2009年2月21日土曜日

経済危機時代には本を読まねば!

かんぽの宿問題が起きて、また郵政民営化とか良かったのか?と考える事になってしまった。
日本郵政公社、初代総裁になられた生田正治氏は商船三井の会長さんだったと思う。私にも縁のある海運界の改革をやり遂げた方と覚えていた。
「小泉総理の三顧の礼」で迎えられたと聞いているが小泉さんも随分立派な人をよく探してこられたなと感心したのを覚えている。
四年間の任期中郵政公社の評価を安定させたのもこの方のおかげだと思う。たしか「四年間の準備期間が終ったら止める。そしてもっとずーっと若い人にバトンタッチしたい。大きな仕事だから是非若い人に渡したい」と云われたのも私はなるほど、さすがだと思ったものだった。
ところが、バトンタッチされたのは三井住友をのぼりつめた西川善文氏。決して若くない老人だったので私は何だか話が違うなと失望した。

かんぽの宿の問題でテレビに出ていられたのを拝見した限りにおいては随分お年を召されているなと改めて思った。そしてとてもお疲れの姿だった。
テレビというものは語らぬ心情を露骨に見せてしまう恐ろしいものである。
相当こたえておられるなと拝見した。
私達のように何の力も情報力も持たない人間はメディアの発する情報しか得られない。そのメディアが信じられない、片寄っているとなると、とても困ってしまう。
新聞も一紙だけではなく多岐にわたって新聞やテレビでばかりでなく週刊誌、月刊誌も読む必要がある。そして”本”も出来るだけ多く読まないと真実は分からない。
私は一冊の文庫を紹介したい。

高杉良/著

出版社名 徳間書店
出版年月 2009年2月
税込価格 620円
頁数・縦 295P 16cm


たかが一冊の文庫と思うなかれ。内容の豊富さには目をみはるものがある。今、世の中がどんなものか説明するまでもない事だがこの現実は一体、なぜ、どうして、どこから来たのかしっかり説明されている。竹中氏のような経済学者ではなく、作家(経済小説)という立場から他方面に立って検討されつくされているのと、文章が非常に分かり易いので私のような経済学を学んでいない者にでもしっかり頭の中に入ってくるように書いてくれている。小泉内閣の経済政策を一手に引き受けていたのが竹中平蔵氏。第三章の一文を一寸書き出してみる。「小泉・竹中コンビは日本企業社会をどう考えていたのだろうか。このコンビさえいなければ日本にはまだまだ将来性のある優良な中小企業がたくさん生き残っていただろう。世界第二位位の経済大国の中で忽然と貧困層が姿を表しニートやフリーターと呼ばれる若者達が年収100万円で生きてゆかねばならない社会は出現しなかっただろう。小泉・竹中コンビはこの若者達になぜそうしなければ生きられない国なのか説明できるのか。まさにあまりにも無責任な経済政策だった。」
私はこの文章に全く同感だ。

私はこの本を出来るだけ多くの人に読んでいただきたいので今回取り上げた訳だけど、同時に近頃、引退すると公言していた小泉氏が又、又表舞台に未練そうに出てきはじめたので心配になって来たからでもある。本人が出てこなくてもあやつり人形が出て来て後からコントロールされるのが怖い。誰に総理になってほしいと思う程の人も私は知識不足でいないけれど小泉氏だけはもう御免。
その息のかかった人も御免だ。

日本人の特質、日本企業の長所をしっかり頭に入れて国民の為に誠実に地道にやってくれる人にトップにたってほしい。
○○劇場なんて云われない人が良い。
そんな現想的な人が国会議員の中にいるかどうか私には分からない。内輪もめにあけくれ、あげあしとりにエネルギーを使ってほしくない。
国民の為にしっかりした政策の実行できる人にカジとりをやってほしい。
無党派の人が過半数もいる程、国民は現体制(与党も野党も)に愛想をつかしていると思ってほしい。

今は時期が時期だから広い意味で経済に関する読み易い本があふれている。
ぜひ読んでほしい。
そして私達国民の一人一人が知を磨いていこうではありませんか。

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