2013年1月12日土曜日

私を鍛えた36年間

  昭和50年 このノート幸あれと祈りつつ
              筆をおろして書き初めたし


取り返しのつかないことというのは、
生きている間に次々あるものだと分かった。

亭主が厳しいという事は、妻の人間を鍛えることだと、
母が云った事がある。そうだと思う。
私の夫がやさしい人だったら、
叩かれ、殴られなかったら、
ここまで来られなかったかも分からない。

あれもしよう、こうもしてあげよう、あの本を読もう、
あの映画を観ようと思ったけど、
なかなか現実は難しかった。
人生は、こんなことで終わってしまっては
本当に困る、つまらない。


  朝顔のカットの中に
       過ぎゆきし 幼き夏の想い出わき出す

  ショックあり 悩みも過ぎて来たけれど
                 悔しさ残り諦めきれず

  見事なる 割り切りの前に 
                悲しさも悔しさも減らず時すぎぬ

  傷深く 心痛めしい小半月
            時の流れのありがたきを知る

  重ねられる この苦しみを いかにせん
            我が心との戦い 打ち克たん

  果てしなき 奈落へ落ちる心地して
            昨夜も今宵も 浅きまどろみ

  あの夏の苦しがりし日 
         この春の嘆きは深く 又我を失う

  おととしの嘆きの春も こぞの春も心いためて
            苦しき春ばかり

  こんなにも 苦しい事があるものか
              去年の嘆きも 今年も苦しく

  ゆとりある暮らしを 我は望むれど 
           生き様厳し 又も夫に殴られる


36年間、楽しい事もあったけど、
苦しい日ばかり続いた。
独りになってみて、夫の写真をあちこちに飾り、
今も私を叱咤激励してもらっている。

夫婦とは、甘いばかりではないと思った。
私の場合は、いつ破裂するか分からない爆弾を
かかえていたような36年間だった。
そして、一年一年歳を重ねて今日という日に。

  
  父さんだよ 覚えておけよ
        0才の息子に微笑みて 戦場に発つ 

私の父と弟との別れ



戦争とは、こんな光景もあるんです。
 それを思って生きてゆきたし。

  







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