2009年7月11日土曜日

我慢の心を養おう

テレビを見ていると人を殺した犯人に対して「なぜ、やったのか?」と問うと「誰でも良かった、ムシャクシャして誰かを殺したかった」という返事が返ってくる。泥棒した人に「なぜ、やったのか?」と聞くと「遊ぶ金が欲しかったので」と返事する。
又 時々、乳幼児を車の中においたまま母親がパチンコをする、買い物に夢中になる、その間に閉めきった車の中で子供が亡くなっていたという話も聞く。

半世紀前、私が本屋を開業した時に問屋さんから「本屋は万引が多いから気をつけて下さい」と教えられた。
たしかに万引は色々なケースで出会った。
でも、その頃は「この本が欲しい・・・だけどお金が無い、誰も見ていないから持って行こう」というような本当に、その品物が欲しくて万引するケースがほとんどだったと思う。
50余年経った今は違う。
この本を万引して古本屋に売り、その金を遊び代に使う・・・・というケースが多くなった。
遊ぶ金という言葉。これは何だろう。
金が無くては遊べないのだろうか。
そんな世の中になったのだろうか。

こうして書いてみると大人も子供もみんな、金を得るためなら、何でもする時代になってしまった。
スーパー、コンビニ、その他が日本中をくまなくおおい田舎だから都会だからという境目も無くなった。生活は便利になったと皆思っている。
例えば、物価が下がると「助かるわ、安く買えて」と主婦は喜ぶ。
そんな時、私はすぐ思う。安く売るために生産者がどんなに苦労している事か。それだけ利益は薄くなっているのに・・・・・・と。

寒い時期には暖房が入り暑い時期にはクーラーはつけてある。扇風機をかけて仕事をしていた時に書類が散らばって困った時を思い出す。
それよりも、その扇風機すら無い時にはタオルを水で絞って背中や首にまいたりして又、庭に打ち水をしたりして暑さを凌いだ日が懐かしい。

人間は皆それなりの知恵を持っているので、その知恵をプラスに使ってゆけば思いかけず素晴らしい発見をする。
マイナスに使ってしまえば必ず犯罪に走る。オレオレ詐欺(今はもっと進化しているが)をする程の知恵をプラスに使えばいい仕事が出来るのに・・・と私はいつも思っている。
ムシャクシャしたからと云って衝動的に何も考えずに殺人に走る。そこで一分考えてみてほしい。
万引は犯罪なんだと思い返してほしい。
若いお母さんも子育て時代は忙しくて、とても大変だと思うけど、そんな時代はせいぜい4~5年だけ。子供はどんどん大きくなってお母さんのヘルパーにすぐなるものです。
長い人生の中の、そのほんの一瞬みたいな時間の間は子育てと生活本来の仕事に集中してほしい。子育ては片手間や遊び仕事ではなく、人間の一生の中で親にとっても、とても貴重なかけがえのない時間である事を忘れないでほしい。

我慢した時代が懐かしい日が必ず訪れます。

お子さんは親を見ています。
家庭の躾はきっちりやらなければ後で後悔しても取り返しがつきません。

学校教育も大きなウェイトを占めているので文化省にもしっかりお願いしたいと思う。
そして最後に、もっと大きな教育の場には読書です。
本好きな人、本を読んでる人には私が書いてきたような事は先ず起こりません。
本好きな人間に育ってほしい。それが私のライフワーク。
その為に子供の時の読書への誘いはとても大切です。

イセザキ書房では紙芝居からスタートさせました。
紙芝居→絵本→児童書→そして本好き人間が育ってほしい。これが私の残る人生のすべてです。一人でも多くの本を読んでほしい、これが私の誓いのすべてです。
人間はうんと腹に力を入れて我慢するという事をやればやる程、その人の厚み、深さ、頼もしさが生まれてくるものです。
我慢するという事は苦しいものではなく喜びに繋がる快適なものだと私は考えております。


来る8月27日(木)深夜 日本テレビで
「ギフトそれは贈り手を映し出す鏡
あなたなら今の世の中、何を贈りますか」
日本テレビHP

イセザキ書房が、この番組で放送されます。
深夜ですが、観ていただければ光栄です。



赤い梯子が特徴の本屋です。



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イセザキ書房
〒231-0055 神奈川県横浜市中区末吉町1-23
TEL: 045-261-3308 FAX: 045-261-3309
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