私は、仕事の都合で午後9時ピッタリには
観られないので、9時20分位から観ていた。
吉田茂は、昭和40年代に亡くなった方なので
私は、本物を知りすぎている。
ドラマの主役に、お気の毒ながら“一寸違うな”と
感ずる事が幾度もあった。しかし
雰囲気は、ドラマとしてはよく出していたと思うが。
そんな事より、マッカーサー元帥が着任し、
事実上の日本国のトップになった。
東京をはじめ、全国各都市の焼け野原の中から
日本国を独立国にするには どうすればよいか。
直接は誰も分からなかった。
自分が生きるのに精一杯だった。
東京裁判があり、皇室の存在、
天皇陛下はどうなるのか、誰にも分からなかった。
そして、背の高い堂々としたマッカーサーと、
日本人の背の低い天皇陛下が並んで立った写真は、
全国民に大きな衝撃を与えた。
東京裁判も一段落し、とにかく日本人のトップを
誰にするかという事が難しかった。
皇室の人でもピッタリせず選び抜いた揚句、
吉田茂に一応落ち着いた。
しかし総理大臣と云えども、その上に
マッカーサーがドント座っている。
何を決めるのもマッカーサーなしでは進まない。
皇室の問題、憲法の問題、
外交は全てアメリカの 手中にあった。
(外務大臣は不必要)
セリフの中に
「こんな優秀な外交官を相手にするなんて難しい。」と
マッカーサーに云はしめたほど、
吉田茂は、全知全能をかけて日本の独立へ向けての
キツイ、長い坂道を歩み続けた。
元々、この戦争にも反対論者であった吉田茂は、
外国の事を充分理解していた。
だからこそ、反戦論者だった。
昭和天皇とも、マッカーサーに会うチャンスを作り、
昭和天皇の本心の考え方をマッカーサーに
伝える事にも努めた。
日本から皇室をとったらどうなるか、
吉田茂は心得ていた。
一日も早く、独立させるべくあらゆる手段を講じた。
そこに、次郎という男が出てくるのだが、
これが白洲次郎で、吉田茂を陰に陽に助けた。
白洲次郎と云うと、すぐ思い出すのは、
テレビの中でも出て来たあの 長い長い長文の
独立宣言書の事である。
吉田茂は、英文で云うつもりだったが、
白洲次郎に一喝される。
「これから独立して、世界の中で
一人前になるというのに、その宣言を
なぜ英文で書くのか、書き直せ。」と
みんなに命じて急遽、紙と筆を用意して
手分けして日本語に書き直した。
長い長い巻紙の日本の独立宣言の文章は
ものすごい大きいトイレットペーパーか
と云われたりしたらしい。
それはともかく、このテレビは立派なものだと
私は思う。
日本がどのようにして敗戦国になり、
どのようして独立国を勝ち取ったか。
多分日本人の50才以下の人間は
ほとんど知らないと思う。
地球上に沢山国家はあるけれど、
みんな夫々好い国ばかりではなく
苦い苦しい思いをして成り立っている。
日本史も明治維新までは教科書で
習った人が多いと思うが、
肝心の現代史は、
一寸おろそかになりすぎている。
過去の歴史を知らずして、
将来の展望は立てられない。
更に私が感じた事は、戦後復興させた
政治家は、みんな一流だと感じた。
それに比べて現在の内閣はどういう事でしょう。
何かの週刊誌の表紙に
《 このひどい政治家たち 》 という文章が
ありましたが、まさしくその通りだと
今回の『負けて勝つ』を観てその感を強くした。
心の底から日本の国家の事、国民の事を
考える政治家は、必ず何かを残してくれる。
どうでしょう、現在私は、一庶民ですから
これ以上は書きませんが、
もっと、もっとレベルアップしてほしいと
心から念じます。
吉田茂 像(東京・北の丸公園) |
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