横浜は港町。
私の生まれた所は、瀬戸内海の中の小さな蟹甲湾という
海の町だった。
蟹甲湾で20年間育ててもらった。
結婚して、横浜へ来てもう半世紀余、
私は生涯、海風に育てられ生きて来た。
今は、商売として本(書籍)を、船の乗組員の方々に
納めさせていただいている。
船の乗組員の方々は、普通の人より沢山の本を
読んでいただける読書家である。
ここまで来る間に、50年間いかほどの苦労と努力を
要したか。何十人の人のお世話になったか
書ききれるものではない。
私が子供の頃は、船の名前には必ず ”~丸(マル)”と
名付けられていた。すべての船が、大小に関わらず「丸」という
名前を付けられていた。
日本は海国、島国。
海を越えなければ外国へは行かれない。
飛行機のなかった時は、長い船旅を伴って外国へ行った。
何々MARUと名付けられているので、日本の船舶は
マルシップと呼ばれていたらしい。
私は、高校一年の時、京大法学部を卒業して、
初めて教師になった先生から「マルシップ」という言葉を教わった。
世界中の港、港でマルシップは、良い意味で有名であったようだ。
船の生活はすべて英語だけど、日本人乗務員のマナーのよさ、
技術力は、世界の中でも特に光り輝いていたらしい。
その頃、私は船とこれほど縁が出来るとは、
夢にも考えていなかった。
しかし神様は、私に海と船を生涯の絆として与え給われた。
船と云えば、大体こんな姿を思い浮かべた。
絵本にもこんな形で描かれている。
しかし、今の船は全く異なる。
形も変わった。形以上に内容も変わった。
私は、詳しく説明出来ないけれど、
最大の技術革新は、コンテナリゼーションであろうと思う。
荷役の短縮と、海陸の一貫輸送という2つの事を実現した。
正に、海運史上最大の技術革新であったと思う。
コンテナ船の出現によって船の姿形が大きく変わった。
その上、船は大型化され、コストを抑え
競争は、激化していったと思う。
専門的な詳しい事は、私には何も分からない。
本を納入する度に、
「どうぞ、この本が無事目的の船に届いて
本船の人達に喜んでもらえますように。そして、この本船が
何卒、何卒、つつがなき航海を終えていただけますように。」
と神様にお祈りすることにしている。
「私の体力、知力、気力の許す限り、本船へ本の納入をさせて下さい。」
と神様に祈りつつ、筆を置く。
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