2012年3月17日土曜日

振れ合う袖

今朝のテレビで、引き取り手のない預金が
各銀行に何億単位でたまっているとか。
中には、亡くなっていない人もいるかも分からないと思う。
日本も、昔のように長男が家業を継ぎ、嫁をとり、
大家族主義中心であった頃は、
こんな事もあまり起きなかっただろうが。

しかし、現代は生まれた所で、一生を過ごす人は
何割いるのだろうか。
私は、5人の妹弟(兄弟)だけど、生まれた土地に
住みついているのは、一人。
他の四人は、熊本、香川高松、横浜、ニューヨークというよう
になっている。日本国内ばかりでなく、私のいとこ達は、
何人も外国へ渡ってしまっている。

学生時代に使っていた銀行とは、縁が無くなり、
金額が多ければよいが、いささかの金額では
手続きの手間がうんとかかるらしいので、
一寸大変なんだろうと思う。勿体なーい。

グローバル化になった世の中には、私など知らなかった
こんな事が、他にも沢山あるだろうと思う。
私は、書店という小さな店の中で、50年余
ひたすら本を観て生きて来ただけ。
知らない事が、いっぱいある。

去年の2月頃に、毎日のように通った銀行で
ある日、銀行のフロアーマネージャーのような人から
「佐藤さん、僕、3月で定年退職です。長い間、有難うございました。」
という挨拶を受けた。この方は、随分しっかりした男性で、
背も高くなかなか切れそうな人だったので、
私は、分からない事があると、先ずこの人に聞くことにしていた。
私の質問に答えられない事が無かった。
そして、より詳しくは「誰々に聞いて下さい。」と紹介してくれる。
本当に頼りになる人だったので、
私は、「あぁもったいない、こんなに仕事の出来る人でも
定年になればいなくなるのか。」と随分がっかりした。
私は翌日、お世話になったお礼の手紙を書いて持参して渡した。

3ヶ月位経った頃、「ユニホームを返しにきたんですよ。」と云って、
お菓子を持って訪ねて頂いた。そんなに近くもないにわざわざ。
「又こちらへいらしたら寄って下さいね。」と云ったら、
「もうこの辺には来る事は先ずないですね。いい職場でした。」
という返事を聞かされ、私は随分悲しかった。
もう、10年以上いたように思う。
しかし、何の関係もない人に、いくら素敵な人でも
もう再び会う事はないだろう。残念だなぁーとつくづく思った。

こういう事は、人生の中で沢山ある。
有名な人は別として、普通の人は、会っては別れ、会っては別れを
繰り返して生きているのだ。

縁あって一緒に仕事をするようになった人などは、
血肉を分けた親子兄弟よりも、密度の濃い人間関係にもなる。
人は人に助けられ、人は人を助けつつ、
人生という時間を何も事無く生きる事が一番の幸せかな
と思う年齢に到達したのかなー。
もっともっと振れ合う袖を求めて歩みたーい。


今回は、一寸変わった本を紹介いたしましょう。








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