交差点で赤信号を待つ時に私は腰をうーんと後へ曲げる体操をする。広い空が見える。冬空の晴れ渡った時は澄みきったブルー。私はこの色が大好きだ。
二月も終わり近くなるとすみ切ったブルーが少しパステルで描いたような柔かな、霞んだようなグレーに変化する。昔は気がつかなかったが腰を痛めてこの体操をし始めてはっきり分かった。季節は決して裏切らない。
先日、所用で箱根の山の温泉へ行った。
団体の温泉旅行だったので二次会もあったが私は二次会よりも夕食が終わったらゆっくり湯につかり頭の中のもやもやをふり払いただ ただ足や腕をなでながら心を静めて湯船につかった。
何も考えず、何も思わず。
やわらかな温泉の湯の暖かさに身を任せた。
相部屋の娘のような可愛い人はそれから二次会に出掛けた。
私も誘われたけど二次会よりもすぐに寝たかった。素敵な洋式の部屋の大きなベットの中で手足を伸ばして(これを幸と思おう)と考えてるうちにすぐ眠くなった。
私にとって午後10時に床につくなどという事は一年に一度もあるかなきか。
明朝のお風呂は午前5時半からなので5時30分にモーニングコールを設定してすぐ眠ってしまった。
モーニングコールの音を聞くやいなやすぐに私は半纏を引っ掛けてお風呂に向った。
誰もいない。歩いてる人も居ないし静かだった。
広い広い湯船の中で両手両足を伸ばして、その気持ちのよさに来て良かったと思っていると、私が上がる頃に一人二人と入ってきた。
風呂から出て長い廊下に出てみると、行く時は気がつかなかったが外は真白の雪景色であった。白、一色。すべて白。美しい。
四国生まれの私には、こんな山一面すべて真白という記憶がない。それにしても美しい。
音もなく降り積もる雪の白さの美しさ。
暫くたたずんで眺めていた。
その時思い出した。
私は2才位だっただろうか。
2・26事件 昭和10年2月末 青年将校が首相官邸を襲撃した。
あの時も大雪の日だった。
私はこの辺りの事をなぜか忘れられない。
今の若い人達はこんな勇気?は見られない。
生まれた時から戦争は始まっていて、18才で高校卒業する直前に独立国になったのだ。そしてその間に召集兵として出征した父を失った。
相部屋の若い美人は未だ眠っていた。
朝食は7時からなのでぼつぼつその準備にかかった。
白一色の美しさに見とれてしまい帰りの車の事など思い浮かばなかった。
運よく帰りの国道はこれは又快適ドライブになった。
去年も藤沢の駅へ来たけど一段と綺麗になって魅力的な商店街に変わっていた。
もう3日見ないと町は変わる時代、古きよきものを残そうなんて人の心に余裕がない。
デパートにはデパートのよさがある。
スーパーにも良さがある。
そしてコンビニにも便利性では一番かも。
いずれも多すぎるのが問題なのである。
そんな中で個店というのも経営者の考え方やり方次第で社会に大変貢献しているという事を忘れないで欲しい。
雪のように汚れ無き社会になってほしい。
政治家の皆様も是非本を読んで下さい。
そうでないと私達国民が悲劇になります。
人間社会を少しでも住み易くするにはどこかで犠牲も出るでしょう。
世の中すべて良しという事はありません。
コンビニを初めとする小売店の夜中の時間規制も本当は必要です。
セブンイレブンでいいと思います。
この言葉本当に素敵なフレーズです。
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今週お勧めの本☆
「零式艦上戦闘機」
新潮選書
清水政彦/著
出版社名 新潮社
税込価格 1,470円
「新忘れられた日本人」
佐野真一/著
出版社名 毎日新聞社
税込価格 1,575円
「ナニカアル」
桐野夏生/著
出版社名 新潮社
税込価格 1,785円
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