2012年1月21日土曜日

男と女

女性が男性にネクタイをプレゼントしようと思うと、
選ぶのに大変苦労する。
気に入ってもらえるかどうか探しても探しても難しい。
デパート等では担当者に年令を教えて
アドバイスしていただくしかない。
これは男・女のセンスの差が大きいので難しいのだ。

男と女と一口に言っても、これほど異なるものはない。
どんなに頭の冴えた素晴らしい女性でも
男性を理解する事は不可能だと思う。

結婚して子供をつくり、そして育ててゆくのは
夫婦として出来る事であって、
男性と女性の共同作業ではない。

私自身は36年間亡夫を教師として生きて来たので、
苦しくても悲しくても「ここは耐えねばならない」と言い聞かせ、
時間をおいて私自身の考えを
文章に書いて読んでもらうことにしていた。
夫婦喧嘩などではなく教師に叱られる生徒であった。

私は独りになってから男性と女性の
異なる事がよく理解できるようになった。
70年間も人間をやっていると様々な姿に出逢い
その一つ一つが理解できるようになった。
どんなに好きな女性に出逢っても
男性は大部分巣にもどってくる。

横浜は港町、入港した船から上陸する
乗組員の目的は、
先ず第一に女性に会う事であるはず。
何カ月も海また海の中で生活してきたのだから。

江戸の吉原、京都の島原というように、
大都市には立派な遊郭があった。
横浜にも昭和三十二年まで、
真金町、永楽町という場所があった。
立派な日本建築であった。
時の有名な市川房枝などが中心に(アメリカからもいわれ)、
男女同権の時代に遊郭は廃止すべきだということになり、
全国の遊郭は全部なくなった。

だからといって男性らしさが無くなる訳ではない。
男はあくまで男。

私はイセザキ書房を開店して、
二年間は遊郭にも雑誌を配達していたので、
様子は今でも忘れられない。
20歳そこそこの私には異様な風景に思えたけど、
70歳過ぎた今、何故公娼制度を廃止したのか
分からない面が多い。
男女同権、その通り。
しかし、男性は男性、女性は女性、これは異質である。

近頃の女性は天から降って来たような
自由主義を利用して、随分強くなった。
自由の裏に責任がある事など考えもしないで、
忍耐する とか 努力する ことを忘れてしまっている。

公娼の遊郭は表面無くなったが、
その代わりをする場所が次々に出来た。
それをまた押えて無くしてしまったが、
名前を変えて、形を変えて、
同様の事があっちでもこっちでも起こっている。
この世に男性と女性のある限り、
どんな権力で抑えてもなくなるものではない。
公娼の時よりも非衛生的で殺伐となった。

今、私の住んでいる周囲では、
あまり大きくないビルが次々できた。
そのビルの中に、マッサージ屋が必ず入っている。
「新人が入りましたので期待して下さい」
などという吊看板を提げている。
本当にマッサージをしたい人は新人は困る。
下手だから。

そんな景色をみていると、
ここまで進んできたかと思ってしまう。

男性と女性は根本的に異なる人間。
それを忘れてはならないと思いつつ、筆を置く。


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