2009年8月22日土曜日

山のかなたの夢に向って

先月テレビの中で定額給付金によって潤ったかという質問をやっていた。効果は今一という感じだった。最後にネットを代表して楽天の三木谷氏に聞いたら「あまり効果は感じられなかった」と即答。「それはそうと三木谷さんは頂きましたか?」聞かれた。暫く沈黙。「えーどうしたかな?はっきり覚えてないけど、貰わなかったかな?」と答えた。
そう三木谷氏にとって15000円なんて私の1円位かな、忘れるのは当然ね。と思うのも同時に政府はなんて無駄な事をするのだろう。
本当に困っている人、喜んでくれる人を探すのは難しいのだから、こんな大雑把なやり方はやめた方がよいと私は思った。
○○に金を出す、○○に金を出す、そんな話ばかり。
そんなお金どこにあるのでしょうね。
高速料金一律¥1000という事で大勢の人が車を走らせたけど誰が喜んだのだろう。そして、どんな経済効果があったのだろうか。
もしこれをすべて無料にしたら、どんな結果が出てくるのだろうか。私は専門ではないからよく分からない。でも、素人なりに考えれば通常の物流の為のトラックとか商業車こそ高速代は下げるべきではないかと私は思う。その方が経済効果は大きいのではないだろうか。
又、CO2を撒き散らすより列車というものもありフェリーという手段もある。
分散させた方が動く方も楽だろう、そして地球環境の為にも良いのではないだろうかと私は思った。

私はもう50年以上本屋一筋で生きて来たので他の事はよく知らない。しかし本屋の事なら(特に零細本屋の事なら)知りつくしている。
出版社さん、問屋さん、その他業界の方々と会う事は多いけど、皆私の息子や娘世代。
もうすぐ孫世代を相手にする事になりそう。
そんな若い息吹きを吹き込まれながらお話をさせて頂けるのを私は、とても幸だと思ってる。
よく出る言葉の中に(中小企業)という単語があります。そして中小企業は困ってるとか・・・・云々という言葉になるのだが、皆さん御存知かどうか分からないけど、その下に(零細企業)というグループがあります。書店はとても失礼だけど大部分この中に入っています。大書店と云っても大企業とは程遠い規模だと思う。
先月来店したお客様同士で話しているのを聞くともなく聞いていたら「近くの本屋が2軒もやめてしまって代わりに出来たのが大きな本屋でね本一冊買おうと思って入ったらエレベーターで上まで行かされたんだよ。背広買うわけじゃないし、エレベーターに乗るくらいなら自転車でここに来たほうが早いんだよ」と。そう、本という商品は全くその通り。かまえて買う商品ではありませんよね。
だから私は100坪前後の書店が誰でもいつでもふらりと入って行けるようにほどよく点在してるのが理想である。

でも時代はそれを許しません。たしか大店立地法が出来、様々な規制がどんどん緩和されて行った頃から商店街の小さな店は立ちゆかなくなって来て通称シャッター通りになってしまったのです。
個店は生き延びれなくなったのです。
ひとつ、又ひとつと消え去ってゆきました。
時の流れ、世界の競争に勝つために・・・・。
本当にそうだったのかどうか私は分かりません。

アメリカのような広い国と違い日本は小さな小さな島国です。
商店街は庶民の生活に密着した素晴らしい生きる為の知恵から自然発生的に昔から出来たものだと思います。それが壊されてしまいました。
壊したのは誰なんでしょう。
私が書かなくても読んで頂く方は御存知だと思います。

零細企業について更に云えばアルバイト、パートタイマーの時給の問題です。こんな事は政府が決めなくても時の相場というものが充分機能いたします。
水は低きに流れる。給料は高い方へなびきます。今こそ人が余ってるので零細企業でも求人できますが、その景気の良かった時代には人が採れなくて困った時もありました。

アルバイトが止めたので閉店を早くしたとか人が来なくて店を続けられないと嘆いた時代もそう遠い昔ではありません。世の中は山あり谷ありです。遠くを見ましょう。近視眼的に反応するのは止めましょう。
時給¥1000とか云ってる党首に申し上げたい。支払う方は大企業ばかりではありません。私のような零細企業の経営者も支払う側に立たされています。
ちなみに私の時給は¥500にもなりません。詳しく計算すれば多分¥300位でしょう。貴女の時給と比較しろというのは無理ですね。
でも私はヘコタレマセン。
私には夢があります。その夢の実現の為なら、どんな事でも出来ると思います。
ハイ、私の夢は本読み人を一人でも多く育てる事です。

私の残りの時間は短くなってきました。
でも、その残りは時間を目一杯、私の夢のために私は生きてまいります。
体力も減り、だんだん力も弱まって来たと思うけど残されている機能を動ける機能を使って夢に向ってまいります。

その第一歩が紙芝居でした。
子供の時から本になじんだ人間は一生、本好きになり大きな幸を必ず得られます。
小さな目先の事ばかり追っかけないで人生の目的を持って生きて生きたいと思います。
人口が減ったって優秀な人材が育っていれば心配する事ありません。

国として一流国になるよりも、そこに住む人間が一流人になる事が大切だと私は思って一日一日生きてまいります。残り少なくなりつつある時間を大切にいとおしみながら・・・・・・。



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