2009年8月1日土曜日

ただほど高いものはない

先月、温泉へ行き露天風呂に入った時、体をのばし空を見上げていると、ずーっと昔いつだったか、こんな体験があったような気がしてきた。
未だ小学校にもあがってなかった頃だったように思う。
70年以上も前に露天風呂に入ったはずもないけれど空を見上げているとだんだん思い出してきた。そうだった。私の実家で盥(たらい)にお湯をいっぱい張って妹と一緒に行水をした時の事だった。
小さな家庭風呂より空を見上げながら湯につかる事の気持ちよさは子供心にもあったようだ。
祖父が建てた家は私の年令よりも2~3年上なのに未だにびくともしない日本建築であった。
庭のまわりにはざくろ夏みかんびわいちぢくの木があってそれが実る頃ちぎって食べるのが嬉しかった。
竹もあった、松も見事なものがあった。さざん花、万年青もあり楓もあった。
四季折り折りに変化する様を祖父は楽しんでいたようだ。
そんな事を考えている時に「森林の崩壊」を見つけ読んでみた。

森林の崩壊 国土をめぐる負の連鎖
白井裕子/著

出版社名 新潮社
税込価格 714円

「森と木の文化が危い・・・・・・・・・・」

木材は国産材を使わず輸入材に頼ってきた。
森林の荒廃、林業の衰退、国産木材を活用する地場産業の解体・・・・・産業文化の伝統も継承の危機に立たされています。
と著者は云っている。
私の祖父の時代は、森や木に対する柔かな感受性を育み、それを基にして豊かな産業文化を築いてきた時代であった。

しかし今はすべて経済第一主義、合理性が第一。
これでは人の心は荒みます。
選挙を前にして各政党はマニフェストを出してきたが私は全部がっかりです。
何々に金を出す、何々を無料にする。
そんなお金どこにあるのでしょう。

森材の荒廃は海の危機に繋がります。
住んでいる大地が壊れそうになっている時に誰か、どこのかの政党がもっと根本的な人間の幸に繋がる話を出してくれないものだろうか。
無料、無料と叫ぶけれど私は知っている。
タダホドタカイモノハナイと云う事を。

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