ある有名な企業のセールスマンから電話が入った。
「僕は一寸人生の上で悩んでいた事がありました。イセザキ書房のブログをずーっと読んでいくうちに解決の糸口が見つかりました。大したブログでした。一度会って頂けませんか?」
褒めてくれて会ってくれと云われれば、知ってる人だし「どうぞ、夕方ならお時間取れます」と私は返事をした。
前にも2・3度会ってる人だし現在も取引のある会社だから私はとくに警戒心は起こらなかった。最近はNHKとか東京電力とか誰でもすぐ分かる企業を頭に出してやってくるセールスマンが非常に多い。
人間の弱さというかそういう名前を出されると一応安心する。
しかし会ってみるとNHKとか東京電力・・・・色々と大きく書いてあって、その下に代理店○○○氏名○○○と書かれている。
私も未だ若い時にはそれでもあまり警戒心なく応答して何度か苦い経験をするうちに今は大きく云えば全員を先ず疑ってかかる事にし、電話がかかってきた時に要点を質問し、その答え方、話し方、声色から先ず判断して、そこで終わりにする事もある。しかし敵もさるものそんな事ぐらいでは引き下がらない。会ってくれと必ず云う。会えば先ず90%位は人物判断企業判断が出来る年令に私も達している。問題は未だある。彼等は年寄りの女は好餌の的。心の中でほくそ笑んでいるのが私には分かる。
私は幸か不幸か専業主婦は全く経験のない女。料理は亡夫の好きな食物を作る時だけは天下一品の物を作った。
後は明けても暮れても寝ても覚めても商売の事しか頭になかった、50年の時間を過ごした。
唯一息子に申し訳なかったと今悔いている。
その息子も成人式を済ませた2人の娘の父親。そして私を亡夫に代って叱ってくれる唯一の存在。
私は今風の草食系男子以上に男性に近い暮らしをしてきた。
さて、その私のブログを読んで目を開いたという彼は年の頃40才前。
三才と七才の子供がいるそうだから立派なパパである。
彼曰く「佐藤さんが本を読みましょうと必死で啓発されているので、ふと気づいたのですが、二人の子供の誕生日にいつもゲームを買って与えていたけれど、この次から本にしようと思いました。そしてその本の中へしおり代わりのメッセージカードを入れてやろうと考えています。」と云いながら、その自作の写真入りのカードを見せてくれた。
「これを作るのは簡単ですから是非採用して下さい」
私はこの年令でも非常に感激屋である。毎日毎日感動と感激の連続のような生活をしている。
私のつたない文章から「これからは贈り物はすべて本にする」と云ってくれれば感激屋の私は胸ワクワクであった。
この次はこの人の会社から買ってあげようと思った。
商売とは人間と人間の心の振れ合いであると思っている。
私は本を売る。このセールスマンの会社の商品をきっと私は買うだろう。
こうする事がいわゆる内需拡大に繋がるのではなかろうか。
私は政治屋でないから難しい事は分からない。しかし本屋だから本の重要性は政治屋さんよりは理解しているつもりである。
人間と人間の振れ合いはすべてに通じる、大きくは国際的な国と国との付き合いも同じ事ではなかろうか。
政治屋さんも、あまり物事を難しくしないで自然体で皆に分かるようにしてほしいと希望します。
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