2009年2月28日土曜日

タトル出版新刊のご案内 2月新刊

タトル出版2月号新刊のご案内です

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「Japanese For Travelers」

数日スウジツ観光カンコウ旅行リョコウから、3ヶ月間ゲツカン短期タンキ滞在タイザイまでおマカせの日本語ニホンゴ会話カイワシュウ
ホテル、レストラン、ショッピング、駅構内エキコウナイなど、様々サマザマなシチュエーションで使ツカえる便利ベンリな口語表現が満載マンサイ!病気や盗難にあったとき等のトラブル対応タイオウフレーズも充実ジュウジツしているので、安心アンシンタビをサポートします。外国ガイコクジンオソれる複雑フクザツ東京トウキョウの路線も、新幹線シンカンセンタビもなんのその、予算ヨサンベツのグルメ情報ジョウホウ、快適な宿泊場所バショなど、日本ニホン滞在タイザイ
2バイタノしめるタビのコツも伝授します。

著:Scott Rutherford
本体価格:1,400円
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「Japanese Gardens
Tranquility,Simplicity,
Harmony」

世界セカイチュウから賞賛ショウサンされる日本ニホン庭園テイエン奥深オクブカ魅力ミリョクとその技術ギジュツホカクニ庭園テイエンとの決定的ケッテイテキチガいとはナンなのか・・・ホンチョはその疑問ギモンアキらかにします。木々や花の景観をえた、静謐さと癒やしがある空間クウカンで、人々ヒトビトは瞑想や沈思に浸ります。面積の小さい庭や大きい庭、都会から田舎、伝統的なものや現代風のものまで、様々な魅力を持つ23箇所カショの日本庭園をご紹介します。

(収録シュウロク庭園テイエン: 寺院ジイン・・・池上本門寺、竜安寺リョウアンジ、高桐院など6箇所カショ 個人コジン邸宅テイタク・・・8箇所カショ 公園コウエン・・・加茂カモ花菖蒲ハナショウブエン、 ハチカンバエンなど9箇所カショ
著:Geeta K.Mehta
本体価格:3,500円
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「Origami

Butterflies」

カラフルな両面おりがみが98枚+12種類のちょうちょが折り方がわかる2冊の可愛い教本がセットになっています。

著:Michael G.LaFosse
本体価格1600円
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「Japanese Society
タテ社会の人間関係」

東京大学名誉教授・社会人類学者の中根千枝氏の代表作。日本人論の古典としてベスト&ロングセラーである「タテ社会の人間関係」の著者本人による英訳版です。
日本社会の人間関係は、個人主義・契約精神の根付いた欧米とは、大きな相違がある・・・「場」を強調し「ウチ」「ソト」を強く意識する日本的社会構造にはどのような条件が考えられるか・・・初版発行から40年経過した現代にもあてはまる、日本人の普遍的本質を語ります

著:中根千枝
本体価格:1,700円
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「The Noh Plays
of Japan」

源氏物語の訳者として有名なアーサー・ウェイリー氏による能楽解説書の決定版。名訳された台詞は美しく文学的で、独特の舞台芸術、伝統芸能の世界を読者に 伝えます。初版が1921年に発行されて以来、本著はヨーロッパやアメリカの多くの人々に能楽の魅力を伝えてきました。19の舞台の脚本に加えて
16の舞台のあらすじ、そして舞台の背景にある日本人の魂や美学を理解するための詳しい解説がされています。

著:Arthur Waley
本体価格:2,200円
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「Japanese Chess
The Game of Shogi」

囲碁に続いて今、世界から注目されているのは将棋!「敵から奪った駒を使える」というチェスにはない面白さゆえ、動画サイトで研究したりネット対局を楽しむ外国人の将棋ファンは着実に増加傾向にあります。将棋盤と駒がついているので初心者もすぐ楽しめます!

著:Trevor Leggett
本体価格2300円
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次回は3月新刊をご案内したいと思います


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イセザキ書房
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2009年2月21日土曜日

経済危機時代には本を読まねば!

かんぽの宿問題が起きて、また郵政民営化とか良かったのか?と考える事になってしまった。
日本郵政公社、初代総裁になられた生田正治氏は商船三井の会長さんだったと思う。私にも縁のある海運界の改革をやり遂げた方と覚えていた。
「小泉総理の三顧の礼」で迎えられたと聞いているが小泉さんも随分立派な人をよく探してこられたなと感心したのを覚えている。
四年間の任期中郵政公社の評価を安定させたのもこの方のおかげだと思う。たしか「四年間の準備期間が終ったら止める。そしてもっとずーっと若い人にバトンタッチしたい。大きな仕事だから是非若い人に渡したい」と云われたのも私はなるほど、さすがだと思ったものだった。
ところが、バトンタッチされたのは三井住友をのぼりつめた西川善文氏。決して若くない老人だったので私は何だか話が違うなと失望した。

かんぽの宿の問題でテレビに出ていられたのを拝見した限りにおいては随分お年を召されているなと改めて思った。そしてとてもお疲れの姿だった。
テレビというものは語らぬ心情を露骨に見せてしまう恐ろしいものである。
相当こたえておられるなと拝見した。
私達のように何の力も情報力も持たない人間はメディアの発する情報しか得られない。そのメディアが信じられない、片寄っているとなると、とても困ってしまう。
新聞も一紙だけではなく多岐にわたって新聞やテレビでばかりでなく週刊誌、月刊誌も読む必要がある。そして”本”も出来るだけ多く読まないと真実は分からない。
私は一冊の文庫を紹介したい。

高杉良/著

出版社名 徳間書店
出版年月 2009年2月
税込価格 620円
頁数・縦 295P 16cm


たかが一冊の文庫と思うなかれ。内容の豊富さには目をみはるものがある。今、世の中がどんなものか説明するまでもない事だがこの現実は一体、なぜ、どうして、どこから来たのかしっかり説明されている。竹中氏のような経済学者ではなく、作家(経済小説)という立場から他方面に立って検討されつくされているのと、文章が非常に分かり易いので私のような経済学を学んでいない者にでもしっかり頭の中に入ってくるように書いてくれている。小泉内閣の経済政策を一手に引き受けていたのが竹中平蔵氏。第三章の一文を一寸書き出してみる。「小泉・竹中コンビは日本企業社会をどう考えていたのだろうか。このコンビさえいなければ日本にはまだまだ将来性のある優良な中小企業がたくさん生き残っていただろう。世界第二位位の経済大国の中で忽然と貧困層が姿を表しニートやフリーターと呼ばれる若者達が年収100万円で生きてゆかねばならない社会は出現しなかっただろう。小泉・竹中コンビはこの若者達になぜそうしなければ生きられない国なのか説明できるのか。まさにあまりにも無責任な経済政策だった。」
私はこの文章に全く同感だ。

私はこの本を出来るだけ多くの人に読んでいただきたいので今回取り上げた訳だけど、同時に近頃、引退すると公言していた小泉氏が又、又表舞台に未練そうに出てきはじめたので心配になって来たからでもある。本人が出てこなくてもあやつり人形が出て来て後からコントロールされるのが怖い。誰に総理になってほしいと思う程の人も私は知識不足でいないけれど小泉氏だけはもう御免。
その息のかかった人も御免だ。

日本人の特質、日本企業の長所をしっかり頭に入れて国民の為に誠実に地道にやってくれる人にトップにたってほしい。
○○劇場なんて云われない人が良い。
そんな現想的な人が国会議員の中にいるかどうか私には分からない。内輪もめにあけくれ、あげあしとりにエネルギーを使ってほしくない。
国民の為にしっかりした政策の実行できる人にカジとりをやってほしい。
無党派の人が過半数もいる程、国民は現体制(与党も野党も)に愛想をつかしていると思ってほしい。

今は時期が時期だから広い意味で経済に関する読み易い本があふれている。
ぜひ読んでほしい。
そして私達国民の一人一人が知を磨いていこうではありませんか。

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2009年2月14日土曜日

がんばらないで!はり切らないで!

私は昨年11月下旬「腰部脊柱管狭窄症」の手術をして入院生活一ヶ月で退院した。
嬉しさと”やった!”という気持ちですぐに普通の生活が出来るものと思い喜び勇んで帰宅した。ところが店の中で5分と立っているのが難しく足が痛くて腰が重くて体が思うように動かない。
これはどうした事かと思いすぐに主治医に相談した。
「ご苦労様です。退院してから一ヶ月間位は何もせずに少しづつリハビリをしながら静かにしていなさい。二ヶ月位からぼつぼつ軽い仕事を出来るものだけして三ヶ月間位は通常の動きはしてはいけませんよ。はり切ってはいけませんよ。がんばらない。はり切らない。それを実行する事ですね。」と注意を受けた。
「急がないでゆっくりと養生しましょ」と云われた。
この内科の主治医は私の生活環境も知っている。私の性格も承知している間柄。

え?何という事だ。私の生活から”がんばるな” ”はり切るな”と云われたらもうガックリ。
がんばる事で希望に向って歩み、はり切って仕事するのが私の生きがいなのに。
私はあぁもう仕方がない、病気を治すために我慢しよう、我慢しよう。
がんばらない生活、はり切らない日常は私には考えられない事だけど。
がんばって、はり切って勢をつけて毎日を過ごす事で私の日常生活はうまくバランスがとれていたんだけど。
仕方ない。この際、普段あまり開いてみない雑誌を手にして眺めてみよう。先ず編集長が変った"暮らしの手帖"を開いてみる。
あっ、変化している。カラーが明るくなっている。
花森安治の香りは無くなってしまっている。
とにかく明るく輝いているのにビックリする。
それから”旅”交通公社から新潮社へ。変ってからなんとなくまとまりのない中途半端な雑誌だった。
今月号を開いてみると、ドイツ特集であった。単なる旅のガイドブックから脱皮してドイツの道具、食べ物、街の姿。すべて読んでみようと思わせる仕掛けが出来ている。(先月は香港だったらしいが。)楽しい雑誌、役に立つ雑誌に変身している。

少し縁遠くなっている雑誌の本も楽しんでみよう。一番手前にあったオレンジページを開いてみた。一頁、一頁役に立つ記事が満載。価格も安くこれはオススメ品だと嬉しかった。
”がんばるな” ”はり切るな”と云われた言葉が私の心のを少しゆるやかにしたみたい。近所の花屋へ足を運び両手に抱える程花を買って来た。
蘭ピンクと黄色。スイートピー、菜の花、ストックカーネーション、菊も一本、薔薇、グロリオサ、それから、かすみ草をバックに。早咲きの桜も3本。
亡夫の仏壇にはあふれるように花を供えた。二月の桜、何と思って見てくれただろう。ゴザを敷き足が痛くないように、テーブルと椅子を準備して花バサミを出し花器の選定。
桜は濃いブルーのガラスの花器に生花として生けてみた。枝を切るパチンというハサミの音色が久々に心にしみる。床の間にすえてみるとなかなかうつりが良い。
玄関には小さな”投入れ”にしてカーネーションと薔薇、かすみ草を一本添えてみた。花の前を椅子に座って眺めていると障子からさし込む西日がとても穏やかでくつろがせてくれた。
私は洋間だけどベランダの間の建具は線の多い障子を入れてある障子から射し込む陽がとてもやわらかで好きだから。
それからベランダへ出る、空は青く夕陽とのコントラストも最高。

21才になる孫が2才の頃、よく抱いて「電車が来たよ、見えるでしょう」「あっ行っちゃったね」と云いながら孫の頬に顔をくっつけて眺めたものだけど現在、周囲はビルだらけになり私のビルの4階からは桜も電車も見えなくなってしまった。
そして孫は大人に成長し私は75才のおばあちゃんになってしまった。

でも空だけは昔のまま変らない。
がんばらないで、はり切らないで生きるという事は本当に難しいなぁー・・・とつくづく思う。


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2009年2月7日土曜日

「父の戦地」を読んで

父の戦地と言葉も今、何才位から上の人に通じるだろうか。
著者は私の下の妹と同年代で私の家では私を頭に四人の妹と弟があって一番下の弟は父が召集令を受け出征する時は0才だった。
その弟も60才の定年時代を過ぎている事を考えると50才以下の人にはピンと来ない言葉かも分からない。著者の父上はビルマ(現ミャンマー)。私の父はフィリピンルソン島と場所は異なる。
しかし戦地で父を死なせた息子や娘は日本全国に数えきれない程居たはずである。
戦地への手紙やハガキを出しても100%届く保障はなかった。又、父から妻や子供、家族達に出した便りも全部は届いていなかった。

”灯りつけ 戦う父に家のこと
心配するなと 便りしたたむ”


灯火管制下で電灯の周りに黒い布のおおいがかけてあるのとそっとよけて一生懸命私は父に便りを送った。
著者、北原亞以子さんのお父さんは絵を描いて送っていたらしくその絵から色々家族の者は想像したらしいがそうでもしなくては我が父がどこに居るか全く分からなかった。
この本の嬉しい所、それが又悲しい所でもあるのだが”絵”が物語っているのがとてもユニークである。
著者は父上が出征する時の事はよく覚えて無いようだが私の経験から考えて当然だと思う。私の下の妹、今丁度70才だけどきっとそんな感じであったように思う。
私の父は絵は書いてこなかったけど周囲の景色とか気候の様子をよく書いてきた。
所在は書けないので察っしてくれと云う事だったと思う。
子供達には字のお手本のように分かり易い読み易い字で「お母さんの云う事をよく聞いて、おじいさんとおばあさんを大切にしてあげてください。しっかり勉強して下さい」と書いてあった。
又、祖父母に対するハガキには「H子と仲良くして下さい。それが一番気がかりですから」と必ず書いてあった。自分の妻は父母にとっては嫁である。嫁姑が仲良くしてくれと心からの願いであったと思う。
”戦争が終ったら皆で一緒に旅行に行こう”と書いてあったハガキは一年位かかって届いた。
この文章が検閲に引っかかったのだと思う。
「父の戦地」この本の一番の特徴は”絵”である。
絵の上手な人であったと察するがそこに一緒に写っている「軍事郵便」と書いてある写真を見ると私はほろほろと涙がわいてくる。

この著者は東京っ子。私は四国瀬戸内の海辺の子。住んだ所の違いはあるけれど父から子へ、そして子から父への唯一の愛のより所であった戦地への手紙の往復の心情は全く同じだったと思う。
第13回の中に

『だが戦争は賑やかだった私の家から父を取り上げてしまった。父があの世へ旅立ったのは病におかされたからではない。まして死にたいという意思があったからではなかった。父はもっと生きたかった筈なのである。”死んで国を守れ”と云われてもこの世に未練も執着もあったのである』

この文章は私の心情と全く同じである。難しい理論は分からない。ただ戦争というものは極く一部の人間の利害を考えて始まり犠牲者は多くは名もない庶民ばかりである。血を流す戦争は”悪”以外の何物でもない。

「父の戦地」
北原亞衣子/著
新潮社
1400円+税


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