大学を卒業して入社した中位の会社で紆余曲折はあったもののとにかく社長にまでなった私の亡夫の友人から先日何年振りかに便りをもらった。年賀状とメール以外は頂いた事のない人なので驚きながら読んでみると「大病を患い現在、入退院を繰り返している」と書いてある。完治の見込みは無いとも書かれている。亡夫は63才で亡くなった。その時「俺は病気にはならないから70才までに会社を辞めて次の好きな事をしたいと思っている」と言った。好きな事とは何だったのかは問わなかったが私としては羨ましい気持ちで聞いた。
私の友人でトビキリ美人で成績の良い子がいた。素敵な男性と結婚し子供を二人作り亭主の定年後は毎年世界中あちこち夫婦で旅行をしていた。幸福を絵で書いたような存在だった。ところが最近の便りによると半月板を痛めて手術し杖をついて家事をこなしていると書いてあった。医者に一年は通えと言われたらしい。
この2件だけではなくあちこちの友人知人から体調不良の便りが届くようになった。しかも必ず「あなたはいつまで働くつもりなの?老後の楽しみがなくなるよ」と書いてある。私は零細書店のおばさんだから定年もなければ休日も年5日しかない。体も健全とは云えないまでも近くの主治医の指示に従い通常に働いている。老後って何を云うのか私には分からないが私は毎日「本を売る」というこの仕事が楽しくてたまらない。近頃の事、大変不景気。でも苦しい悲しいと思ったことは一度もない。もっと売れたらいい、もっと売りたいと思って毎日毎日がとても忙しい。
遊ぶ時間はなかなかとれないけれど、遊び下手な私の事だからそんなに苦痛にはならない。いずれにしても70年間も休みなく使ってきた体だもの。故障がでるのは当たり前だと思っている。定年後だとか老後だとか、そんな事一切考えずに私は本日現在”今”を充実させて生きる事に懸命だ。大切なのは”今”だと思っている。今なくして未来はない。今を充実させて生きるのが一番幸せだと信じている。
我田引水ではないけれど「素晴らしい本に出会えた喜び」「素敵な読者に会えた喜び」「会った事もない私の店の読者からファンレターをもらえる喜び」そして「事もなく流れてゆくこの時間に身を任せて生きる喜び」お金儲けの事を抜けばこんな素晴らしい商売はないと思っている。30代、40代、50代の人達は読書の喜びを知らずに一生終るかも分からない。昨日、中山大臣の云われた事は間違いではないと思う。大臣としての言葉でなければ私も同意見。
どうか皆様今を大切にして生きてまいりましょう。
今回も一冊の本をオススメします。
今回は童話です。カラスのパンやさんのお話です。
私はこれを紙芝居で子供達の前で演じました。「パンの匂いがしてくるよ」と云って皆で笑いました。
「からすのパンやさん」
かこさとしおはなしのほん 7
かこさとし/絵と文
出版社名 偕成社
出版年月 1978年
税込価格 1,050円
頁数・縦サイズ 1冊 26cm
「あなたが知らない森の中でどこからか香ばしい美味しい匂いがしたら、森の上の方を見てご覧なさい。もし風車がチラチラ回っているのが見えたら、そこがカラスのパン屋さんのいるいずみがもりなのです。もしかしたら、あなたはチョコちゃんたちに会えるかもしれませんよ」
※カラスのぱんやさんから文章抜粋
私はこれを一段とトーンを落としてお話した。子供達は耳をすませて聞いてくれたのがとても嬉しかった。
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〒231-0055 神奈川県横浜市中区末吉町1-23
TEL: 045-261-3308 FAX: 045-261-3309
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2008年9月20日土曜日
人生とは川の流れ
あれから、何年経っただろうか。
昭和30年代、伊勢佐木町は横浜一番の商店街として市民の憧れの街でもあった。
その頃、4~5才位だった息子を伴い夫が当時あこがれのレストラン不二家へ食事に出掛けた。
ところが、小一時間たって夫は帰って来たのに息子は見えない。「あら?一郎は?」と問うと「おもちゃ屋の前で買ってくれと云って泣いて座り込んででしまったので放っておいて来た」
何よそれと私は思った。
子供が生まれる前男の子だったら俺が教育する、女の子だったら君の担当だ・・・・と云っていたが生まれてきたのが男の子だったので夫はなれぬ手つきながらも一生懸命教育(夫としてはそのつもり)をほどこした。
息子は父親に甘えながらも子供ながらにも畏敬の念を抱いて育った。
暫くして吉田町(伊勢佐木町1丁目近く)交番から電話が掛かってきた。
警察「お宅は本屋さんですか?」
「はいそうです」
警察「サトウイチロウというお子さんはおられますか?」
「ハイ、ウチの息子です」
警察「お父さんに置いて行かれて帰り道が分からないと云って今ここに来ています、店の名前も本人の氏名も住所も電話番号もこんなに小さいのにみんなよく知っていて、びっくりしました。いくら泣き止まないと云ってもこんな小さなお子さんを、街の真ん中に放って行くのはよくありませんよ。今から送っていきますから、これから注意して下さい」
私は驚くより夫らしいやり方だとホッと安心した。
ほどなく泣きべそ顔の息子はオマワリさんと一緒に帰って来た。
「パパ、もう云う事聞くからゴメンナサイ」と泣きながら、それでも父親に謝っていた。
初めての子供だからおもちゃを買い与えすぎて押入れ一杯になってしまって、これはよくないおもちゃはお正月と誕生日だけに買う事にすると決めたけど子供にはそんなの通用しなかった。
私だったら子供に負けてしまうけど夫は息子にも妻にもまことに厳しい男であった。
「男の子は独立心を養わねばならない」と云って小学校一年生の夏休みに私の実家、夫の生家のある現さぬき市へ一人で飛行機で行かせた。羽田までお手伝いさんに送ってもらい高松空港には私の弟が迎えに来てくれる手はずにしてあったが私としては不安でたまらなかった。
でも夫は「大丈夫、そんな事が出来ないようでは男になれん」と云って強行した。
それから小学校5年生の頃からユースホステルを予約して休み毎にあちこち一人旅を平気でするようになった。友達を誘って友達の父兄と学校の教師にたしなめられた。
けど、息子も夫もそんなこと意にも介さなかった。
1970年の大阪万博にもユースホステルを利用して一週間位かけて一人で観に行った。もうその頃には私も夫も慣れてしまってほとんど心配などしなくなっていった。
中学生の時、何かの折に受け持ちの先生に呼ばれて夫は中学校に初めて出掛けた事があった。教師から何を言われたのかはよく覚えてないが帰って来てから夫曰く。
「うちの息子は悪い時にはたたいてやって下さい。」
その時他はたたかず尻を殴ってください。
子供は痛みによって悪いという事の判断を身に感じるものなんです。
デューイの教育論を施して教育はどうあるべきかを先生によく話しておいたと云っていた。その後、当時の中学校の先生に会った時「佐藤君のお父さんからデューイの教育論が出てきた時には僕も驚きました」と云われて笑ったものでした。
大学生になってからは休み毎に外国旅行が始まった。
この頃になると手続きや何か面倒な事もあったので夫は息子と一緒に出かけるようになり、私はいつも留守番ばかり。
ある時日本卸船の船に麻雀のパイを積みそこなって困った時、丁度折よく息子がニューヨーク旅行を計画していたので日本郵船のニューヨーク支店へ持たせたりした事もあった。
「さすが郵船だよ、立派なオフィスだった」とか帰ってから云っていた。
アメリカ、オーストラリア、イギリス、フランス、ドイツ次々と計画して父、息子で出かけていた。
私が留守番ばかりで可哀想だと思ったのか香港、ソウル、台北、シンガポール等近い所へ行かせて貰った。
アメリカへ行ったのは夫が亡くなった後の事で、思えば私は外国旅行は夫と共にする事は叶わなかった。
その息子も今は大学生と大学院生の2人の娘の父親となり母である私は自分の仕事がなかったらきっと淋しい思いをしているかも分からない。
人生とは、人の命の流れとは振り返ってみると川の流れのように止まることなく成長し、そして老いてゆくものだと分かる年齢に届いてしまった。
************************************************
最後に一冊だけ私の好きな本を紹介したい。
「持たない暮らし」
下重暁子/著
出版社名 中経出版
出版年月 2008年2月
税込価格 520円
頁数・縦サイズ 221P 15cm
作品紹介
私はこの人を前から好きだった。早稲田を出てNHKの花形アナウンサーだったのにサッとやめて文筆活動という地味な生き方を選び書く事も人間の生き方について私は共鳴することが多い。
・生活のゼイ肉を落とす(これが凡人には難しい)
・流儀をもって生きる(個性を尊重すべきことかな)
・豊かな生活を手に入れるためのいくつかの知恵(お金ではない)
・日本人の美意識を取り戻す(拍手喝采したい)
・なぜシンプルに生きられないのか(自分で考え決断する事は難しい)
・シンプルを貫きスッキリ死にたい
こうして書けば、なるほどと思うだろが考えてみると今の時代にこれを実行する事は大変勇気が必要だ。
でも人生の川の流れは持たない暮らしほど贅沢な生き方はないと云う事がやっと分かる年齢に到達した。
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昭和30年代、伊勢佐木町は横浜一番の商店街として市民の憧れの街でもあった。
その頃、4~5才位だった息子を伴い夫が当時あこがれのレストラン不二家へ食事に出掛けた。
ところが、小一時間たって夫は帰って来たのに息子は見えない。「あら?一郎は?」と問うと「おもちゃ屋の前で買ってくれと云って泣いて座り込んででしまったので放っておいて来た」
何よそれと私は思った。
子供が生まれる前男の子だったら俺が教育する、女の子だったら君の担当だ・・・・と云っていたが生まれてきたのが男の子だったので夫はなれぬ手つきながらも一生懸命教育(夫としてはそのつもり)をほどこした。
息子は父親に甘えながらも子供ながらにも畏敬の念を抱いて育った。
暫くして吉田町(伊勢佐木町1丁目近く)交番から電話が掛かってきた。
警察「お宅は本屋さんですか?」
「はいそうです」
警察「サトウイチロウというお子さんはおられますか?」
「ハイ、ウチの息子です」
警察「お父さんに置いて行かれて帰り道が分からないと云って今ここに来ています、店の名前も本人の氏名も住所も電話番号もこんなに小さいのにみんなよく知っていて、びっくりしました。いくら泣き止まないと云ってもこんな小さなお子さんを、街の真ん中に放って行くのはよくありませんよ。今から送っていきますから、これから注意して下さい」
私は驚くより夫らしいやり方だとホッと安心した。
ほどなく泣きべそ顔の息子はオマワリさんと一緒に帰って来た。
「パパ、もう云う事聞くからゴメンナサイ」と泣きながら、それでも父親に謝っていた。
初めての子供だからおもちゃを買い与えすぎて押入れ一杯になってしまって、これはよくないおもちゃはお正月と誕生日だけに買う事にすると決めたけど子供にはそんなの通用しなかった。
私だったら子供に負けてしまうけど夫は息子にも妻にもまことに厳しい男であった。
「男の子は独立心を養わねばならない」と云って小学校一年生の夏休みに私の実家、夫の生家のある現さぬき市へ一人で飛行機で行かせた。羽田までお手伝いさんに送ってもらい高松空港には私の弟が迎えに来てくれる手はずにしてあったが私としては不安でたまらなかった。
でも夫は「大丈夫、そんな事が出来ないようでは男になれん」と云って強行した。
それから小学校5年生の頃からユースホステルを予約して休み毎にあちこち一人旅を平気でするようになった。友達を誘って友達の父兄と学校の教師にたしなめられた。
けど、息子も夫もそんなこと意にも介さなかった。
1970年の大阪万博にもユースホステルを利用して一週間位かけて一人で観に行った。もうその頃には私も夫も慣れてしまってほとんど心配などしなくなっていった。
中学生の時、何かの折に受け持ちの先生に呼ばれて夫は中学校に初めて出掛けた事があった。教師から何を言われたのかはよく覚えてないが帰って来てから夫曰く。
「うちの息子は悪い時にはたたいてやって下さい。」
その時他はたたかず尻を殴ってください。
子供は痛みによって悪いという事の判断を身に感じるものなんです。
デューイの教育論を施して教育はどうあるべきかを先生によく話しておいたと云っていた。その後、当時の中学校の先生に会った時「佐藤君のお父さんからデューイの教育論が出てきた時には僕も驚きました」と云われて笑ったものでした。
大学生になってからは休み毎に外国旅行が始まった。
この頃になると手続きや何か面倒な事もあったので夫は息子と一緒に出かけるようになり、私はいつも留守番ばかり。
ある時日本卸船の船に麻雀のパイを積みそこなって困った時、丁度折よく息子がニューヨーク旅行を計画していたので日本郵船のニューヨーク支店へ持たせたりした事もあった。
「さすが郵船だよ、立派なオフィスだった」とか帰ってから云っていた。
アメリカ、オーストラリア、イギリス、フランス、ドイツ次々と計画して父、息子で出かけていた。
私が留守番ばかりで可哀想だと思ったのか香港、ソウル、台北、シンガポール等近い所へ行かせて貰った。
アメリカへ行ったのは夫が亡くなった後の事で、思えば私は外国旅行は夫と共にする事は叶わなかった。
その息子も今は大学生と大学院生の2人の娘の父親となり母である私は自分の仕事がなかったらきっと淋しい思いをしているかも分からない。
人生とは、人の命の流れとは振り返ってみると川の流れのように止まることなく成長し、そして老いてゆくものだと分かる年齢に届いてしまった。
************************************************
最後に一冊だけ私の好きな本を紹介したい。
「持たない暮らし」
下重暁子/著
出版社名 中経出版
出版年月 2008年2月
税込価格 520円
頁数・縦サイズ 221P 15cm
作品紹介
私はこの人を前から好きだった。早稲田を出てNHKの花形アナウンサーだったのにサッとやめて文筆活動という地味な生き方を選び書く事も人間の生き方について私は共鳴することが多い。
・生活のゼイ肉を落とす(これが凡人には難しい)
・流儀をもって生きる(個性を尊重すべきことかな)
・豊かな生活を手に入れるためのいくつかの知恵(お金ではない)
・日本人の美意識を取り戻す(拍手喝采したい)
・なぜシンプルに生きられないのか(自分で考え決断する事は難しい)
・シンプルを貫きスッキリ死にたい
こうして書けば、なるほどと思うだろが考えてみると今の時代にこれを実行する事は大変勇気が必要だ。
でも人生の川の流れは持たない暮らしほど贅沢な生き方はないと云う事がやっと分かる年齢に到達した。
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2008年9月14日日曜日
小さな店にも春を呼びたい
今、自民党は総裁選真っ最中です。各候補は持論を発表し共鳴を求めて必死ですが70年以上生きてきて、数多くの総裁選を見てきた私にしてみれば最低とは云わないが、1970年代の三角大福(三木、田中、大平、福田が佐藤栄作の後継者を争って各人の名前を一字づつ並べたもの)などと云われた多士済済の時代を思いだすと非常に物足りなくテレビ討論にしてもそんな事で一国の総理と云うリーダーになれるのか、という思いが強いのは否めません。
私は小泉改革の犠牲者だと思っています。改革に痛みは伴う、その過程であるという一候補者の言葉に驚きました。
これ以上やったら私の様な立場の人間は生きてゆかれなくなります。地方の痛みとよく言われますが痛みは地方だけではありません。一部の東京ど真ん中を除いて全国の零細企業は生きてゆかれなくなっています。
現実に対して認識が無いというよりも自分の上昇志向を実現する為に権力者について回ったようなお方には分かろうはずもありません。
農業、漁業にもまだまだやり方があると云っておりますが具体的にどうするべきかお示し下さい。
私は農業、漁業、の現実は70年間の間に身をもって知っています。
小泉改革は一部の金持ち企業に甘みを与えただけです。
立候補者の皆様、本を読んでおられますか?とても失礼な言い方ですがお忙しくてじっくり読む時間も無いかも分かりませんが。
漁業の不振は色々理由はあります。その中の一つに山奥の川の源に大きな原因があると言う事を知りました。
樹木を切り、山を崩しそこに町を作るという事を繰り返してゆくうちに海の水が変わってしまいました。温暖化の理由にもなっております。山と海は一体なんです。
言い換えれば自然を壊してしまった事が農水産業を殺してしまったのです。さらに続けて云えば零細小売店に死ねという事と同じです。
現実は口先商売の人には分かっておりません。私は一冊の本を紹介したいと思います。
「海から見た地球温暖化」
~異常気象、気候変動の現場を行く~
JAMSTEC「Blue Earth」編集委員会/著
出版社名 光文社
税込価格 1,680円
頁数・縦サイズ 131P
皆様のいうグローバル化と云う言葉を使うならこの位の本は読んで頂きたいと思います。誰が当選するにせよ現実を知っている私達にはあまり期待はしておりませんが。
官僚ばかりではなく議員の数も多すぎます。どなたもそれはおっしゃらないけど。
-----------------------------------
イセザキ書房
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私は小泉改革の犠牲者だと思っています。改革に痛みは伴う、その過程であるという一候補者の言葉に驚きました。
これ以上やったら私の様な立場の人間は生きてゆかれなくなります。地方の痛みとよく言われますが痛みは地方だけではありません。一部の東京ど真ん中を除いて全国の零細企業は生きてゆかれなくなっています。
現実に対して認識が無いというよりも自分の上昇志向を実現する為に権力者について回ったようなお方には分かろうはずもありません。
農業、漁業にもまだまだやり方があると云っておりますが具体的にどうするべきかお示し下さい。
私は農業、漁業、の現実は70年間の間に身をもって知っています。
小泉改革は一部の金持ち企業に甘みを与えただけです。
立候補者の皆様、本を読んでおられますか?とても失礼な言い方ですがお忙しくてじっくり読む時間も無いかも分かりませんが。
漁業の不振は色々理由はあります。その中の一つに山奥の川の源に大きな原因があると言う事を知りました。
樹木を切り、山を崩しそこに町を作るという事を繰り返してゆくうちに海の水が変わってしまいました。温暖化の理由にもなっております。山と海は一体なんです。
言い換えれば自然を壊してしまった事が農水産業を殺してしまったのです。さらに続けて云えば零細小売店に死ねという事と同じです。
現実は口先商売の人には分かっておりません。私は一冊の本を紹介したいと思います。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「海から見た地球温暖化」
~異常気象、気候変動の現場を行く~
JAMSTEC「Blue Earth」編集委員会/著
出版社名 光文社
税込価格 1,680円
頁数・縦サイズ 131P
地表の7割を占める「海」のことを知らずに、地球温暖化は語れない。
●地球温暖化の原因は何か?
●そもそも地球は本当に温暖化しているのか?
●冷夏・暖冬・干魃・洪水など、異常気象と温暖化の関係は?
●天然の気候周期と温暖化の関係は?
●北極海の海氷の減少と、温暖化の関係は?
●温暖化予測の問題点は?
JAMSTECが、2002年から海洋地球研究船「みらい」で海氷減少が最も著しいベーリング海峡北部で観測を続け、この海域で“海の温暖化”が急速に進展し、海氷ができにくくなっていることを突き止めた。いま、気候変動の現場で何が起こっているのか? 観測と予測の最前線からの報告。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
皆様のいうグローバル化と云う言葉を使うならこの位の本は読んで頂きたいと思います。誰が当選するにせよ現実を知っている私達にはあまり期待はしておりませんが。
官僚ばかりではなく議員の数も多すぎます。どなたもそれはおっしゃらないけど。
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2008年9月9日火曜日
『静かな静かな旅』を読んで
この本は1976年に出版されたもの。今から32年前である。書名の通り静かな古い町並みの画集である。デジタルカメラで写した風景とは比べようもない柔らかな優しい色鉛筆のタッチである。私は四国の瀬戸内海に面した小さな町に生まれ育ち20才で神奈川県にやってきて目の回るような激しく忙しい毎日に飛び込んだ。丸10年間、故郷の土地は踏めなかった。10年経った時、たった二晩だけ正月の里帰りをした。弟達の妻に初めて会い、その子供達にも「どこの誰なの?」という顔つきで見られた。ふるさとは10年間の間に町も人も大きく変化していた。懐かしいというよりも驚きの方が大きかった。それから又10年間位実家には行けなかった。そんな時に私はこの本に出会った。目次を見ると北海道から沖縄まで日本全国に及んでいるが、どの頁を開いてみても私のふるさとに見えてくる。私は涙が出るほど嬉しくてこの本は毎日毎日開いて眺めた。
どの頁にもふるさとの景色がある。かやぶき屋根、小川の横にある細い道、小さな橋がかかっている。電柱がひょろひょろ立っている。お寺の鬼瓦もそっくりに見える。瓦屋根の低い2階建ての土塀、そして格子戸。今にもガラガラと開いて祖母が出て来そう。家の周りに石が積み上げられ、蛸壺が沢山干してある風景。海育ちの私の胸にぐんとくる。浜にあげた小さな漁師の船、艪を使わずボンボン蒸気が乗っている。この頃は漁業も少しづつ機械化されはじめた頃だった。瓦屋根の並んだ曲がりくねった道を自転車で走っている男の人。こんな風景度々出会った自転車の風景があちこちに出てくる。そうだ、みんな自転車に乗って出かけたものだ。それから、大八車、さすがに車輪はタイヤだけど物を乗せて引っぱる姿は変らない。蓮池の向こうに見える家。お風呂を沸かせる煙突が懐かしい。みんな木で物を沸かしたんだ。どの頁もみんな私の子供の時の景色ばかり。
丁度この頃、昭和50年代からは若者は皆、都会へ出て来始めた。今、古希を越えてこの画集を観るとすでに若者の姿がほとんど見当たらない。今、気がついた。それにしても日本国中こんなにもよく似た風景なのかと思いつつ90年以上経っている今頁をめくっている。白い倉が沢山出てくる。川が流れ小さな橋がほどよい間隔でかかっている。
著者は「集落風景が書きたかった、集落には表情があり集団としても語りかけがある。それは徐々に押し流されようとする変化に対して精一杯ふみ止まって抵抗しているという哀れさがあるのです。」と語っている。昭和51年の事です。
1976年30年以上前に描かれたこの風景は多分もうほとんど無くなっていると思います。里山もなくなった。景色は情感を育てます。美しい景色は美しい心を育みます。便利第一主義、それを進化と云うべきか、生活水準の向上と云うべきか今の私は迷ってしまう。
今私は小学館の日本の歴史の中の(鎖国という外交)を読み始めているが著者はロナルド・トビというアメリカ人なのに。日本人の私の全く知らない事が書かれている新しい発見の喜びを味わっている。
政治家はすぐに(改革)こそ国民の為だと論ずるが私はこの「静かな静かな旅」という40年も前に更にその前の事を描いた絵に、えもいわれぬ幸を感じている。里山の美しさ、懐かしさ、世界的な変化の中で日本だけが取り残さる事は出来ないが私達は古き良き時代を覚えておくべきではないだろうか。そして残さねばならない事もある。人間の心が失われてゆくのが恐ろしい。
「静かな静かな旅」を開いて眺めながら私達はテレビやマスコミにおどらせすぎているように思う。半世紀近く前の日本の風景の和やかさ、美しさ、優しさ。今この時代に痛切に感じる。例えばなぜすべてのテレビをデジタル化してしまわねばならないのか。出てきた古いテレビはどこへどう処分するのか。こういう事の起こる度に政治の裏の影を思わずにはいられない。古き良き上に新しいものを追加するべきだと思う。今大勢の自民党総裁を目指している人達はこういう事が分かっているだろうか。
便利さばかり追求していると人間はロボット以下になってしまう。大事な事は何千年も積み重ねてきた日本の文化をもっともっと深く洞察し、その上に平成に生きる私達は更によき歴史を一つ一つ積み重ねてゆくべきではないだろうか。全巻著者の異なる小学館発行の「日本の歴史」はそういう面からもとても面白くて、頭の啓発に役立つと私は思っている。
財政は重要。官僚も減らすべきだと思う。しかし、それを云うなら衆議院・参議院・両議員の数を先ず減らすべきではないか。自分の事は棚上げにしては物事は前進しない。静かな静かな旅の時代はつい50年前の事になった。もっともっと私達は心を大切にしようではありませんか。
参考書籍・画像
画文集「静かな静かな風景」
渡辺瑛/著
出版社名 東京新聞出版局
出版年月 1976年
税込価格 3,990円
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どの頁にもふるさとの景色がある。かやぶき屋根、小川の横にある細い道、小さな橋がかかっている。電柱がひょろひょろ立っている。お寺の鬼瓦もそっくりに見える。瓦屋根の低い2階建ての土塀、そして格子戸。今にもガラガラと開いて祖母が出て来そう。家の周りに石が積み上げられ、蛸壺が沢山干してある風景。海育ちの私の胸にぐんとくる。浜にあげた小さな漁師の船、艪を使わずボンボン蒸気が乗っている。この頃は漁業も少しづつ機械化されはじめた頃だった。瓦屋根の並んだ曲がりくねった道を自転車で走っている男の人。こんな風景度々出会った自転車の風景があちこちに出てくる。そうだ、みんな自転車に乗って出かけたものだ。それから、大八車、さすがに車輪はタイヤだけど物を乗せて引っぱる姿は変らない。蓮池の向こうに見える家。お風呂を沸かせる煙突が懐かしい。みんな木で物を沸かしたんだ。どの頁もみんな私の子供の時の景色ばかり。
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丁度この頃、昭和50年代からは若者は皆、都会へ出て来始めた。今、古希を越えてこの画集を観るとすでに若者の姿がほとんど見当たらない。今、気がついた。それにしても日本国中こんなにもよく似た風景なのかと思いつつ90年以上経っている今頁をめくっている。白い倉が沢山出てくる。川が流れ小さな橋がほどよい間隔でかかっている。
著者は「集落風景が書きたかった、集落には表情があり集団としても語りかけがある。それは徐々に押し流されようとする変化に対して精一杯ふみ止まって抵抗しているという哀れさがあるのです。」と語っている。昭和51年の事です。
1976年30年以上前に描かれたこの風景は多分もうほとんど無くなっていると思います。里山もなくなった。景色は情感を育てます。美しい景色は美しい心を育みます。便利第一主義、それを進化と云うべきか、生活水準の向上と云うべきか今の私は迷ってしまう。
今私は小学館の日本の歴史の中の(鎖国という外交)を読み始めているが著者はロナルド・トビというアメリカ人なのに。日本人の私の全く知らない事が書かれている新しい発見の喜びを味わっている。
政治家はすぐに(改革)こそ国民の為だと論ずるが私はこの「静かな静かな旅」という40年も前に更にその前の事を描いた絵に、えもいわれぬ幸を感じている。里山の美しさ、懐かしさ、世界的な変化の中で日本だけが取り残さる事は出来ないが私達は古き良き時代を覚えておくべきではないだろうか。そして残さねばならない事もある。人間の心が失われてゆくのが恐ろしい。
「静かな静かな旅」を開いて眺めながら私達はテレビやマスコミにおどらせすぎているように思う。半世紀近く前の日本の風景の和やかさ、美しさ、優しさ。今この時代に痛切に感じる。例えばなぜすべてのテレビをデジタル化してしまわねばならないのか。出てきた古いテレビはどこへどう処分するのか。こういう事の起こる度に政治の裏の影を思わずにはいられない。古き良き上に新しいものを追加するべきだと思う。今大勢の自民党総裁を目指している人達はこういう事が分かっているだろうか。
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便利さばかり追求していると人間はロボット以下になってしまう。大事な事は何千年も積み重ねてきた日本の文化をもっともっと深く洞察し、その上に平成に生きる私達は更によき歴史を一つ一つ積み重ねてゆくべきではないだろうか。全巻著者の異なる小学館発行の「日本の歴史」はそういう面からもとても面白くて、頭の啓発に役立つと私は思っている。
財政は重要。官僚も減らすべきだと思う。しかし、それを云うなら衆議院・参議院・両議員の数を先ず減らすべきではないか。自分の事は棚上げにしては物事は前進しない。静かな静かな旅の時代はつい50年前の事になった。もっともっと私達は心を大切にしようではありませんか。
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参考書籍・画像
画文集「静かな静かな風景」
渡辺瑛/著
出版社名 東京新聞出版局
出版年月 1976年
税込価格 3,990円
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2008年9月2日火曜日
一人一人が独立独歩の精神で生きよう
福田首相辞任。
先日の北京オリンピック柔道で金メダルをとった石井選手が「腹黒くないからこそ政治家として人気が出ないのかも」と云い「すごい純粋さが伝わってきました」と話したけれど
若いスポーツマンには真実が伝わったのでしょうか?
いずれにしても政界は暫く政務どころではなく次の椅子を狙って混乱が続く事でしょう。
私は外交とか難しい事は分かりませんが、ここずーっと問題になっている年金その他国民に直接関わる大切な事が、又遅れるのは悲しいです。
政府はいつも少子高齢化の為お金がない。さぁどうする増税か。と息巻いておられますが素人の私には不思議に思います。私は昭和30年代、つまり1950年代からずーっと支払ってきました。
私の世代は皆そうではなかったでしょうか?
その間には高金利の時代もあったはずだし死んでゆく人には支払わない訳ですからお金が今になって急に足りなくなったというその理由がまったく理解できません。
どうなってしまったのですか、そのお金は。
私如き浅学な者には難しい事は分かりませんが年金のせいで足し算引き算位は充分わかります。
もう何十年も前の方達は退職されて職場にはいないと思いますが資料はあるはずです。それを公表して下さい。
私は現在、後期高齢者になったばかり。
色々変化するので窓口の役人の方にもよく分かっていないようだし又変化します、と云っております。厚労大臣が、いかに逸材と云っても未だ若くして大変だろうと思います。
先代、先々代のお役人さん達に先見性がなかったんです。昔から云われる言葉に
◎人生は山あり谷ありだよ。
◎商人は良い時代には身をひきしめムダ使いをせず景気が悪くなったときは歯を食いしばって頑張るんだよ。
これは商人訓ですが国家だって同じです・
東京オリンピック後の日本の発展の目ざましさ、今から思うと夢をみていたかとさえ思います。
しかし、心ある経済人(立派な有名な人ではなく極々普通のおじさん)は「こんな時代はもう来ませんね、良すぎますよ」と私の亡夫に云っていた事が昨日の事のように何十年経っても忘れられません。
私は当時30才になったばかりの頃ですから。
「一寸これは怖いな、今は普通ではないんだな」と思ったことが今は、はっきり頭に残っています。
人に格差のあるのは当然だと思います。貧乏百姓の子せがれに生まれたような人間は教育も義務教育のみ、どうして東大卒のような、あるいは金持ちの息子と競争してゆけるはずもありません。
しかし世の中というのはそれが普通であり、その無教育の人間が不幸だとは私は思えません。幸とはいたるところにあるものです。
さて、これから本論。
どんな環境に生まれようと、どんな育ち方をしようと人間に必要な事は心と身体の健全性です。身体が健康であれば必ず生きられます。心が清らかであればこれも必ず生を全うできます。
先ず健康を考えましょう。
11月に新しく家庭医学大事典(小学館発行)
注意※小学館は小学1年生・2年生の児童の出版社ではなく日本屈指の大出版社です。
目先の事しか考えない、自分の地位ばかりを追いかけるような為政者にばかり頼っていたら幸せな生き方はできません。
この家庭医学大事典は病気になったら読むのではなく常に身辺において頁をめくってください。そして主治医を確保して相談しながら病気にならないようにする本です。
次のブログで内容は詳しく書きますのでご期待下さい。
カタログは今でもございます。
出版されるのは2008年11月18日 乞御期待。
家庭医学大事典HP
-----------------------------------
イセザキ書房
〒231-0055 神奈川県横浜市中区末吉町1-23
TEL: 045-261-3308 FAX: 045-261-3309
www.isezaki-book.com
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先日の北京オリンピック柔道で金メダルをとった石井選手が「腹黒くないからこそ政治家として人気が出ないのかも」と云い「すごい純粋さが伝わってきました」と話したけれど
若いスポーツマンには真実が伝わったのでしょうか?
いずれにしても政界は暫く政務どころではなく次の椅子を狙って混乱が続く事でしょう。
私は外交とか難しい事は分かりませんが、ここずーっと問題になっている年金その他国民に直接関わる大切な事が、又遅れるのは悲しいです。
政府はいつも少子高齢化の為お金がない。さぁどうする増税か。と息巻いておられますが素人の私には不思議に思います。私は昭和30年代、つまり1950年代からずーっと支払ってきました。
私の世代は皆そうではなかったでしょうか?
その間には高金利の時代もあったはずだし死んでゆく人には支払わない訳ですからお金が今になって急に足りなくなったというその理由がまったく理解できません。
どうなってしまったのですか、そのお金は。
私如き浅学な者には難しい事は分かりませんが年金のせいで足し算引き算位は充分わかります。
もう何十年も前の方達は退職されて職場にはいないと思いますが資料はあるはずです。それを公表して下さい。
私は現在、後期高齢者になったばかり。
色々変化するので窓口の役人の方にもよく分かっていないようだし又変化します、と云っております。厚労大臣が、いかに逸材と云っても未だ若くして大変だろうと思います。
先代、先々代のお役人さん達に先見性がなかったんです。昔から云われる言葉に
◎人生は山あり谷ありだよ。
◎商人は良い時代には身をひきしめムダ使いをせず景気が悪くなったときは歯を食いしばって頑張るんだよ。
これは商人訓ですが国家だって同じです・
東京オリンピック後の日本の発展の目ざましさ、今から思うと夢をみていたかとさえ思います。
しかし、心ある経済人(立派な有名な人ではなく極々普通のおじさん)は「こんな時代はもう来ませんね、良すぎますよ」と私の亡夫に云っていた事が昨日の事のように何十年経っても忘れられません。
私は当時30才になったばかりの頃ですから。
「一寸これは怖いな、今は普通ではないんだな」と思ったことが今は、はっきり頭に残っています。
人に格差のあるのは当然だと思います。貧乏百姓の子せがれに生まれたような人間は教育も義務教育のみ、どうして東大卒のような、あるいは金持ちの息子と競争してゆけるはずもありません。
しかし世の中というのはそれが普通であり、その無教育の人間が不幸だとは私は思えません。幸とはいたるところにあるものです。
さて、これから本論。
どんな環境に生まれようと、どんな育ち方をしようと人間に必要な事は心と身体の健全性です。身体が健康であれば必ず生きられます。心が清らかであればこれも必ず生を全うできます。
先ず健康を考えましょう。
11月に新しく家庭医学大事典(小学館発行)
注意※小学館は小学1年生・2年生の児童の出版社ではなく日本屈指の大出版社です。
目先の事しか考えない、自分の地位ばかりを追いかけるような為政者にばかり頼っていたら幸せな生き方はできません。
この家庭医学大事典は病気になったら読むのではなく常に身辺において頁をめくってください。そして主治医を確保して相談しながら病気にならないようにする本です。
次のブログで内容は詳しく書きますのでご期待下さい。
カタログは今でもございます。
出版されるのは2008年11月18日 乞御期待。
※画面クリックで拡大表示 (別窓開きます)
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イセザキ書房
〒231-0055 神奈川県横浜市中区末吉町1-23
TEL: 045-261-3308 FAX: 045-261-3309
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