恋愛事情 藤田宜永 文藝春秋刊 1,650円
六つの恋の物語。
どの恋も特別なものは無くいつでも誰でも体験しそうな物語ばかり。
結婚を考えて激しく愛し合うような恋は一つもない。
なのに、魅かれる話。
「そんな事あったね」と思う人はたくさんいる。
自分の話、友人の話みたいな気分で読んでしまうかも分らない。
土鍋
結末はあっけないけどホッとする思い。
封を切る
思い違いの遅すぎた発見
修羅の狭間
男のすごさ
残像
男と女 そして女ともう一人の男 こんな事はよくある事だ。
不在の女
男と男の友情も時には恋には叶わない。
赤心
ひなびた山間の宿 こんな場所こそ秘められた美しい恋の土壌があるもの。
爽やかで美しい自然が人の心を素直にするのか。
私の亡夫が体調を崩し始めた頃、たった5部屋しかない中伊豆の温泉宿へ、行きには送り、一週間たって帰りには迎えにいった。
そんな時が何年か続いたが、今思い返すとこの山の中の温泉にいる亡夫はなぜかとても優しかった。
自然だと思う。温泉の湯かも分らない。
人恋しい場に恋は生まれてくるのかも分らない。
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