2013年4月13日土曜日

私が20年若かったらやりたかった

 先日来、日経新聞に《日本で一番安全な県》として
四国の全国一小さい香川県が大きく掲載されていた。
何を隠そう、私は香川県産の人間です。
生まれてから21年間、香川県さぬき市津田という
海辺の町で新鮮な魚を食べて育ちました。

記事によれば、国家の重要書、
また、大企業の重要な物を香川県の高松市
(県庁所在地)へ移しているそうです。
先月、所用があってたった二晩、
実家に泊って来ましたが、
数えてみれば、私が実家へ行ったのは
もう12年前。
私は、結婚して60年近く経ちますが、6回位。
それも、飛行機で飛んで行き、用事を済ませ
翌日帰るという早業ばかりだった。

外国じゃあるまいし、いくらでも行けるのですが、
店を空けるのはダメと云われて、
20年前まで、亡き夫が生きていた時に
私が実家へ出向くというのはほとんどなかった。

父が召集兵に33才でとられたまま、
フィリピンでの負け戦で、昭和20年6月に戦病死
(野たれ死にだと思う) したので、
母は、5人の子供を抱え、アップアップしながら
生きてきた。
たまたま祖父母が未だ60~70代くらい。
特に私は長女として生まれた初孫だったので、
とてもとてもかわいがられた。

下に妹、弟が生まれてきてからも
私は祖父母の横で夜は眠る事になった。
毎晩、昔話をたくさん話してくれた。
山賊の話なんていうのは、
本にもないので、多分経験した人が
中山道を通った時の話だと思うが、
本当に怖かった。
宿へ泊まると、何か様子がおかしいので
何も食べず、全部窓際の川へ捨ててしまい
食べ終わったふりをして、荷物を頭に
全部くくりつけ川を越えて夜中に逃げ出す
という話。
何度聞いたか分からないけれど、
祖母の話は恐怖心と好奇心が
上手く混っていて、私はいつも
「山賊の話をして」と云って、
それを聞きながら眠ったのものだ。

又、私のおしりに吹き出物が出来て、
塗り薬を付けても何日も治らず、
太陽灯にかけたらよいと云って
高松の病院へ何度も私を連れて行ってくれた。
そのうちに医師が
「レントゲンの方がよいと思う。」と云って
レントゲンを撮るために病院へ行ったのに
その部屋へ入るや否や、
私がその物々しい風景に恐れをなして
「イヤーダ。レントゲンはかけない。」と云って
部屋に入らなかった。

ものすごくお金を大切にする祖母だったので、
津田から高松まで汽車に乗って
わざわざ連れて来たのに、
私がどうしても恐れをなして入らなかった事を
今、80才前にしたこの年令になっても
私は覚えている。
ケチな祖母なのに、私の意に従い
太陽灯だけかけて、汽車に乗って帰って来た。

「智子は利口な子だよ。」 と
私の母に祖母は何度云った事か。
その祖母が亡くなった時も、祖父が亡くなった時も
亡き夫が葬式に「行くな必用ない。」と云って
行かせてもらえなかった。

とても悲しかったけど、私の亡き夫の仕打ちは
度を超えているので、私は泣く泣く、祖母の時も
祖父の時も行かなかった。
今でもそれが心に残って、せめてものと思い
毎朝、仏壇にお茶をあげる時私の横へ台を作り
「おじいさん・おばあさん、ありがとうごめんなさいね」
と声を出して云いながら一番上等の対のお茶碗に
お茶をあげる事にした。

そしてこの度、実家へ行ってみると
弟嫁がきちんとした生活をしながら、
101才の私の母の世話もして、実にけなげに
生きている。
町の様子はまるで変わり、お墓も60年振りに参って
あまり美しくなっているのでびっくり。
町は前回同様、すたれていた。

しかし、津田には根上がり松があり、
松の素晴らしい林がある。
そして、夏は浅瀬の海だから海水浴場として賑わう。
でも、夏だけ。
後はひっそりと松林だけが素晴らしい姿で
広く大きく美しく立派な景観を観せてくれる。

私が子どもの時、2軒あった旅館も売りに出ているが
買い手がないそうだ。
私は、海を観ながら松林を歩き、
私がもう20年若かったらこの美しい景観を
西の観光地として経営したいと思った。
しかし、もう遅い。
残念な思いを残しつつ、今もし出来たら四季を通じて
人を呼べるような観光地にしたいと
強く強く思っている。

いずれ、津田の写真をブログに載せたいと
思います。



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