2008年5月17日土曜日

人間は元気で生きる時間で勝負は決る

私の店は船会社に50余年にわたってお世話になっております。
たまたま、雄洋海運の社内報を拝見する機会があり
その第一頁に初航海記 三等航海士 谷怜子
という女性の名前があり、感激して読んでみました。

ずーっと昔ブラジル移民船のあった頃、船内に看護婦さんとして
女性が乗り組んでいましたが、それ以外こんなに船と親しくしている私も
正式に三等航海士として女性の名前を見るのは初めてでした。

四月一日入社、陸上での各種研修を終え、いよいよ乗船の
時を向かえ乗船地シンガポールへ向け出発するところから
文章は始まっておりました。
今は日本船に乗船するのも日本の港からではなくシンガポールなど
東南アジアの外国の港から乗船することがほとんどです。

ペルシャ湾航路のタンカーに乗船、フィリピンクルーと共に
三等航海士としてこれから活躍するわけです。
やがて一航士となり船長として船を動かす立場になる日を
夢見る若い女性の姿がまぶしい程美しく見えました。
タンカーなので、タンクもぐりと言う体力を要する難しい仕事もこなし
又、ペントマストのインスぺクションもあり「正直登れる自信はあるか?」と
聞かれうねりのある船上であの高いところでやりきった・
「よっしゃ、よっしゃ、これだけは絶対譲れぬ」とチョッサーの強い
信念に練習をつんで成功した。

いずれの分野においても男と女の差別の無い時代になりました。
ただ、出産という仕事だけは女にしかできません。
この谷さんも、いずれ結婚、出産という難関がやってきます。
その時、どのようにクリアしていくか私はそこまでみさせて欲しいな
と思っています。

私は児童書を求めて来店される若いお母さん達が乳母車に子供を乗せて
本を探している姿を見るたびに
ああ・・・この人は人生の中で一番充実した幸せな時期を
歩いているな」と思って眺めております。
女性にとって子育ては一大事業だと私は考えています。
お父さんの力を借りても祖父母の応援を得たとしても主役はお母さん。
学齢期前の子供を育てている間はお母さんは他の事は何もできません。
でも、私はそれでいいんだと思います。
たかだか5~6年の間は子育てに一点集中した方が子供も親も
幸せであり、良い人間が育ちます。
10歳すぎれは皆お母さんの手から離れていきます。

それからまた改めて学校へ行きなおすも良し、男と同様に
働く場を求めるも良し、時間は充分残っています。
いくら、国が小子化省を作ったり会社が子育て用の設備を作ったとしても
これは各個異なるケースですからよく考えて自分の道を決めるべきだと思います。
どんなにしてもどこかに犠牲はでてきます。
また、ベストはありません。
ベターの中で自分にあった道を選択するしかありません。

冒頭に書いた谷怜子さんにはエールの手紙を送ろうと思っています。

すべては男性、女性、という問題ではなく人間の質の問題である事を
しっかり認識すべきだと思います。

その上で一生の中で働く時間を増やすことが大切なのではないでしょうか?

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