2010年11月6日土曜日

小さなお店も大切よ

店は大きくした方が経営上は得策である。
生産性があがる。
人件費も比較すれば、少なくて済む。
だから力のある、小売店はどんどん大きくなってきた。
例えば書店の店舗数はうんと減っているが、売場面積は広くなっている。眺めとしてはすごく立派で本好きの人にはたまらない風景だと思う。
でも私は本屋なので、ここから一冊抜かれたらどこかで機械が観ているのだろうか、とふと思う。
誰も人間は居ないのだから。

私は九月十月と二ヶ月間夏バテというのか体調を崩してしまい、ずーっと一日置きに病院通いの身であった。待合室ではみんな知らない人同志でも親しげに話していた。
私はあまり喋る元気が無くて本を持って行って出来るだけ隅っこの方で一人で本を読むことにしていたが、でも色々な話が聞こえてくる。
曰く「買い物が大変なの。特に広い店を歩あちこちあるかされるのがつらいの。何がどこにあるか、聞く人もあまり居ないのよね」
「あ、Aマートなら届けてくれるから私はAマート専門なの」
「若い時は楽しかったのに今は買い物が苦痛だわ」
それから話は今の若い物は云々・・・と弾んでゆく。

みんな若い時があったのだけど、それはもう忘れているようだ。
見渡せば20人位いる患者さんは全部年寄りばかり。
小児科という科はあるけれど、老人科というのはないらしいが、まさしく老人科そのものだと思った。自分も含めて。

私はもう、戻す事は不可能だと思うけど、昔の大家族主義も悪い所ばかりではなかったと思う。
こうなったら、棒杖ついてでも歩いて一軒一軒入って行って話をしながら、買い物が出来るような街が出来ると流行ると思う。

本屋だから、又本の話になるが、お客さんの言葉
「週刊誌が買いたくてね今まで近くに小さな本屋さんがあったんだけど、閉店してしまってね、代わりに大きなショッピングセンターが出来たけど、週刊誌一冊買うのにエレベーターで5階まで行かなきゃならないから面倒でね。自転車なら3分でこの店に着くからね」
という話し声が聞こえてきた。

昔は大物・大金の買い物は少々遠くてもデパートのある街へ行ったけど日常生活の買い物は近くの小店ですませたものだ。
しかし、その小店が一軒一軒減って行ってとても不便になった。

時代はぐるぐる回っている。
便利な方へ客はなびく。
やがて又、小店の並ぶ街が近くに出来来てくれると嬉しいなぁ・・・。

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