2008年5月11日日曜日

私の氷川丸

私は体力的、精神的、リフレッシュの為に日曜日早朝に伊勢佐木町をまっすぐまっすぐ歩いて海岸まで行くことにしています。
往復二時間半、ほどよい距離であるし海の好きな私を
海が呼んでいるような気分で歩いております。
大好きな赤レンガ倉庫を左に見て海岸の柵まで歩き
誰もいない海に向かって大きな声で
「好きよ、好きよ○○さ~ん」と云ってみたり「バカヤロー!今に見ていろ○○ヤロウ!」と怒鳴ってみたり大きな声を出すと胸がスーっとして「さぁ!生きるぞ」と体内からエネルギーが湧き上がってまいります。

右手に目を転じると氷川丸が係留されています。
ああ・・この氷川丸
私より少しお姉さんですが私とほぼ同じ時代を生き抜いてきたんだと思うと
とても愛しい心情になってまいります。

昭和5年に竣工された12000t級の貨客船。
チャップリンや皇族や多くの高名な人を乗せて世界中を航海してきました。
戦時中は病院船にもなったらしい。

その氷川丸、現役最後の航海は昭和35年頃だったと思うけど、私は船舶用の本を届けに行きました。
時あたかも、昼食時間。
大きなテーブルの上にたくさんの料理が整然と並べられキャプテンがイスに座るとサッとボーイさんがナプキンを渡し、次にナイフとフォークを手渡す。
そして、後ろにピッと立って控えている。
若かった私はその光景に見ほれてキャプテンの食事風景は王様みたいだなと思ったことが忘れられません。
船の中もホテルみたいに美しくデッキから見える海も一際綺麗だったのを覚えています。

その氷川丸が日本郵船歴史博物館と共に船の変遷、船の歴史。所蔵図書を紹介する展示館にリニューアルされました。
イベント最後の日、5月6日に48年ぶりに氷川丸を訪れました。
人が多くてゆっくり心を癒す雰囲気にはなれなかったけど、なつかしい気持ちでいっぱいでした。
ただ、デッキから見える横浜港の景色は大きく変化。
高くて白い素敵な、ビル、ビル、ビル。
48年前とは全く異なった風景でした。

それだけ日本が豊かになったのかよくなったのか分かりませんが、私の頭の中には昔の港の風景が残っております。
あの頃の方が素敵だったなぁーと思いました。
私は船や海に縁が深いので写真もよく見ますが昔の船は美しい女王様の形をしていました。
今の船は大きなビルが動いているみたいで、船はやっぱ女王様スタイルの方が相応しいなとおもいつつ氷川丸を振り返りながら帰りました。



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