先日、ニューオータニへ行く用事が出来た。
ネットで所要時間・乗りつぎ駅、色々調べて出掛けた。
名前はよく聞くけど私は行くのは初めて。体調もすぐれず出かける時からやや足が痛かった。
先ず、あの広い新橋の地下で300m以上歩き、銀座線で赤坂見付で降りたもののDの出口へ行くのはどう行けば良いのかと聞き、ニューオータニへ行きたいんだけどと駅員に問うてみたら又、何百mも歩かねばならない事が分かった。
ああ、無事着けるかな・・・と思う程、体調はすぐれなかった。
その時前を歩いていた年の頃30才前の綺麗な女性がスタスタと私の前に来て「ニューオータニへいらっしゃるのですね?私もその方面へ行きますので御一緒に参りましょう、私が楽な行き方を教えてあげます」
とニコニコしながら私に云った。
私はビックリした。何の関係も無い赤の他人の私の為に何十分か使ってくれる、そしてニューオータニまでエスコートしてくれると云う。
私はなぜ?どうして?と疑った。
「この地下へ降りると又、上がるのが大変ですから地上から真っすぐ行きましょう。あれ、あのビルですからすぐ近くなんですけど、ここを渡るのが大変なんです。入口まで御一緒いたしますね。私は大阪の人間ですが去年、東京へ来たものですから詳しくは知らないんですけど、この辺りは分かります」
私が「ネットで調べて来たんだけど現実は地図上とは異なっていました」と話したら「あら、ネットをおやりになられんですか?すごーい」と云ってくれたけど、私は嬉しくなかった。私はもう客観的には老人の一人なんだと改めて思い知らされた。
それにしても、私の住んでいる周辺には、こんな優しい人には会えない。
もし、居たとすればそれは先ず何者だろうと疑ってかからねばならないような時代であり場所である。そして私は赤の他人の為に30分以上も時間と労力を費やす事が出来るような余裕がない。
目が覚めれば仕事(家庭の事・店の事)がずっしりと待ち受けている。
それをこなすのに精一杯だ。
読者の方、御存知でしょうか?
何かのテレビのCMに
「みんな希望と夢を持たなければいけないわ、私だってこんな老人だけど恋もするかも知れない、事業を起すかも分からない」と云いながら女の老人(外人)の写真が出てきます。
私の今の気持ちとピッタリだと思ってこのCMを観ています。
私は今書店と云う斜陽業種の店主であるけれど、50年間続けて来た中で一番難しい時期になった。でも、私は儲けようとは思っていない。店が経営出来て、一人でも多くの人が本を読んでくれる人に育ってくれたら嬉しい一心だ。電子ブックが話題になっているけれど、それでもこの活字は読まねばならない。
意志伝達の方法(言葉・文章)は本を読まねば覚えません。
みんな本を読んで下さい。
そして私はもっと心を広くして先日会った名も知れぬ女性のような優しさを人としての心に持てるように
なれるよう努力したい。
総理大臣もそんなに国民の命の事を大切に思っているのなら具体的に手を打ってください。
幹事長の顔色を見ているような総理は初めてです。
私は先日会った名も知れぬ女性の心をとてもとても新鮮に思った。
ありがとうございました。
又、いつかどこかでお逢い出来るかも分かりません。
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今週のおすすめ★
「カッコウは誰のもの」
著/東野圭吾
光文社
1600円+税
「数えずの井戸」
著/京極夏彦
中央公論新書
2000円+税
「ひと晩5冊の速読術」
河出書房新社
933円+税
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