2013年11月2日土曜日

溺れてはいけない。がんばれ、がんばれ!

何十年振りだろうか。
私の地元の伊勢佐木町通りで
道端のベンチに腰掛けて小一時間眺めていた。
金曜日だったのに人通りは先ず先ずの様子。

かつて、50年前デパート4つ。
映画の封切り館が、松竹・東宝・新東宝・東映・日活と
全部そろっていて、私は観たい映画の時間を
調べてそのひとつの映画だけ観て
走って帰っていた時代、を心の中に思い出しながら
半世紀経った今、映画館0、デパート0。

そして出来たのが壮大なパチンコ、ゲーム屋が
10軒以上も大きな店舗も興業も占めている。
夜になると、光をまじえて美しい景観になっている。
男も女もサラリーマンも主婦もどんどん入って行く。
パチンコゲームにも新製品があるらしく
[○○入荷、本日よりお使いいただけます]
と大きく宣伝している。

ゲームは私は未経験。
パチンコは20代の時、夫が入って行くので
私も最低の玉を買い、ポツリポツリと
レバーを押していると、時々ザーッと
沢山の玉が出て来る。
ポツリポツリとしかやれない機械の時代だった。
そして、若い女性など一人もいなかった。

あの当時、たまったら横から夫の手が伸びてきて
全部玉を持ってゆく。
私は又、ポツリポツリとやりながら時間をかせいだ。
又、ザーッと出てる。そして、ザーッと出てくる。
すると夫の手がその玉を全部持ってゆく。
そんな遊び心でも商売出来た。
横須賀SATOH BOOKSTOR時代 。

それでも人件費0。
家賃は額は覚えてないが
旅館の軒先半間足らずの店だから
大した事はなかった。
私達夫婦も映画を観るか、
逗子の浜でボート漕ぎをするか。
お金のかかる事は何もなかった。

それで当時は千円札時代だったが、
紙の箱の中に千円札が盛り上がる程
本は売れた。
私は20才、夫は25才。
未だ何も分からず何も知らず
商売とはこんなに楽しいのものかと思った。

私の英語がアメリカのセーラーに通じなくて
何度夫から殴られた事か。
そこで私は近くの英語塾へ通い、3カ月位通うと
アメリカ兵なまりも聞き分けられるようになり
夫にぶん殴られる回数は減った。

私の夫の男兄弟4人は、妻をぶん殴るなんて
普通の事に思っている家庭。
みんな長男の指揮の元、
地元香川では有名な家であったので
私の夫も特別な事とは思っていなかったようだ。

そんな苦しい思いをしても別れようとは
思いもせず、それより何度か死のうかとは考えた。
私は専業主婦は一回もした事がない。
今でも娘のようなお手伝いさんに
週一回来てもらって80才の私は様々な事を
教わっている。
不思議な不思議な光景だ。

専業主婦、一寸憧れるな。
でもいやいや私にはしなくてはならない事がある。

伊勢佐木町通りも半世紀前のような
美しい光景は全くなくなった。
時の流れは早い早い。
特に最近は、滝のような流れになった。
さあ、私はどうするべきか?













 『イセザキ書房通信 Vol.17』
店内レジの横あたりに置いてあります。
ご自由にお持ち帰りください!





-----------------------------------
 イセザキ書房
〒231-0055
 神奈川県横浜市中区末吉町1-23
TEL: 045-261-3308
FAX: 045-261-3309
www.isezaki-book.com
 お問い合わせ・ご注文フォーム
 にほんブログ村 本ブログ 出版社・書店へ
イセザキ書房オンラインショップ

0 件のコメント: