2011年9月17日土曜日

ふるさとは遠くにありて思うもの

20歳まで 四国香川県 瀬戸内海のうららかな内海で、網元の娘として生まれ育った私。
祖父母、父母、そして妹2人、弟2人、5人兄弟として、本当に、自然の愛、家族の愛の中で蟹甲湾と云う実におだやかな海風に吹かれて幸であった。
下の弟が生まれたのが昭和18年2月、父が召集され家を出たのが18年11月。この10カ月、9人家族の時が一番幸せだった。
父は33才で召集され、20年6月に,ルソン島で戦病死(のたれじに)。
それから私の運命は急展環。

今更父の悲惨きわまらないのたれ死にを、悔やんでも、悲しんでも,だれかを、怨んでも、過去はもう、もどらない。

私は素晴らしい自然の中で、楽しく生きて来た事に思いを移さねばならない。

今電気が止まったら、ガスが止まったら水道が止まったら、生きて行かれなくなる。
半年前の東地震でよくわかった。

私がまだ小さかった頃もよく停電した。明日試験があるような時は 太いろうそくを使った。
水は井戸からくみあげる。夏は冷たい水、冬はあまり冷たくない水を使える。
ガスがなくても かまど がある。七輪がある。
何も困らない。
祖母は 嫁 である母に ひとつひとつ家の流儀を教えていた。

祖母は仏教の決めごとには厳しかった。
今弟の妻がそれをそのまま実行している。

このように 家というものがすたれることなく、規律正しく伝承されていく様は美しくうらやましい。

私は20年食べさせられた祖母手づくりの,みその味が忘れられず、横浜に来て60年になんなんとする
今でもスーパーのみそは買った事がない。

そして先日 ふぐ の一夜ほし が手に入って味噌汁にして食べた。
ふぐといえば ふぐさし ですがそんな高給料理ではなく 味噌汁 なんですが こんなに、なつかしい
味噌汁は、久方ぶりだった。

ふるさとの味 離れているからこそおいしかった。

ふるさとよ さかえあれ

-----------------------------------イセザキ書房〒231-0055 神奈川県横浜市中区末吉町1-23TEL: 045-261-3308 FAX: 045-261-3309http://www.isezaki-book.com/お問い合わせ・ご注文フォームにほんブログ村 本ブログ 出版社・書店へイセザキ書房オンラインショップ

0 件のコメント: