2011年3月3日木曜日

私はいつでも、どこででも、所かまわず、本を読む

一寸、銀行へ出向く時にもバックの中へ先ず文庫本一冊入れる。
銀行は昔と違い椅子に座って待つ事は滅多にない。
ATMに並んで待つ。
そのATMの前に並んでる時も本を開く。
栞を入れてあるのでパッと開き、読み始める。
読みながら列の流れの動きにも気配りしながら。
次が私の順番になったら本はバックに入れる。
本のストーリーをパッと離れ、本日の用件を頭の中で再確認し機械の前に立つ。
そこで深呼吸してバックの中から必要な道具を出し用件をすませる。
すぐ動かず頭の中で忘れた事はないか確認する。
これは頭の中だけでは不安なので胸に手を当てて5本の指を一本づつ折って確認する。
そして機械の前を「ヨッシャOK」と小声で囁いて離れる事にしている。


郵便局(と呼んではいけないかな?)は一寸した用件で椅子に座って割合長く待つ事が多い。
私はちっとも苦にならない。
本が読める。
近くの局ではテレビを付けているが私はテレビの方へは身体を向けない。
本があるから。

私は並んで何々をするというのは大嫌いで、並ばねばならないのは銀行くらい。
並んでまで買わねばならないような物は今は何も無い。
私の店のレジの前にお客さんが並んでくれるのは大好きだけど、でも私は出来るかぎり待たせない事を店の従業員にもくどい程云っている。

電車に乗るために駅のホームで待つ事はあるが、落ち着いて本が開ける。
嬉しい。
電車の中でも立っている時でも本を開いていたが最近は郊外へ出た時は本を開かず沿線の景色を見る事にした。
新しい家、同じスタイルの家が並んでいる所は発展しそうな気がするので窓から外を観る。
日常生活が緑の少ない場所に住んでいるので目の為にも私の心の為にも山や海を眺める事を優先している。。地下鉄に乗った時はひたすら本を読む、最近は年令のせいか、若い人達が席を譲ってくれる。
余程の事がないかぎり、
私は照れる事なく「ありがとうございます」と云ってすわらせていただき、別れる時に『ありがとうございました』とお礼を云う事にしている。

仕事中は余程の事が無い限り 本 を読む時間はない。

閉店して家に帰れば神仏のお祈りをすませ顔を洗ってゆっくりとトイレに入る。
私のトイレは全面の壁が本棚になっている。
その上の棚は花器類を納めている。
間取りの具合で私の家のトイレは普通よりずっと広い。
私の絶対手放さない本とか古い雑誌が並べられている。
想像するとおかしいでしょうね。
弟がはじめて来た時「びっくりしたよ、トイレ間違えたかと思ったよ」と云った位、本の空間になってしまった。トイレで腰かけて難しい本を読むというのも良いですよ。
例えば私が定期購読している「日経ビジネス」は郵便から届くと封を切ってトイレの机の上に乗せておく。
私のトイレは昔から長かったけれど今は本を読みながらなので、一時間近く座ってる時がある。
でも本当によく頭に入るから不思議です。御心配なさらないで下さい。
売る本は持ち込みません。
私が店から買ったものと直送のものだけです。

もうひとつ楽しい読書室があります。

ふろ場
フタを半分開いて、その上に ビニールを広くのせ、ブックどめで とめて読み始めます。
でも これは3-4ページぐらいしか読めません。でも 私にはとても楽しいのです。


風呂上りに何か飲み物を飲んで、もうそのままベットへ直行。
そして体温を計り36°位ならOKと安心して一寸横向きになつてカバーをしっかりかけた本を読む。
本のカバーは私は山本周五郎先生に教わった方法でかけてますので本の傷みはまったくありません。
しかも普通のカバーではなく新聞の折りこみ広告を利用する。
マンションとか一戸建て売りの広告は立派な厚手のアート紙を使っているので本のカバーには最適です。
スーパーの広告の紙は破って捨てるだけ。
私はほとんどスーパーに行かないもの。行く時間がないのです。
でもスーパーは本当は行った方が良い。
新しい商品(食品)を発見できるから。
物を買う時はネットも悪くないけど手で触ってみるのが一番。

私はよく外で昼食を取ります。
その時は待ってる間、読書時間終わってからお茶を飲む間も読書時間。
私が本屋だと知って(届けてくれる)と云って注文を受ける事もあり。

更に美容院。
ここは私の若い読者の研究の場。
私の店から配達しているのに私は内容を知らなくて美容院(待ち時間の多い時)で再発見してこの本はもっと売れると思ったりした事も度々。

私は健康な方なので大病にかかった事はないけれど、腰痛が耐えきれなくて手術をして約一カ月間、大病院に入院した。
内科ではないので、特別苦しい事もなくリハビリが一寸辛かったくらい。
時間はたっぷりあるので、私はこの時とばかりかつて読んで来た作家でなく新しい作家の本を読んでみようと頑張った。
大部屋だったので早速、隣の患者さんから「夜遅くまで明かりをつけないでくれ」というクレームが来た。
個室に変わろうかと思ったけどお金がかかるので小さな本の上にだけ明かりのつくLEDブックライトを持って来て読んでいった。

看護婦さんというのはよく気がつくのですね。
私と隣の諍いを読んでとってすぐにベットの位置を変えてくれた。
私の隣は空。
これで安心して本が読めると思うと看護婦さんに頭が下がった。
彼女は何も云わないけどすべて知っているんですね。

入院しないまでも近くの医院へ正月前後ずい分通院した。
私の年令の事もあるし、今年は寒かったので何度も何度も風邪をひいた。
すごーく優しい先生なので通院は楽しかった。
その待合室で(ほとんど老人)5~6人はいつも待っているが、みんな話が好き、特に人の噂話と病気の話が好き。
私はあまり加わりたくないので一番隅っこで本を読む事にしている。
それでも「奥さんいつまで働くの」「老後が無くなるじゃないの」etc,
話はいくらでもある。
でも私は返事の仕用がない。
私は本屋が好きなんだから。
苦しくも悲しくもないんだから。
儲からない本屋でも私にとっては天国なんだ。
本は読んだ方がトータルとして得だと思う。
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☆今週のおすすめ☆
     一世代前の 名作 を

            並べてみました。

                私には忘れられない

                      作品ばかりです






「雪国」

改版
角川文庫

川端康成/〔著〕 出版社名 : 角川書店
税込価格 : 340円













「冬の旅」

改版
新潮文庫

立原正秋/著 出版社名 : 新潮社
税込価格 : 820円













「氷壁」

改版
新潮文庫
井上靖/著 出版社名 : 新潮社
税込価格 : 820円













「或る女」

新潮文庫

有島武郎/著 出版社名 : 新潮社
税込価格 : 700円













「四十八歳の抵抗」

石川達三/著 出版社名 : 新潮社
税込価格 : 620円

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