2010年4月17日土曜日

横浜を東アジアのハブ港にするべきだ



「かながわの記憶」 
報道写真でたどる戦後史
神奈川新聞社 
創業120周年記念
神奈川新聞編集局/編・著


出版社名 神奈川新聞社
税込価格 2,625円
(上の画像お借りしました)



私は専門家ではないけれど横浜港が良好な港である事は歴史が示している。
又、本の配達を自転車でやってみると、やたら坂道が多くて大変だった事も横浜の地形は港に適した場所だったんだと推測できた。

私は昭和30年頃より横浜の住民になった。
当時は、万国橋埠頭(センターピアー)と大桟橋(サウスピア)それからノースピア(米軍が専用で使っていた)。
やがて山下埠頭が出来、広いなぁと思っていたが更に本牧埠頭、大黒埠頭、日産埠頭と次々に埠頭が出来て行った。
それまでは沖泊りという船があって、サンパンという小船で本船の下まで行き荷物を納品しなければならなくて、いくら若かったとは云え女の私には怖くて出来なかった。

サンパンの配達という大仕事であったのが、岸壁が次々出来て本船のすぐ側に車をつけられ、デッキまで上がっていく梯子(鉄の時も網梯子の時もあった)を登る作業だけになった。昭和30年代は横浜の頂点であった。
それから、半世紀いつのまにか徐々に徐々に着岸する船が減ってしまった。

毎年元旦、年が明けると同時に入港船からボーボーと汽笛が響いてくるのを私は55年間毎年必ず聞いた。それを聞くと「あぁ、新しい年になった」と気持ちがシャンとした。
ところが今年は24時を過ぎても聞こえてこない。
耳をすませてベランダからのけぞって聞こうとしたけど、聞こえなかった。
多分、入港船がほとんどいなかったのだとうと思う。

ここ2~3年入港船がぐんと減り岸壁は空きが多くなっている。
なぜだろう?
前から云われていた事だけど日本の港の係船料が高いと云う事らしい。
私は詳しい数字は分からないが。
そして今、日本船の乗組員は乗船交替の時はほとんど シンガポールまで飛行機で往復しているように見受けられる。又、荷物も釜山、中国の上海・香港あたりまで飛行機で送っているようだ。

日本は島国です。
資源はほとんど無し。
食料すら諸々の事情で輸入に頼っている。
いずれにしても、船で運ばれてくる物で日本人は生きていると云っても云いすぎではない。
なのになぜ直接、横浜・東京・神戸という良港があるにも関わらず他国の港に頼るのだろうか。
中国は景気のよさで荷動きはたしかにきは大きいと思うが、アメリカやヨーロッパに向かう船は日本の港から出航するのが一番合理的、設備も充分(と云えるかどうか私には分からないが)にあるにもかかわらず横浜・東京へ寄船する船は少なくなった

横浜は港町として栄え、港町として生きて来たはず。
その横浜から港や造船所を取ってしまったら何の価値もないとは云わないが、日本中どこにでもある街となんら変わらない。

それでは困る。
事業もそうだけど、街も特徴のない街はすたれて行く。
景気をよくする。日本の収支を健全にするという意味で事業が頑張るのは当然だけど頑張れるような政策を考えるのが国や県や市の仕事だろうと思う。
たしかに リーダーは大変だと思う。
しかしリーダーとしての社会的地位もそれなりにあると私は思っている。その点で何の理由か(ほぼ分かるけど)任期途中で市長をやめた中田氏には本当にガッカリを通り越して腹が立つ。 
横浜がケイ船コストが高いのならコストダウンして出来るだけ多くの船に立ち寄ってもらえるように考えるのが役所の仕事ではないんですか。

みなとみらい とみんな期待しているようだけど私はあそこは日産自動車の工場地になってしまうと思う。
街にはならないと思う。
街とは立派な店が沢山並んでも道路を奇麗にしても更に交通機関を引き込んでも本当の街は出来ません。

街とは買い物だけする所ではありません。

街とは美味しいものや食べ物を食べるだけの場所では足りません。

街とは人間のあたゆる慾望を満喫させなければ本当の魅力は出て来ないようになっています。

だから難しいんです。
どんなに素晴らしいデザイナーが、プランナーが頭で考えてもそれでは造りものしか出来ません。
造りものでは人間の満足は得れません。

例えば50年前の伊勢佐木町のように港に船が入り船からあがったら夕方を待って街に繰り出し、飲んで踊って、きちんと規律のある設備のある女性と楽しんで、初めて陸上(オカ)にあがった、日本へ帰ったという満足が得られたのです。
それは次の航海へのエネルギーの源泉になったのです。

家族もよく面会に来ていました。
妻に会う、子供に会う、何カ月ぶりかの顔を見てこれが又、次のエネルギー源になったのです。
横浜の港は優秀です。
せひぜひぜひ横浜の港を東アジアのハブ港に戻してほしいと私は切に切に思っています。

横浜から港をとったら皆無、何もありません。
港が「横浜」「YOKOHAMA」 ヨコハマ なんです。
東京のベットタウンにしないで下さい。

横浜市はウオーターフロントに投資すべきです。
他県ではしようにも出来ないこの海という港という財産をよく分かっていない人はリーダーの資格なしと私は思っています。

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今週のおすすめ













「横浜開港時代の人々」
紀田順一郎/著

出版社名 神奈川新聞社
税込価格 1,680円














「聞き書き横浜物語 
Yokohama story 
1945-1965」
松葉好市/語り 小田豊二/聞き書き

出版社名 ホーム社
税込価格 1,890円













「ヨコハマ伊勢佐木町復活への道
老舗商店街を甦らせる!」
山田泰造/著

出版社名 日本経済新聞出版社
税込価格 1,680円

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