2013年7月6日土曜日

人間は死ぬまで打ちこめる何かを持つべきだと思う

人間はどんな人生を歩むのか、
過去の事は記録していれば分かるけど
何年も経つと忘れてしまう部分の方が多いものだ。
まして、この先自分は何年どんな道を歩むのか
誰にも分からない。
予想通り生きる人は何%いるだろうか。

幸福に生きたいとみんな思っているが、
人の命の先の事は、どんな立派な人でも
全く分かっていないのが普通だろう。
そこを努力してがんばって、
少しでも佳い道を探りつつ、一年一年
年令を重ねてゆくつれ、歩む道の巾は
狭まってくる。

でも、“もう、いくつだから”という言葉は
すべてを表現していないと思う。
50才の人より70才の人の方が
パワーがあったり、20才、30才の人でも
不幸が重なって人生を終えてしまう人間もいる。

第二次世界大戦の時、
どれだけ多くの未だ未だ先のある人が
この世を去ってしまったかという事は
もう、歴史の中の事になってしまったが。

今年101才の足は動かないが、
頭もしっかりしているし、
常識もその年なりのものをもっている人が
自宅で息子の嫁の世話を受けながら
一日、24時間、一年365日を
しっかり生きて来た。

ふと気が付くと、13人もいた兄妹弟も
みんな亡くなってしまった。
友達もみんななくしてしまった。
夫にも32才の時、戦病死という事で
帰ってくる事はなかった。
娘3人は、九州、東京と
一寸来るという距離にはいないので
なかなか会えない。

近くにいる姪や甥は、
チョコチョコやって来るけど話が全くかみ合わず
ただ会っているというだけみたいだ。
下の息子はもう70才になっているが、
近くにいるので1週間に1回位はやって来て
話もするが、親子げんかもする。

家の嫁とは、
もう50年以上一緒に住んできた仲だから
お互い気心を知りつつも、やはり他人、
どこかかみ合わない所があるらしい。
しかし、姑の好きな所へ車椅子に乗せて
連れて出たり、
子供より手間のかかる人間だけど
これが運命と考えて娘以上に思っている。

私はこの話を聞いて、
人間は、死ぬまで何か一つ二つは
心を打ちこめるものを持っていなければ
悲劇だなとつくづく思った。

目・耳・体全体が老化して
制約は厳しくなっても
それを何とか補助する術を見出して
死ぬ瞬間まで、己の心情を打ち込むべきものを
絶対に育んでおくべきだと思った。
それには若い時から投資しておかねばならない。

そして、苦しい苦しいと思いつつ、
仕事を持って生きられる私を
改めて幸福だと思いたい。




 

 



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