2012年10月6日土曜日

土地は大切。しかし、それがすべてではない。

私は、20才代前半に夫と共に
誰の指導も受けず商売をスタートさせた。
その時は、日本国も上り坂。
やがて世界第2位の経済大国になる
直前の事であった。

又、夫は、次から次へとアイデアを
生み出す人だったので、何でも出来るという
自信とまで云えなくとも、やらねばならないという
意志の強い人で、ブレーキになるのは
10才年上の長兄一人であった。

しかも、生まれ育った土地でなく、
全く未知の横浜という場所で
仕事をはじめるには、不足する事が
非常に大きかった。
そういう向う見ずというか、恐れを知らぬ年代で
次から次へアイデアを具現化するのに
全く躊躇する人ではなかった。

業界の中に性格的に非常に合う人がいた。
一晩中話し込んでもまだ足りないという位、
次から次へと新しい考えを、まるで喜んで
子供が遊んでいるような姿であった。

50才代で病気になるとは思ってなかっただろうし、
30才代の頃は、未だ何度でも取り返しがつくと
考えていた。
そして、いつも今は大きな目的のための
仮の人生だ位に思っていたようだ。

私とすれば、自分の住居くらいの土地は
欲しかった。 特に、瀬戸内海の穏やかな海辺で
生まれ育った私の実家は、ここも,あそこも
こっちもあっちも自分の土地であるような
所だったので 。

東京の伯父の姑に力になってもらって、
いまの土地を借用した。
伊勢佐木町通りの店は、
戦後すぐ建ったバラックが並んでいたような
時代だったので、仕事が大きくなるにつれて
従業員も増えてくるし、どうしても店から
雨が降っても 走って帰れる位の場所で
土地を探した。
主人は、親からの資産を当てにして
金はあるのだからと思い、買いたかったらしい。
しかし、この一帯は、二人の大地主の
息のかかった土地ばかり。
聞けば借地というのも香川県で考えるのとは
大違い。ほとんどの人が借地店舗だった。
借地というのは、普通の事だと分かったけど、
それでも自分の土地が欲しかった。
又、当時のイセザキ書房の成績は、
その位の上り坂の時だった。

今、55年経ってみて、土地はすべての
基本になっているなと思わされる事に
度々出会う。
もう今更、私一人になって土地を買おうという
必全盛はなくなったけど。
香川県の土地とは比較すべきではないが、
自分の土地が一坪もないというのは
何かあると心を痛める。
駐車場の空きを気違いのように
歩いて歩いて探している自分の姿が
とても虚しかった。駐車場もほとんど
コインパーキングになってしまった。
あの方が、儲けがよいらしいが。
車一台の置き場所の事でオタオタする
自分自身を笑ってやりたい。










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