げに父や母に話していた。
自転車の荷台に紙芝居の舞台を積んで時々、
かみしばいやさんがやってきた。
アメを買わないと見られないと、
いわれ遠くから観ていた子供もいた。
今はそんな紙芝居やさんはどこにもいない。
私はYMCAで、ヨガを習っていたので、
こんなに子供が沢山いるのだから、
本の読み聞かせをさせてほしいとお願いした。
やってみると子供が多すぎてうまくいかない。
ふと(そうだ、紙芝居にしよう)と思い付き
早速、紙芝居会に変更した。
子供達より、お母さん達がとても喜んでくれた。
1年間くらい続けたが私の体調不良で出来なくなった。
以後は店の中で、紙芝居会を行うことにした。
最低月1回は早くから、告知してやってきた。
紙芝居は観るのも楽しいけれど、演ずる喜びも大変大きい。
家庭で手軽にいつでも家族だんらんの主役になれます。
当店の在庫はたぶんニッポンで1番だと思います。
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2012年11月1日木曜日
バーゲンブックの存在を見直そう!
世界は狭くなって日本語だけでは
間に合わない事もいろいろ出て来た。
英語もあれば中国語、フランス語、ドイツ語、
どれも全部という訳にはゆかないだろうが。
先ず、英語が小学校でもとりあげられるようになった。
本当に大変だと思うけど、
先ず日本語を しっかり身に付けて
文章の書き方、又、言葉の話し方、
いずれも日本語はやさしくない。
日本人で生まれてこの方、日本語で育っていながら
それでも100%万全とはいっていない。
特に、私は本屋という商売をやりながら
つくづく思う事は、親が本好きの人は
子供にも買い与える。
絵本の前に、紙芝居という大変貴重な
日本の文化財がある。
それから絵本を自分で読めるようになると
次は、子供用の読み物を欲しがるようになる。
そして、小学校に入っても本の魅力を知っている
子供は次々とほんを読んでゆく。
こういうストーリーならとてもいいんだが、
昨今の20代・30代前後の人達は、
本を読むより、もっと他の事に
時間を使っているように見受けられる。
又、出版社は、次々と新しいものを作ってゆかないと
困るので、大量の新刊に小さな店は、
アップアップしているのが現実だ。
そして、売れ残ったらドンドン返品しないと
請求書通り支払えなくなってしまう。
何の事はない。
新しい本も、本屋に届くと同時に
返品する事も珍しくはない。
雑誌類は裁断されてしまうけど、書籍は別ルートで
「これは残しておいた方がよい、売れる」と判断して、
通常のルート以外に流れてゆく。
確かに、いい本が返品されている。
イセザキ書房では、その大量すぎて
書店に並べられないうちに返された本の中で、
内容を吟味しながら、価格を下げて(定価の半額以下)
読者の目で再度見てもらいたいと思い、
バーゲンブックと題して棚を作った。
全くの新品で、半額以下の値段なら、
一冊買うところ、二冊以上買える価格ですから
読者には喜んでいただけると信じている。
昔はもう40年も前、大量に買って下さる
外地の人達に喜ばれた経験もあるので、
本読み人を一人でも多くしたい為に
吟味に吟味をして、新品で安い本を
並べるコーナーを作った。
ぜひ、一度、のぞいてみて下さい。
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英語もあれば中国語、フランス語、ドイツ語、
どれも全部という訳にはゆかないだろうが。
先ず、英語が小学校でもとりあげられるようになった。
本当に大変だと思うけど、
先ず日本語を しっかり身に付けて
文章の書き方、又、言葉の話し方、
いずれも日本語はやさしくない。
日本人で生まれてこの方、日本語で育っていながら
それでも100%万全とはいっていない。
特に、私は本屋という商売をやりながら
つくづく思う事は、親が本好きの人は
子供にも買い与える。
絵本の前に、紙芝居という大変貴重な
日本の文化財がある。
それから絵本を自分で読めるようになると
次は、子供用の読み物を欲しがるようになる。
そして、小学校に入っても本の魅力を知っている
子供は次々とほんを読んでゆく。
こういうストーリーならとてもいいんだが、
昨今の20代・30代前後の人達は、
本を読むより、もっと他の事に
時間を使っているように見受けられる。
又、出版社は、次々と新しいものを作ってゆかないと
困るので、大量の新刊に小さな店は、
アップアップしているのが現実だ。
そして、売れ残ったらドンドン返品しないと
請求書通り支払えなくなってしまう。
何の事はない。
新しい本も、本屋に届くと同時に
返品する事も珍しくはない。
雑誌類は裁断されてしまうけど、書籍は別ルートで
「これは残しておいた方がよい、売れる」と判断して、
通常のルート以外に流れてゆく。
確かに、いい本が返品されている。
イセザキ書房では、その大量すぎて
書店に並べられないうちに返された本の中で、
内容を吟味しながら、価格を下げて(定価の半額以下)
読者の目で再度見てもらいたいと思い、
バーゲンブックと題して棚を作った。
全くの新品で、半額以下の値段なら、
一冊買うところ、二冊以上買える価格ですから
読者には喜んでいただけると信じている。
昔はもう40年も前、大量に買って下さる
外地の人達に喜ばれた経験もあるので、
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