2010年4月24日土曜日

「せいかつ図鑑」すばらしく役立つ本です

見るともなく聞こえてきたテレビの中で「今の若い人は一人で食堂や喫茶店に入るのは恥ずかしい・・・学食も一人では嫌なのでトイレの中でパンをかじってすませる事があるそうだ。」と聞こえてきた。

私はまったく理解できなかった。
独立独歩という事を亭主から嫌という程、教育された私はどこへでも必要に応じて一人で、出向く事は当然の事と思っているので。

「新聞の記事の中でアメリカから輸入したいものがあるので、どういう手続きが必要か外務省へ行って調べて来い」と命じられて全く知らない外務省へ一人で行って来たのは24才の時。でも役所の場所が分か
つたし優しく教えてくれた。
売掛金でひっかかり提訴した時も法学士である夫は私に細かく教えて簡易裁判所へも私に出席させ自分は他人のような顔をして後で聞いていた。
勝訴して完了したが帰宅してから細かく良かった点・悪かった点を指摘された。そんな中で商売について教えられて来たので今こうして何とかやっていられるのかも分からないが。


さて、小学館発行の「せいかつの図鑑」
私は楽しく遊ぶ・学ぶとなっているので子供用かと思いながら開いてみた。
見開き頁から左右の手の指の名前が出ている。

この本を読む皆様へ
ちょうちょむすびはできますか?
ぞうきんしぼりはどうですか?
できなかったことができるようになったりだんだんじょうずになったりするとうれしいですね。

おうちのかたへ
この本を活用して子供の自立を支援しましょう。
現代は知恵や技を自然に体得するのが難しい状況です。
親子でとりくめば体験として心に残る子供の意欲を高める事でしょう。


「楽しく遊ぶ学ぶせいかつの図鑑」
小学館の子ども図鑑プレNEO
流田直/監修

出版社名 小学館
税込価格 2,940円

私はヨガ教室へ通っていますがヨガの中に足首雑巾しぼりというのがありますが、先生が「さあ、雑巾をしぼるようにぎゅっと絞って下さい」と声をかけても、どうして良いのか分からぬお嬢さんが時々いるんです。「雑巾しぼりって分かりません」
つまり彼女の家では電気掃除機とほうきと床はフローリングで掃除するので雑巾は使った事がないらしい。 掃除は雑巾なしではきれいになりませんね                                 
どの頁をひらいても、すぐ役立つように編集されています。
大人にも子供にも分かると思います。
洗濯の干し方ひとつでも人によって随分差のある事は知っています。
私は何十年来家事を他人の力に頼って生きてきたので、色々な人に出会い洗濯の仕方を見てきましたが、みな夫々異なります。
でもよく観察すると100点から30点位の差があります・

結び方の中でちょう結びをしようという頁があります・
プレゼントする時とか、一寸棚にものを飾る時、ちょう結びは必要ですね。
分かりやすく絵が出ています。(18~19P)


りぼんを結ぼう。
これもよく使われる技ですね。

靴や上履きの手入れ、又 服のしまい方もよく分かります。
縫うというところでは針の糸通しなど大変素晴らしいと思います。

次にひもを結ぼう。(P56~57)
たまむすび・かたむすび
どちらも日常必要です。
このかた結びについて私は子供の時、母から教わった結び方が今も非常に役立っています。
写真を見て下さい。



この結び方でやりますと、大人の力でどんなに引っ張っても解けません。
私は今もこれは重宝して使っています。

たべる所へ入りましょう。
コンビニでおにぎりは買うと思いますが、自分の家で三角むすびを作った事ありますか?
自分でにぎったのが一番美味しいものです。

P67にはおはしでしてはいけない事が並んでいます。
そしておはしの正しい持ち方(合理的な使い方)は写真をよく見て下さい。
あれ?僕ちょっとおかしいな?と思う人もいるでしょう。

料理も並べ方があります。
食べやすいように合理的に並べると絵のようになる訳です。


次は食べるものですが、今の日本はいつでも何でもあります。
私の妹が病気になって高熱でどうかなるかと思った時がありました。
何も欲しくないと云って息をハーハーさせているばかりの時ふと、すいかが欲しいというんです。妹はスイカが大好物です。冬の寒い、まっさかり。
すいかは売っている所がありません。
祖母が作りおきしてあったスイカ糖を少し湯でのばしてすいのみで飲ませました。
それを飲んでからスヤスヤ眠り翌日には少し熱も下がり医者も「もう大丈夫です」と云われ家族一同ホッとした事を思い出します。
70年前も昔の話です。

ところが今はどうでしょう。

春には、たけのこ・春キャベツ・ふき・そら豆・グリーンアスパラガス・イチゴ・さやえんどう

夏には、トマト・キュウリ・なす・ゴーヤ・えだ豆・メロン・すいか

秋には、さつまいも・さといも・しめじ・しいたけ・ぶどう・柿・なし

冬には白菜・春菊・ブロッコリー・大根・みかん

魚は別として(本には出ています)野菜。果物だけを並べてみても、これみんな一年中ありますね。
でも本当は春には芽生えたもの夏には身体の体温を下げるもの、秋には沢山の実りのものが、そして冬には身体を温めるものがきちんと自然界は作ってくれているのです。
今は温室栽培とか色々手を加えて季節も何もありません。

体の為には決して良い事ではなく、心の面でも季節の物を食べた方が情緒が安定いたします。
どんどん進化して行く事が人間にとって本当の幸かどうか考えてみたいと思いませんか。
この本には更に様々な項目で優しく詳しく書かれております。
お子様よりも平成人(昭和40年頃以降に生まれた人を指す)のみなさんにこの本を一冊手元においてほしいと思います。

面白い本です。

立派な本です。


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■イセザキ書房からのお知らせ■

◎5/5(水)はお休みさせていただきます。


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2010年4月17日土曜日

横浜を東アジアのハブ港にするべきだ



「かながわの記憶」 
報道写真でたどる戦後史
神奈川新聞社 
創業120周年記念
神奈川新聞編集局/編・著


出版社名 神奈川新聞社
税込価格 2,625円
(上の画像お借りしました)



私は専門家ではないけれど横浜港が良好な港である事は歴史が示している。
又、本の配達を自転車でやってみると、やたら坂道が多くて大変だった事も横浜の地形は港に適した場所だったんだと推測できた。

私は昭和30年頃より横浜の住民になった。
当時は、万国橋埠頭(センターピアー)と大桟橋(サウスピア)それからノースピア(米軍が専用で使っていた)。
やがて山下埠頭が出来、広いなぁと思っていたが更に本牧埠頭、大黒埠頭、日産埠頭と次々に埠頭が出来て行った。
それまでは沖泊りという船があって、サンパンという小船で本船の下まで行き荷物を納品しなければならなくて、いくら若かったとは云え女の私には怖くて出来なかった。

サンパンの配達という大仕事であったのが、岸壁が次々出来て本船のすぐ側に車をつけられ、デッキまで上がっていく梯子(鉄の時も網梯子の時もあった)を登る作業だけになった。昭和30年代は横浜の頂点であった。
それから、半世紀いつのまにか徐々に徐々に着岸する船が減ってしまった。

毎年元旦、年が明けると同時に入港船からボーボーと汽笛が響いてくるのを私は55年間毎年必ず聞いた。それを聞くと「あぁ、新しい年になった」と気持ちがシャンとした。
ところが今年は24時を過ぎても聞こえてこない。
耳をすませてベランダからのけぞって聞こうとしたけど、聞こえなかった。
多分、入港船がほとんどいなかったのだとうと思う。

ここ2~3年入港船がぐんと減り岸壁は空きが多くなっている。
なぜだろう?
前から云われていた事だけど日本の港の係船料が高いと云う事らしい。
私は詳しい数字は分からないが。
そして今、日本船の乗組員は乗船交替の時はほとんど シンガポールまで飛行機で往復しているように見受けられる。又、荷物も釜山、中国の上海・香港あたりまで飛行機で送っているようだ。

日本は島国です。
資源はほとんど無し。
食料すら諸々の事情で輸入に頼っている。
いずれにしても、船で運ばれてくる物で日本人は生きていると云っても云いすぎではない。
なのになぜ直接、横浜・東京・神戸という良港があるにも関わらず他国の港に頼るのだろうか。
中国は景気のよさで荷動きはたしかにきは大きいと思うが、アメリカやヨーロッパに向かう船は日本の港から出航するのが一番合理的、設備も充分(と云えるかどうか私には分からないが)にあるにもかかわらず横浜・東京へ寄船する船は少なくなった

横浜は港町として栄え、港町として生きて来たはず。
その横浜から港や造船所を取ってしまったら何の価値もないとは云わないが、日本中どこにでもある街となんら変わらない。

それでは困る。
事業もそうだけど、街も特徴のない街はすたれて行く。
景気をよくする。日本の収支を健全にするという意味で事業が頑張るのは当然だけど頑張れるような政策を考えるのが国や県や市の仕事だろうと思う。
たしかに リーダーは大変だと思う。
しかしリーダーとしての社会的地位もそれなりにあると私は思っている。その点で何の理由か(ほぼ分かるけど)任期途中で市長をやめた中田氏には本当にガッカリを通り越して腹が立つ。 
横浜がケイ船コストが高いのならコストダウンして出来るだけ多くの船に立ち寄ってもらえるように考えるのが役所の仕事ではないんですか。

みなとみらい とみんな期待しているようだけど私はあそこは日産自動車の工場地になってしまうと思う。
街にはならないと思う。
街とは立派な店が沢山並んでも道路を奇麗にしても更に交通機関を引き込んでも本当の街は出来ません。

街とは買い物だけする所ではありません。

街とは美味しいものや食べ物を食べるだけの場所では足りません。

街とは人間のあたゆる慾望を満喫させなければ本当の魅力は出て来ないようになっています。

だから難しいんです。
どんなに素晴らしいデザイナーが、プランナーが頭で考えてもそれでは造りものしか出来ません。
造りものでは人間の満足は得れません。

例えば50年前の伊勢佐木町のように港に船が入り船からあがったら夕方を待って街に繰り出し、飲んで踊って、きちんと規律のある設備のある女性と楽しんで、初めて陸上(オカ)にあがった、日本へ帰ったという満足が得られたのです。
それは次の航海へのエネルギーの源泉になったのです。

家族もよく面会に来ていました。
妻に会う、子供に会う、何カ月ぶりかの顔を見てこれが又、次のエネルギー源になったのです。
横浜の港は優秀です。
せひぜひぜひ横浜の港を東アジアのハブ港に戻してほしいと私は切に切に思っています。

横浜から港をとったら皆無、何もありません。
港が「横浜」「YOKOHAMA」 ヨコハマ なんです。
東京のベットタウンにしないで下さい。

横浜市はウオーターフロントに投資すべきです。
他県ではしようにも出来ないこの海という港という財産をよく分かっていない人はリーダーの資格なしと私は思っています。

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今週のおすすめ













「横浜開港時代の人々」
紀田順一郎/著

出版社名 神奈川新聞社
税込価格 1,680円














「聞き書き横浜物語 
Yokohama story 
1945-1965」
松葉好市/語り 小田豊二/聞き書き

出版社名 ホーム社
税込価格 1,890円













「ヨコハマ伊勢佐木町復活への道
老舗商店街を甦らせる!」
山田泰造/著

出版社名 日本経済新聞出版社
税込価格 1,680円

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2010年4月10日土曜日

平成人の皆様、頑張るという事を実践して下さい

4~5日前だっただろうか。
フィリピンの日本郵船自営商船大学の今春4年生になる学生の海上実習が始まったというテレビがふと目に止まった。
日本郵船がフィリピンで商船大学を作った事は、その当時のニュースで私は知った。
ウェー。なんでフィリピンで、日本郵船なの・・・・・・。
それを知った私の心情は私の少ない語彙の中では表現出来ないほどの驚きだった。

私は20才代前半から50年余にわたって日本の海運業(特に本船の乗組員)と深い深い関係があった。
各船会社が乗組員厚生費として文化費を出すようになり、それはほとんど本の購入費になっていた。途中の過程は割愛するがイセザキ書房は昭和30年代・40年代は船で年商億単位の売上を上げていた。
春は南氷洋の捕鯨船、秋は北洋の鮭鱒船の出港する時には横須賀港へ2t車5台でも運び切れない本の量であった。

通常は毎日5台~9台の車(本棚つき移動販売車)を船の横につけて車に本船の方に入って来て頂き選書してもらった。東京湾いちえんが商売の場であった。
東京湾の大きな地図がを事務所に張ってNO、のついた針ピンを船として夫々の車の位置を店で把握していた。
又、本船の方が私の店にも来店された。スバルで迎えに行き伊勢佐木町の店で選んで頂き後から届けるとか。その間にお茶を飲みながら船乗り人生の様々な姿を話して頂いた。
私も本船にお邪魔して船の中の部屋の合理性に感心したり。

当時は様々な業者が船に入っていた。
保険屋さん、雑貨屋さん、衣類屋さん、etc・・・
長い経験から私は本船の方が来店されると、どこの船会社の方かすぐ分かった。百発百中。
不思議なもので、同じ仕事をしているけれど夫々会社のカラーが異なるんですね。
これはどこでも同じだけど。
船乗りさんの会社を当てるのは経験がなければ無理です。
あ、郵船さんだ、大阪商船さんだ、川崎汽船さんだ、山下新日本汽船さんだ・・・私はすぐ分かった。
そしてそれなりの応対をした。
その頃「港の本屋さん」というタイトルでNHKの正午のニュースのすぐあとで現場と店を両方放映していただいた。
あぁ、あの頃は私も若かった。
時代も若かった。希望がいっぱい溢れていた。
楽しい仕事だった。
当店の可愛い独身女性は3人本船の方と結婚した。
今も幸に暮らしているはず。

毎日入港する船の新聞(というより情報紙)の中に○○丸という船名ではなく、横文字の船名が混じりはじめた。
船籍を外国にして傭船して日本の船会社が運航する形になっていたらしい。

昔からマルシップというのは世界のどこへ行っても大手を振って行けたという事は私は前から知っていた。日本は四方海、海運業は命綱。
私の子供の頃は東京商船大学に合格したというと東大より褒め称えられたものだ。
又、船員さんが制服を着用して並んだ姿は美しかった。
船乗りに憧れる若い娘が沢山いた。
いつの頃からか、もう10年以上前だろうか。
船名は最上川丸(Kライン)はMOGAMIGAWAと書くようになった。
今はほとんど99%横文字になった。
私は時々埠頭へ出掛けた時、外国船の船員がデッキにもたれて何を見るともなく外を眺めている姿に、よく出会った。その時必ず思った。
(どこの国の人か、分からないけど国に残している妻や子供、恋人をしのんでいるのだろうと・・・)
船乗り稼業の哀愁を感じさせられた。
そのうち乗組員も外人が入ってきた。おそらくどの業界より先駆けて外人を雇用したのが海運界だと思う。昭和50年頃はそれでもキャプテンとか重要な地位の人は日本人で通常の乗組員だけが外人だった。
韓国人、中国人、インドネシア人と色々いたらしいが、フィリピン人に落ち着いたかにみえる。
聞けば、素直で明るくて音楽好きで、英語が堪能なので船の世界では良いはずだ。

その頃までは私も外人が乗船する事にさほど、心配はしなかった。
でも、船長、機関長というエライ人は日本人であってくれなければ困る。

そしてもうひとつは食事、これが問題。
「英語で書いた日本食」の本は必ず買って入れている。
でも、どんな味噌汁が出来るのかしら、どんなてんぷらが出来ているのかしら・・・・と私は時々思う。

そしてフィリピンへ、日本郵船が商船大学を作った。
当然といえば当然かも分からないけど、日本には商船大学はない。
東京海洋大学として日本にたった一つだけ。
これもあくまで海洋大学である。

他産業でも同様だけど技術者は国籍を問わず優秀な者がより優れた企業へ入るようになった。そう考えればグローバル化のこの時代、フィリピンに商船大学が出来た事に悲哀を感ずる私の方がおかしいのかも分からない。
そう心の中で思っても理性では、納得できるがマルシップの時代から半世紀あまりでこの現実は昭和人の私には胸にこたえるものが残るのは否めない。

こんな時代にもっと政府はしっかりしてほしい。
総理殿。
観桜会も悪くないけどもつと総理大臣らしい服装でTVに写されてほしいです。

このままいったら日本人は東海の小島の磯の白砂になつてしまいます。
日本人はすぐれたものを持っています。
リーダー次第で良くも悪くもなります。
出来ないかも、分からない事はやたら発表しないで下さい。
一寸横ヤリが入るとすぐ変わってしまうような政策では、国民は泣かされます。もう一度 陽を昇らせようではありませんか。

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今週のおすすめ















「脳で旅する日本のクオリア」
茂木健一郎/著

出版社名 小学館
税込価格 1,575円














「たんぽぽの日々 俵万智の子育て歌集」
俵万智/著 市橋織江/写真

出版社名 小学館
税込価格 1,680円














「赫奕たる反骨吉田茂」
工藤美代子/著

出版社名 日本経済新聞出版社
税込価格 1,995円

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2010年4月3日土曜日

夫よ イセザキ書房を守ってください

私がはじめて三浦半島に足をふみ入れたのは50年前だった。
見事な広い空があった。
白い しぶき をあげながら小船の動く青い海があった。
はだしになって走りたい砂浜があった。
瀬戸内生まれの私と異なり夫は、この光景が大変に気に入っていた。
あちこちに海水浴場用の小屋があり、カキ氷機がシャーシャーと音を立て、白い氷の上に赤や黄色の色がほどこされ裸の子供が目を輝かせて食べていた。
そんな素朴な素晴らしい海岸であった。

それから36年(私達夫婦の時間です)経って亡夫の墓を建てる時息子が云った。
「親父は三浦半島が好きだったんだ。三浦半島に建てよう」
そして三浦海岸公円墓地に決め妻と息子と嫁と孫2人の五人で平成5年に建立した。
以後毎年四回 お盆・正月 春と秋の彼岸前後に私は必ずお墓参りをする。
京浜急行で三浦海岸まで行き、そこからタクシーでお墓まで。タクシーを待たせておき、掃除をして花を捧げ線香をたく。
そして手を合わせ私は無心で亡夫のありし姿をひとつひとつあれこれ思い出しながら「イセザキ書房を守ってくださいね。好きな海が見えて貴方の好きな静かな所で良かったかしら」

たたかれた痛さも忘れ怒鳴られた怒声も、もう全く聞こえず静かな静かな墓の前で、ひたすら亡夫にあれこれと報告する。「書店業界は、とても難しい時期、あなたはどうすればいいと思う?」と声に出して話しかける。
聞いてもらえると信じて。

優しい夫ではなかったけれど私を鍛えようとして教育してくれた美しい思い出ばかりが思い出される。
息子も、もう50才過ぎ孫2人も成人した。
ここに亡夫が生きていたらどんなに喜んでくれただろうか。
でも、あれもこれもすべて運命。私に与えられた神からの定め。

行きも帰りも電車の中で読もうと思って持参した本を開かずじまいになった。
この京急沿線の開発の目覚ましい事、その風景を眺めるだけで、私は充分満足だった。
ここ10年前後に新築された新しい民家の美しい事。50年前にはじめて訪れた時の面影はない。こういう所に住むのもいいだろうなーと思ったりして。
ふと気がつくと丘というか山がけずられている平地にするためどんどん土地がくずされていく景色が見えた。すでに、段々になって丘の上の方にまで奇麗な住み家が並んでいるのに更にその上を崩そうとしている。
山でおくよりは住宅地にした方が価値は上がるだろう。
こうしてどんどん家を建てて需要があるのだろうか。
もし何か天災があったら、この斜面の住家もろとも崩れてしまうかも分からないのに。

そんな事を考えているうちに、横浜のみなとみらいにどんどん建つビルを思い出した。
みなとみらいは私にとっては(50年間船員さん達に本を買ってもらった者としては)街ではない。何年経っても三菱裏工横浜後船所の姿が頭から消えない。このドックから何百隻という商船が七つの海を目指して出港していった、あの壮観さを私は忘れる事が出来ない。そこに立ち会えた 喜びも私の誇り
に思っている。

年寄りの独り言と捨てないでほしい。歴史なんです、すべてが。

みなとみらいは元は海、街ではない。
そんな場所へあんなビルを建てていいのだろうか地盤は大丈夫なんだろうか。

ついでに云うならば東京の街。もうビルの建てすぎです。
建設業は景気浮揚の基本だからとても良い事だけどなにかあった時、あの東京の街は恐ろしい。もうこの辺でビル建設も考えてほしい。
そんな事考えているうちに黄金町駅に着いてしまった。
もう私の心は旅情をしのんでいる時間は終わり。

店へ帰ると私の大切な大切な本が私を待っていてくれた。紙芝居も踊っていた。

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今週のおすすめ















「日本建築様式史 カラー版」
増補新装
太田博太郎/監修 藤井恵介/監修
太田博太郎/〔ほか〕執筆

出版社名 美術出版社
税込価格 2,625円














「頭が10倍よくなる超睡眠脳の作り方」
苫米地英人/著

出版社名 宝島社
税込価格 1,300円



















「立ち読みでわかるイビキの本 
鼻呼吸が健康体をつくる」
パタカラシリーズ 1
秋広良昭/著 細川壮平/著

出版社名 三和書籍
税込価格 1,155円


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2010年3月27日土曜日

文字を書こう 本を読もう

私の部屋は仏間と床の間にある四畳の部屋以外はすべてフローリング。
20坪余のいわばワンルーム。


寝室だけはドアーで仕切ってあるが20坪は玄関に入れば一目で見渡せる。ベランダ側の建具は二重ガラスにし、その内側はすべて障子にした。
フローリングに障子これはこの部屋を考えた時に是非したかった事であった。畳でなくても実にマッチする。障子は雪見障子にして下半分は開けても道路をはさんだ前のビルからは中は見えない。
ベランダの寄りかかりで視界は遮られている
ほとんど、休みはないに等しいか私がひまを見つけて季節の花を手早く部屋に生ける。二重ガラスで音は大部分遮断され障子からもれてくるやわらかい光の中で娘時代15年間花の師匠の叔母から受けた手ほどきで、どんな花でも形に出来るのが嬉しい。障子から入ってくるやわらかな光の中で花は優しく私に語りかけてくれる。

「今日はよく出来たね、さぁ仕事を頑張りなさい」

花道とか茶道、日本の文化である。みんな夫々の国に夫々の文化がある。
日本の文化の根源は分かり易く表現すれば文字そのものだと思う。
文字なくしては、どんなに素晴らしい事も表現し難い。
絵画や音楽もあるがなかなか難しい。
昔から 読み 書き そろばん(計算) と云われているように。寺小屋で教えていたのもこれであった。
特に歴史や文学となると文字表現が先ず一番。
私は生粋の昭和人だけど平成人(昭和40年頃以後に生まれた人)になってくるとお世辞にも字が上手だとか正確だとか云えない人が多くなってしまった。
私達の大切な文化は必ず継承し開花させねばならないのに。とても残念に思う。

文字をあまり書かなくても生きて行ける時代になったためだろうか。
それとも字を習う、覚えるという教育が不足しているのだろうか。

パソコンで打てばみんな同じに出来る。
上手も下手もない。文章にはサンプルがあったりして。
恵まれすぎて少し甘えが出てきたのだろうか。

昭和人は「文字は人格を表わす」と教えられた。
鉛筆からボールペン、そして万年筆へ。
更に筆で書くという所まで進むのが普通だと考えていた。
奇麗な字で書かれた手紙を貰うと誰だって嬉しい。

携帯やネットもいい所がある。
それはそれで便利さを享受すれば良い。
しかし文化は文化として残さねば国がなくなります。

電子ブックが出てきました。
これは、これからの事です。私達の扱い方次第で大げさな表現をすれば日本文化が残るかどうかにかかります。

私は紙芝居から始まる日本語を大切にし読書は一枚一枚、頁をめくりながら読んでゆきたいと強く強く思っています。

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今週のおすすめ















「通の丼 今日から、あなたも丼名人!」
生活実用シリーズ 男の腕まくり

出版社名 日本放送出版協会
税込価格 1,000円
















「絶品!鍋 今夜から、あなたも“名”鍋奉行」
生活実用シリーズ 男の腕まくり

出版社名 日本放送出版協会
税込価格 1,000円















「酒の肴 今夜はわが家で一杯!」
生活実用シリーズ 男の腕まくり

出版社名 日本放送出版協会
税込価格 1,000円

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2010年3月20日土曜日

命を大切にするという事は?

”嫁入り”という言葉を知っていますか?
50歳以上の人なら言葉としては知っていると思います。
結婚する・・・・ではなく”嫁入り”するのです。
戦前は普通の人は家と家とのつり合いで家に嫁として結婚していったのです。
「女」が「家」に嫁ぐ訳です。
婚家には夫の他に夫の両親、時にはその親族とか夫の姉妹兄弟もいたかも分かりません。

祖父母が亡くなっても姉妹達が他家へ嫁いでも両親とは同居する事になり、実家とは異なった生活様式を学びつつ婚家の嫁として一人前になってゆく訳です。やがて、自分の子供が適齢期になれば、嫁が姑になってその家の流儀(生活の仕方)を息子の妻に教えて行く訳です。この繰り返しの一家として成り立たせる為に様々な行事があります。
正月、盆は勿論日本には四季に応じて行事があります。
春にはひな祭り,端午の節句を初めとする五節句があり「立春」「立夏」「大暑」「立秋」「秋分」とかの二十四節気もあり、いずれも季節を基準にした農業に関係するものが多いのですが、農家でなくとも、その時期に合わせて食べ物をはじめとする生活様式が定められていました。ひとつの文化でもありました。しかしこれは、日本全国みな同じ形式ではなく少し離れたら正月の餅の形や雑煮の作り方も異なります。
実家の通りではなく婚家の様式の中に慣れてゆくわけです。子供も3~5人位いる家が多かったので大家族の中でもまれながら成長して行きました。又、祖父母がいる家は年寄りとはどういうものかという事を教わらずして身につけていたのです。

大家族の中で育った子供は元気があり祖父母と共に暮らす子供には教えられずして優しさは身についていました。
ところが、戦後 産業の上でも考え方の上でも核家族を余儀なくされ、結婚の形式が180度の変化をしました。家の持つ独特のスタイルはほとんど失くなってしまい、結婚の形は一変しました。
これが、いい事、悪い事というのではなく現象として生活スタイルの在り方を身を持って教えてくれる人がいなくなってしまいました。
特に冠婚葬祭、これはどこの家庭でも必ず起こる事ですが、着るものは。持っていくお金はいくらにするのか。咄嗟の事で困ってしまう事は多々あるのです。
御祝いの時の「のし袋」をふくさに包むにはどういう手順でやるべきか。
お喜びの金額。見舞いの金額、葬式の時の額それも誰彼に聞けるものでもない。
笑われてしまうかも分かりません。

ぴったり形式通りでなくてもよいが常識に合ったやり方をしようと思えば先生はもう 本 しかありません。本を読んで大体合わせてゆけば先ず間違いないと思います。
結婚をはじめとして様々な自由を手にした今はその自由の裏にある世の中の常識を身につけるには、”本”これしかありません。井戸端会議の中では得られません。

冠婚葬祭の本と限らず一般的に本の中には「人生いかに生くべきか」という内容が盛り込まれています。現代ほど読書を必要とする時はないと思います。
特別難解な本でなくても必ず 人たるべき姿 が盛り込まれています。
私がこの文章を書く動機になったのは下記の一冊です。
「楽しく遊ぶ学ぶせいかつの図鑑」
小学館の子ども図鑑プレNEO
流田直/監修


出版社名 小学館
税込価格 2,940円

子供用だと思ってひらいてみたらとんでもない。
これこそ今の世の中に役立つ一冊ですと私は自信を持ちました。
子供さんと一緒に読めば楽しいレクリェーションになると思います。

字を読むこと書くことになれましょう。
電子ブックになっても字を読まねばならない事は同じです。
頭の中で考えただけで、物(ロボット)が動くようになるというテレビを見ましたが、まだまだ先の事だろうしそうなった時にも文字なしには事は進みません。
親が沢山 本をもっている子供は小さい時から読書の習慣がついているし思いもかけぬ時に役に立ちます。総理大臣のお話の中に命を大切にするという言葉がよくでてまいりますがその基は読書です。鳩山総理、「命を大切にする為に本を読みなさい。そうすれば、なぜ命を大切にしなくてはいけないか分かります。」とおっしゃって下さい。

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今週のおすすめ













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小池昌代/著

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「暴力は親に向かう 
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2010年3月13日土曜日

昭和人と平成人

私は昭和8年生まれ。正真正銘の昭和人です。
こんな言葉、流行っている訳ではありません。
ある本を読んでいる時に、この言葉を発見しました。

新しいものや変わった事にすぐ飛びつく私は、これは一寸考えてみようと思い出したのです。
昭和31年(1956年)にイセザキ書房を開店してから私は一体何人の大学生に協力してもらった事か。
一寸数え切れないが大体2~3年は続けてくれる人が多かった。
入学してから卒業するまで4年間丸丸勤めてくれた人も10人は下らないと思う。
大学生というのはその時代の象徴みたいなものです。
昭和30年・40年代は大部分地方出身者が多かった。
又、二部の学生さんは昼は私の店で働き夜は大学へという健気な学生さんも何人かいた。

一口に大学生と云ってもその能力は様々である。
私も若かった時はほとんど年令の差がなくて弟か妹のような感覚でした。
私が年令を重ねるにつれて、息子や娘のようになり、今は孫世代と一緒にワイワイ騒ぎながら働いている。
教え方も相手に合わせてやっているが、今は店長が細々とした事は担当してくれるので私は店の方向を決める事と書店界の姿を見つめて業界人との付き合いに時間をとられている。

そして気がついた時には私は教える側ばかりでなく教わる事が非常に多くなった。
私は自分の知らない事を大学生のアルバイトさんや若い時代の人に教えてもらう喜びを味わっている。これは実に楽しい事です。そして嬉しい事です。
そして年代的に計算してみると昭和35~40年あたり以後生まれた人は私と感覚が異なっています。

ここだと思いました。

昭和人・平成人と云っても、どちらが悪くてどりらが良いかという意味ではありません。
生き方の違い、人生感の違いが非常に大きいのです。
具体的な現象については次回に譲りますが、皆さんも年令で友人や知人を観察してみて下さい。これを時代の進化というのか時代の流れと表現すべきでしょうか。
人間は時代の子(明治の人は強いね)この言葉若い時よく聞いた。
さて、昭和人は何と表現されるだろうか。

これもある雑誌の中の一説ですが念の為追加します。
「現代の政治家とか会社の社長という地位の人に弁説のうまい人というのが非常に少ない、ほとんどいない。これは本を読んでいない証拠です。本を読まねば言葉を覚えません。言葉を覚えなければ云いたい内容の適切な言葉が見つからないんです。弁説のうまい人は言葉の力とそれが理解出来ている人は話の 間 のとり方が分かっているんです。いませんね、聞きほれるような名演説家が」

私もそう思います。

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