2011年7月30日土曜日

分かってほしい、無力な民の真意を

もうすぐ、66回目の8月15日がやって来る。
当は11才だった私が78才になって、年追う毎に私にとって8月15日は意味が深くなってくる。
悲しくて泣き、悔しくて胸かきむしったあの日の光景は昨日の事のようにますます鮮やかになってくる。
何が悲しかったの?
何が悔しかったの?
分からない。

地方の半農半漁の町ですら、防空壕を作り、幾度も幾度も入っていた。
すぐ近くの県庁所在地は空襲で丸焼けになり、伯母一家が焼け出されて来た。
神戸、大阪に住んでいた伯父や伯母の一家も母親と子供達だけが逃れて私の町にやって来た。

私の家にとっていた一枚の新聞が届くと、さあーと読んで先ず一番近くの大阪から来ている伯父の家へ届ける。
そこでも一通り読んで、次は神戸から来ていた伯母の家へ、そしてそれから自転車で最後にT市から焼け出されて来た伯母の家へ運ぶ。
新聞もとれなかったのだ。

終戦になるとすぐ大阪の一家は帰った。
神戸の伯母はお茶、お花、琴、習字等を近所の人達に教えていたので、十年間位私の町で生活していた。
丁度私は小学校から女学校への頃だったので、お花やお茶もお習字もその間にこの伯母からしっかりと教えて貰った。
地方なので食べ物にもさほど困らず戦争が無ければ会えないような優秀な教師にも出会えた。
そして都会育ちの友人も沢山持つことが出来た。

山本五十六の武官であった、樋端大佐の娘さんと女学校で同じクラスになり、とても仲よくして貰った。
でも一年限りで母親の実家の方へ転校して行った。
分かれる時にしっかり両手で握手して涙をこぼした日も忘れられない。


でも一度手紙を貰ったきりで別れてしまった。
今頃どこで何をしているのだろうかとふと思い出す。
さすがに優秀な生徒だったので私はライバルとして楽しい付き合いをさせていただいた。

そして終戦の翌年、私は女学校一年生の時だった(下に妹2人、弟2人)
父親のフィリピンルソン島での戦病死(何が戦病死だ、のたれ死にだったのだ)
今、父の2倍以上の年月を生きてみて、もう一度父に会いたいと強く強く思う。

父親の姿は殆ど知らずに成長した思えば不運だった
弟二人も父の加護のせいか一人前に育ったけれど弟こそ父親に会わせたい。
父親そっくりの長男をみていると、戦争さえなかったら、と思わずにはいられない。

こんな思いの人は日本全国に数えきれないほどいるに違いない。
国を動かすのは(国民が幸福にあるのも不幸に会うのも)トップの力と考えだ。

私は70年近く前も現在も同じだと思う。
己の立身出世のみを考えて代議士になり官僚になり総理になるのは良いことではなく考えものだと思う。

国家の為に国民の為に一身を投げだす気力、体力、知力のある人だけに立候補してほしい。

今年の無様さは横浜に住む私も情けない思いでいっぱい。
トップを変えるという神様の御意向かと思ってしまう。
どうかお願いだから国家国民の事をまず第一に考えて下さい。
そしてそれが無理ならばバトンタッチしましょう。
日本が崩れてしまいそうで空恐ろしい。
書かずにいられなかった私の思いを理解して下さい。
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